ルネサス エレクトロニクス株式会社

部門やリージョンごとで別々に運用されていた
セミナー/キャンペーン申込管理機能を統合し
大幅に効率化

世界トップシェアのマイコンをはじめとする強力な半導体製品群をグローバルに提供しているルネサス エレクトロニクス。それまで、部門ごとに顧客向けのサポートセミナーを、リージョンごとにマーケティングキャンペーンをそれぞれ別々に行い、受付管理もその都度別々に対応しており、効率化が急務となっていた。検討の結果、豊富な導入実績、認証連携APIの公開により顧客認証との連携可能な点が決め手となって「シャノンマーケティングプラットフォーム」を導入。従来の受付管理業務に要する時間が半減以上と、劇的な効率化を実現した。

Point

  • 約80種・年間約300回開催するセミナー申込管理業務を大幅に効率化
  • 10リージョンで別々に運営していたキャンペーン申込管理を統合し一元化
  • 6言語による申込管理システムを実現(日、英、繁体、簡体、韓、露)
導入企業
ルネサス エレクトロニクス株式会社
関連利用シーン
  • セミナー運営を効率化
導入部門
  • 顧客サービス部門
  • マーケティング部門
URL
http://japan.renesas.com/
写真:堀口 和男 氏
  • ルネサス エレクトロニクス株式会社
  • 情報システム統括部
  • インフラ企画部 部長
  • 堀口 和男 氏
写真:関口 昭如 氏
  • 株式会社ルネサスソリューションズ
  • Webマーケティング部
    部長
  • 関口 昭如 氏
写真:斉藤 寛公 氏
  • 株式会社ルネサスソリューションズ
  • グローバルコミュニケーション本部
  • カスタマーサポート部 WEB第一課 主任
  • 斉藤 寛公 氏
写真:武井 真一郎 氏
  • 株式会社ルナセンティス情報サービス
  • 販売支援システム部
  • コーポレートウェブシステム課 技師
  • 武井 真一郎 氏

約80種類・年間約300回に及ぶセミナー受付業務の効率化が課題に

2010年4月、NECエレクトロニクスとルネサス テクノロジの経営統合によって誕生した、ルネサス エレクトロニクス。経営統合前から、それぞれ顧客向けに自社半導体製品を用いての設計やアプリケーション開発などを支援するセミナーを開催していた。その参加申し込みは、その都度各セミナー開催部門がIT部門に作成してもらった申込画面への登録や、FAXでの受付・手入力で登録・管理していた。両社の経営統合により、それらセミナーを運営する部門も一体化された。

2010年5月頃、セミナー開催部門から情報システム担当部門に「セミナーの申込管理業務を効率化できないか」との相談がもたらされた。情報システム統括部インフラ企画部部長の堀口和男氏は、「経営統合し、セミナーは約80種類・年間約300回に及ぶことになる。いちいち申込ページをつくり直して導入する手間は膨大になり大きな課題となっていた」と振りかえる。

APIの公開が選定の決め手に

堀口氏は、同社の社内システム開発を担う関連会社のルナセンティス情報サービスとソリューションを検討。開発期間とコストを考えれば、独自開発ではなくクラウドサービスを利用すべきと考えた。そして、本件を担当することになったルナセンティス情報サービス販売支援システム部コーポレートウェブシステム課技師の武井真一郎氏は、さっそくインターネットで要件を満たすクラウドサービスを探し始めた。

「シャノンさんは検索結果の上位ですぐに見つけることができました。調べてみると、大手企業への導入実績も豊富だということがわかりました」さらに他社の製品やサービスも探して比較検討する。

「『シャノンマーケティングプラットフォーム』はイベントの運営管理に特化した製品であり、自分たちが求める要件に最も近いことがわかりました」と武井氏。これに対して、他社は「自社の製品は汎用的。セミナーの受付管理にも対応はできる」という説明であったという。そして、選定の最重要要件としたのは、「MyRenesas(マイルネサス)」という顧客認証との連携が容易にできることだった。それにより、既存顧客は登録していたIDとパスワードをセミナーやキャンペーン申込みでそのまま使うことができる。「シャノンマーケティングプラットフォーム」選定の決め手になったのは、まさにこの点であった。

「シャノンさんはAPIを公開しているため、MyRenesasと容易に連携できることが大きかったですね。他社はカスタマイズしなければならず、『特別対応が必要』と言われました」と武井氏は言う。さらに、決定要因について堀口氏は次のように補足する。

「お客さまの個人情報を扱うので、情報セキュリティの管理・運用面での対応内容が気になりました。シャノンさんに問い合わせると、すぐにしっかりしたドキュメントを提出してもらえました。当社の情報セキュリティ担当部門と検討し、これなら安心できると判断しました」

申込ページ作成工数は半減
顧客サービス向上にもつながる

そして、7月に導入を決定。約5カ月間を経て12月に新システムが導入された。その間のシャノンの対応について、ルネサスソリューションズグローバルコミュニケーション本部カスタマーサポート部WEB第一課主任の斉藤寛公氏は言う。

「昼夜を問わず、スケジュール遵守に徹して動いてくれました。導入直後のフォローも手厚く、助かりましたね」

また、「シャノンさんはセミナーの大抵の形式は手がけた実績がある。当社の要望に対しても今までの経験を活かし、確実なソリューションを提案してくれた」と評価する。

12月から本格的に利用を開始。すると、セミナー申込受付ページを作成する工数、時間はほぼ半減した。また、従来はその都度の手づくりであったため、1つ1つテストをしてバグを潰す必要があった。「その作業が一掃された」と武井氏は言う。

「当社にとってのお客さまサービスの向上にもつながりました。従来、お客さまはセミナーのたびに違うテンプレートに入力していたわけですが、それが統一されることになって、使いやすくなったと思えるからです」とルネサスソリューションズWebマーケティング部部長の関口昭如氏は言う。

6カ国語対応の申込システム完成
対応業務は3分の1に省力化

「シャノンマーケティングプラットフォーム」の使い勝手のよさを確認できたところで、次の課題が浮上。世界10リージョンで別々に運営しているキャンペーン管理システムの統合である。ルネサス エレクトロニクスでは、ブランド・製品認知度向上のためのマーケティング活動として各リージョンがそれぞれ様々なキャンペーンを展開している。そして、社内規則によりプログラム作成をIT部門のみに制限しているため、申込ページなどの作成は同部が一手に引き受けている。「10リージョンで約200種類に及ぶ画面をその都度IT部門につくってもらうのは、正直気が重く省力化したかった」と、関口氏は打ち明ける。2011年1月、関口氏から相談を受けた武井氏は、「シャノンマーケティングプラットフォーム」の活用を思いつき、多言語対応について問い合わせた。

「シャノンさんも多言語対応は開発スコープに入っていたとのことで、対応を依頼しました」

5月から徐々に導入を始め、12月には6カ国語対応の申込システムが完成。「各リージョンの活動が可視化され、さらに対応業務は3分の1程度に省力化もできた」と関口氏は喜ぶ。システム面の柔軟性が向上した今後は、よりタイムリーにキャンペーンを展開するとともに、地域間の顧客データベースが統合できたメリットを生かして、マーケティングや営業活動を強化していく計画だ。