事業・業務内容
藤野氏:私の業務は、生興株式会社の西日本営業部を統括し、営業部長として売上げの管理など営業全般を見ることです。
福井氏:私は、デジタルマーケティング推進室という部署に所属しています。元々は、総務部にいましたが、藤野が社内全体のデジタル部門を強化したいと同部署が設立され、私がパイオニアとして配属されました。
業務としては、社内に関わるデジタルなところ、SFAやMAなどのグループウェアの導入から運営・管理まで行っています。
シャノン導入検討のきっかけは、営業の数に対して顧客数が多く、
手が回らない遠方や休眠顧客にMAでアプローチして継続的な関係性を構築
藤野氏:
シャノンの導入は2021年です。弊社は創業110年を越える歴史ある会社である一方、保守的な考え方が根強くアナログな側面があります。全国に約60名いる営業のアプローチも従来の対面方式を主軸としていました。しかし、お客様の数は6,700件ほど。マンパワーのみではすべてをフォローすることは難しく、休眠顧客も多数いらっしゃることも事実です。だからこそ、休眠顧客の掘り起こしをITツールに任せ、営業にはできるだけ優先度の高い顧客の対応に時間を活用してもらいたい。
さらには、生興ファンを増やし、いざオフィス家具が必要になった際に、リピートの受注をいただける仕組みづくりまでできると良いなと考えました。
福井氏: シャノン導入の目的には、もう一つ、自社主催イベントの運営・管理を行うこともありました。当時は、申込や誰が来場したかがわかる機能が欲しかったです。そのため、メール配信ツールではなく、MAツールの検討をはじめました。
MA検討 シャノンとの出会いは展示会
導入の決め手は、コロナ禍でのMA導入に不安を感じるも、対面での手厚いサポート
福井氏:
MA検討はまず、Web検索でどういった製品があるかを調べて、資料のダウンロードをしました。それから展示会にいくつかの会社が出展することを知ったので、藤野と一緒に製品の話を聞きに行こうと展示会へ参加しました。
その時に、お話を聞いた中の一社がシャノンでした。色んなMAツールの会社とお話ししましたが、一番違ったのはコロナ禍でも対面でしっかりお打ち合わせいただいたところです。他にお話した会社では、Web上でしか打ち合わせできませんでした。初めてのMA導入に加えて、オンライン展示会も初開催しようと考えていたので、Web上だけでは不安があり、シャノンはこういった面でもサポートが厚く、安心してお任せすることができました。
後は、コロナ前はリアルでの展示会開催をしていたので、シャノンならリアルにも対応しており、やりたいことが漏れなくできそうというのもポイントが高かったですね。
藤野氏:
個人的にMA導入で大変だったのは、社内の役員会でMA導入のための稟議を通すプレゼンでしたね。MAツールを導入するとどういった効果があるのかをシミュレーションする必要がありました。例えば、販促チラシや展示会のお知らせを作成する場合、これまでは営業がお客様の元へ足を運んで渡していたところを一斉にお届けできるので、営業の時間がどれだけ削減できるかをシュミレーションしました。我々は、創業110年を越える歴史ある会社だからこそ、社内の保守的な考え方も根強く、承認を得るのに時間を要しました。
役員会に提出する資料には、その他、MAでどういったことができるのかを記載したのですが、ここはシャノンの担当営業のかたと相談しながら作りました。
MA導入後、営業部長の号令により
営業が持つ8,000枚以上の名刺を一斉回収

営業部長による号令で名刺の回収を実施
約8,000枚の名刺が集まり、顧客管理がスタート
藤野氏: MAツールの導入でまず始めたのは営業が持つ名刺の回収でした。これまで、顧客リストとして、社内の営業が持つ名刺情報の集約ができていませんでしたので、営業責任者の私から、全国の営業に手持ちの名刺を全部提出するように大号令を出しました。一斉に集めたので、多くの名刺が集まったことを記憶しています。
福井氏: 当時の営業50名がそれぞれ100枚以上の名刺を持っていましたので、集まった名刺の枚数は約8,000枚。この集まった名刺をMA導入時に購入した名刺スキャナーで一気に取り込んだのですが、この作業は今でも記憶に残っていますね。
名刺管理の今後の課題は、新しく獲得した名刺をMAに取り込むためのルール整備
藤野氏:
福井はMA導入当初、集まった名刺を取り込むだけでなく、営業に名刺の取り込み方の指導も行ってくれました。
ただ、実際に名刺を獲得したら取り込んでくれるかどうかは営業個人差があり、すべての名刺を登録できていないというのが現状です。
都度獲得した名刺が取り込めていないという問題を改善するために、名刺の取り込みを個人に一任するのではなく、3ヶ月に一度など定期的な名刺の一斉回収を検討しています。営業によっては一ヶ月に一枚も名刺をMAに取り込んでいないケースもあり、漏れなくお客様への情報提供をするためにも、一斉回収が必要だと考えています。
メールで遠方や休眠顧客へアプローチ
カタログの発刊をお知らせするメールで、数十件のお問い合わせを獲得

メールで、遠方や休眠顧客といった営業が足を運びにくい層へアプローチ
毎年、発刊するカタログのお知らせメールでは、即日数十件のお問い合わせを獲得
福井氏:
メール機能は、休眠顧客や遠方でなかなか営業が足を運べない場合に情報提供ができるという成果を感じています。
例えば、弊社ではカタログを一年に一度発刊し、このカタログをお客様に届ける場合、営業が全てのお客様の元に足を運んでお届けできれば良いのですが、顧客の数も多く遠方のかたも含まれるのでなかなか難しいです。
そこで、カタログ発刊のお知らせメールをお送りしたところ、営業が足を運べなかったお客様からもカタログ請求をいただけるようになりました。
藤野氏:
そうですね。カタログについては、送信したらその日のうちに数十件のお問い合わせをいただきました。営業の足で配っていた頃は、カタログが余って処分に困っていましたが、おかげ様でカタログが不足するぐらいの反響でした。
オフィス家具など取扱製品が多いので、お客様のお手元にカタログが届くことがビジネスとして大きな役割を持っています。
福井氏: メールを送ると反響がもらえることはわかったので、今年から月に一度のペースで商品に関するメルマガを配信する新しい施策に取り組み、生興のファンをさらに増やしていきます。
自社開催イベント「セイコーまつり」でのMA活用
導入前に比べてイベント運営業務を70%圧縮

初めてのオンライン開催
MAで実現したかったのは、申込者が何をしたかの行動履歴情報の取得
福井氏: 年に一度、取引のあるお客様に向けて「セイコーまつり」という自社イベントを東京・名古屋・大阪の3会場で実施しています。導入したタイミングはコロナ禍だったためオンラインで開催をし、MAを次のように活用しました。
オンライン展示会「セイコーまつり」でのMA活用業務
- お客様に送る「展示会のお知らせ」メール送信
- 来場者のオンライン展示会の来場・閲覧・購買などの各種履歴情報の取得
オンライン展示会でMAツールに求めたのは、メール配信ツールにはできない「来場の管理」や「誰が来場して何を見てくれたのか」という行動履歴を取得できることでした。
ただ、「オンライン開催」と「MAでのイベント運営」どちらも初めてで実施したので、設定方法や運営でわからないこともありましたが、都度シャノンの担当営業のかたにサポートいただけたので、無事に開催することができました。
リアル開催で運営業務を30%に圧縮できた大きな要因は2つ
来場受付をバーコードに移行とアンケートを紙からWebフォームに移行
福井氏:
今では「セイコーまつり」もオンラインからリアル開催に戻りました。
リアル開催でもMAを使って運営をしています。2024年開催では、新しい試みとして「紙のアンケートをMAのアンケート機能で実施」「来場受付をバーコードで実施」を行ったところ、MA導入前と比べてイベント運営業務を30%ほどに圧縮することができました。
それぞれどのような点で業務の圧縮に繋がったかポイントをご紹介します。
まず、アンケートです。2023年時はイベント会場で紙のアンケートを実施したところ、開催後のアンケート集計が大変で苦労しました。そこで、MAのアンケート機能を使ったのですが、アンケートフォームで回答していただくと自動でシステムに情報が取得されるので、「アンケート結果を紙からデータにする」という作業が無くなり、アンケート集計業務が楽になりました。
次に、バーコードでの来場受付です。受付方式を変えたことで、来場状況の把握が楽になりました。MA導入前は「お客様から名刺を受け取る⇒受付で名刺を営業部ごとに振り分け⇒1時間ごとにバックヤードで名刺のカウント」を行っていましたが、今では、「バーコードをスキャン⇒システム上でリアルタイムの来場状況を確認可能」と、名刺を受け取りカウントする業務が無くなったのでした。
藤野氏:
アンケートは、「来年のカタログに載せる商品の検討」や「来場者の属性確認」などに活用しています。
2024年時のアンケートでは、セイコーまつりに初めて参加したかたは全体の30%だったことなどがわかりました。そこから「次回の来場者を増やすには、来場したことがある既存のかたにもう一度来てもらうため施策が必要」といった振り返りができるようになりましたね。
今後取り組みたい施策は
営業への情報提供と休眠顧客へのアプローチ強化

MAをさらに活用し、営業の効率がよくなるような情報提供にチャレンジ
福井氏:
MAの機能には、使ったことがない機能もあれば、使ったことがある機能でも十分に活用できていないことがあるなと思っています。
例えば、メールでもクリックなどの反響があったかたを営業にフィードバックすることができていません。今年からは、営業の効率が良くなるように営業にとって良い情報はどんどん提供できるようにしたいです。
休眠顧客や遠方へのアプローチを強化し、リピート受注の仕組み化を実現
藤野氏:
繰り返しとなりますが、私は休眠顧客や遠方にいらっしゃるかたへのアプローチをさらに強化したいです。
主力製品であるオフィス家具は頑丈にできているおかげで、一度購入いただくと次に必要になるまで期間が空いてしまいます。常日頃の取引があれば良いですが、それがなければ休眠顧客化する懸念があります。
期間が空いてもメールなどによる定期的な情報提供を行うことで「そういえばセイコーっていうのがあったな」と記憶に留めていただき、案件が発生した際には当社へお声掛けいただける仕組みの実現を目指していきます。