「N-コンシェルジュ」は、日本生命が団体保険の加入者向けに提供する福利厚生サービス。
健康、介護、生活、レジャー・エンタメ、グルメ、ショッピング、旅、リラクゼーション、スポーツ、学びなど、様々なカテゴリの商品・サービスを提供しており、日本生命のネットワークを活用した商品やサービスの特別優待価格での紹介、メンタルヘルス、健康、介護についての専門家への無料相談、さらに人事・総務担当者向けには福利厚生や労務課題解決のための情報提供など、多種多様なサービスを展開している。
このサービスを運営している法人営業開発室のミッションのひとつに、N-コンシェルジュの利用率向上がある。同部署の専門課長 竹内之弘氏はこのサービスの意義をこのように語る。
「団体保険に加入していただいた人に、 質の高いサービスを提供することで信用とブランド力を向上させることが目的です。」(竹内氏)
保険業にも近年DXの波が訪れている。強力なブランド力や顧客基盤を持つ日本生命には、業界のマーケットリーダーとして、業界の変革を牽引していくことが求められる。
N-コンシェルジュがスタートしたのは2015年。働き方改革やメンタルヘルス対策が、社会的に要請された時期でもあった。
「当初は元々あったコンテンツをうまく組み合わせることでスタートし、徐々に付加価値の高いサービスやコンテンツを作っていくことにしました。あまりに注目度や魅力度だけを追求したコンテンツだと、保険の内容を理解しない契約に結びついてしまうので法律的に望ましくない。保険業のマーケットリーダーとしての世界観を重視しました。」(竹内氏)
様々なコンテンツを持つN-コンシェルジュWebサイトは加入者に限定して公開しており、検索エンジンにもインデックスされないよう、クローズドの環境を維持している。
その中で、医療やメンタルへルス対策、介護なども関わる深い情報を提供することで、加入者付帯サービスとして専門性と信用、差別性を確立しているのだ。
2022年のN-コンシェルジュリニューアルの背景には、最近の金融業界、とりわけ保険市場の競争環境の変化がある。
デジタルテクノロジーによるオンライン保険商品の販売、さらには、インターネット関連サービス企業等の新規参入も目立っている。
「よく安価な新興のネット生命保険の会社様と比較されるのですが、団体生命保険の場合、元々価格面では低いので、コスト面での競合は気になりません。むしろ異業種のインターネット企業のユーザー囲い込みによる参入が脅威となります。付帯サービスを差別化要素の1つとして活用していきたいと思っています。」(竹内氏)