アルテリア・ネットワークスは全国規模の光ファイバーネットワークを自社で保有し、回線とプロバイダーとの契約をワンストップで提供する通信事業者。
ユーザーは個人だけではなく、法人、回線インフラを必要とする通信事業者と幅広く、収益の基盤はかなり堅牢といえる。
「マンション向けインターネットも含め、契約先は法人、事業としてはBtoBが中心であり、ネットワークの基盤を持つインフラの会社ともいえます」と語るのは、同社 人事本部 担当部長の山下淳一氏。
同氏は、今回の新型コロナワクチンの職域接種プロジェクトを推進した責任者だ。
当初、海外に比べ日本では遅れをとっていたものの、ワクチン接種は2021年から段階的に開始され、高齢者などへの優先接種は進展していた。
また政府の接種体制の方針への協力が企業にも要請され、各企業の対応が問われていた。
こうした中で、アルテリア・ネットワークスの職域接種への対応の動きは早く、2021年の6月の初旬に、全社員とその同居する家族に対しての職域接種実施を決定した。
「コロナ禍による通信のトラフィック量が増えたことで、通信事業者の責任が高まりました。だからこそ社員の感染などによって事業を止めるわけにはいかない。
インフラを支える企業としての使命感がありました」(山下氏)
その原動力になったのは経営層の判断だった。
「経営層が通信事業者の社会的責任を果たすため、感染予防について的確なリーダーシップを発揮し、“やるぞ”と決めたことが大きかった」と山下氏はいう。