以前は、セミナーやWeb広告で集めた見込み客情報は、マーケティング担当の酒井則子氏がExcelで管理していた。そのExcelファイルは千手事業部全員で共有し、営業担当者が各自で営業の進捗状況などを書き込んでいた。しかし、一人の見込み客が同社とどんなコンタクトを行ってきているのかを一元的に捕らえられていなかったため、継続的なフォローができていなかったのである。したがって、セミナーを開催しても、スポット的にその都度来場者にサンクスメールを打つという施策を繰り返すに止まっていた。さらに、メールマガジンもExcelのリストに配信していたが、不達で戻ってきたアドレスのリストメンテナンス作業が発生。それら一連の業務もすべて酒井氏が手作業で属人的に担当していたのである。
「おびただしい手作業に忙殺され、メール送信先をうっかり間違えたり、サンクスメールの送信が遅れたりという事態はよく起きました。当時のセミナー開催は月1回で、もっと増やしたかったのですがそれが限界でしたね。しかも、ピボットテーブルを使って集計できるようにしていたのですが、相当大きなデータということもあってよくファイルが壊れていたのです」と酒井氏は打ち明ける。