太陽誘電株式会社

展示会で獲得した名刺をデータ化・一元管理し
アプローチへの反応履歴で有力見込み客を抽出

コンデンサやインダクタなどの電子部品メーカー、太陽誘電。従来は、主にテレビやスマートフォンといった通信・情報機器やAV機器などの民生市場を中心に展開していたが、一層の成長を期して、自動車、産業機器、環境エネルギー分野などの市場の拡大に乗り出した。それに従い、見込み客を開拓・育成するマーケティング施策の必要性が浮上。シャノンマーケティングプラットフォームを導入し、獲得リードの行動履歴活用による有力見込み客の抽出で、営業活動の効率化を目指している。

Point

  • 展示会で獲得した名刺は放置せずデータ化して一元管理
  • 獲得リードはメールを活用して積極的にフォロー
  • アプローチに対する反応の履歴により見込み度の高いリードを抽出
導入企業
太陽誘電株式会社
関連利用シーン
  • 展示会出展後のフォロー効率化による成果向上
  • メールマーケティングの効率・効果を向上
  • 見込み客を管理育成し、商談を増やす環境の確保
導入部門
  • マーケティング部門
URL
http://www.yuden.co.jp/jp/

自動車や産業機器市場など成長が期待できる新市場に進出

積層セラミックコンデンサやインダクタなどの電子部品の開発・製造・販売を手がける太陽誘電。その製品は、スマートフォンやパソコンなどの通信・情報機器や、テレビなどのAV機器をはじめとするIT・エレクトロニクス分野のさまざまな機器に搭載される。同社の顧客である完成品メーカーは、日本をはじめアジアや欧米などの世界に広がっている。

従来主力としてきた民生用製品市場は、景気の変動をストレートに受ける市場であることから、安定的な事業運営が難しい環境にある。そこで同社は、経営環境の安定化を図るため、さらなる成長が期待されている自動車や産業機器、ヘルスケア、環境エネルギーといった新市場に着目しその開拓を経営課題として掲げたのである。

「従来のお客様である量産品の民生用機器メーカーとは、ルートセールス的に足を運んで注文を頂く関係を構築していました。しかし、大型の産業機器など年間数百台といった生産規模のBtoB製品向けとなると、いきなり営業担当者が足を運んでもすぐに商談に持ち込むことは難しく、非効率となります。そこで、こうした市場に効率的に参入する方法を考え、得意としていた展示会出展や広告で見込み客を集めてアプローチすることにしました」と広告グループの田中氏は言う。

できない機能については必ず代替案を提案

同社広告グループでは、かなり以前から製品のPR手段として展示会を活用している。

「ノベルティを渡したり、クイズやプレゼンテーションをするなど集客のノウハウを蓄積しています。これを産業用機器向けに応用すればいいと考えたのです」

しかし、こうして名刺を集めても、明らかに確度が高いと思われる見込み客以外には何もアプローチせず、数多くの名刺がそのままにされていた。

「この名刺の中にも見込み客はいるはずと、産業用機器への進出を機にメールマガジン配信などのアプローチを行うことにしました。そして、この作業が効率的に行えるマーケティングシステムの存在を知り、ベンダーを探すことにしたのです」

シャノンを含む5〜6社をピックアップし、製品の機能や価格などで比較検討。最終的にシャノンともう1社に絞り込んだ。そして、最終的にシャノンを選定する。

「当初はシャノンさんのほうが価格は高かったのですが、営業担当者の対応力が際立っていました。こちらのやりたいことを細かくヒアリングし、業務や機能を明確にしつつ不要な部分をカットするなどして価格を当社の希望に近づけてくれたのです。マーケティングプラットフォームの機能は申し分なかったので、シャノンさんに決めました」と田中氏は選定理由を説明する。また、次のように補足する。

「シャノンの営業担当者は、マーケティングプラットフォームでできること、できないことを明確にし、できないことについては必ず代替案を提案してくれました。」

行動履歴データによる検索を行い
より見込み度の高いリードを抽出

2013年3月に採用が決定され、導入できたのは同年7月。多少時間を要した理由について、田中氏は次のように説明する。

「BtoBマーケティングの専門用語やマーケティングプラットフォームの機能を理解しながらの作業だったので、慣れるのに時間を要したのです。しかし、シャノンさんの営業や技術の担当者がフォローしてくれたので進めやすくなりました」

導入後、2014年1月末までに4回の展示会に参加。また、技術系の情報サイトにもバナー広告を出稿し、獲得したリードの情報をマーケティングプラットフォームにインポートしてデータベース化を始めている。それとともに月1回(その後2回に増加)メールマガジンの配信も始めた。

「それに先立ち、当初はリードに対して、営業にも活動履歴を入力してもらおうとしました。営業はこの作業の必要性は理解してくれているものの、マンパワー的に難しい部分があるのも当然のことです。そこで、今後はこちらが獲得リードの行動履歴を活用してより見込み度の高いリードを抽出し、営業に渡すことで、営業活動の効率化に貢献することを考えています。マーケティングプラットフォームならば、こうしたリード抽出が簡単にできるところは非常に便利ですね」と田中氏は言う。「短時間にたくさんの情報を見た人が最も熱心で購入に前向き」と定義づけ、メールマガジンに埋め込んだURLのクリック数やランディングページへのアクセス数、展示会の来場履歴などをもとに見込み度が高いと判断したリードを抽出し、フォローする。それ以外のリードには、メールマガジンの配信を継続して今後につなぐという。

国内で確立したノウハウを中国そして欧米で展開

こうしたマーケティング施策を国内で確立させた次に、中国市場で同様の施策を導入する計画だ。

「中国でも年2回以上、展示会に出展しています。しかし現地には営業担当者しかいませんので、獲得したリードへのメールマガジンは日本で作成したものを中国語に翻訳し、中国人にチェックしてもらう形で送信しています。今後は、中国人により届くメッセージが送れるよう、中国にもマーケティング担当者とマーケティングプラットフォームを導入し、完全な現地化を図りたいと考えています。その次は欧米市場が待っています」

さらにシャノンの「アスデジPlus」も導入、獲得した名刺をデジタルデータ化して一元管理する。

「マーケティングプラットフォームを導入した効果はこれからです。しかし、見込み度が高そうなキャンペーンに申し込んだ人などを検索し、対象者を抽出するといった検索機能に優れており、マーケティングと営業が連携する拡販管理がやりやすくなる可能性を感じています。今後、我々マーケティング部隊は、獲得したリードを商談化し受注に繋げる成果を上げるところまで関与する方針です」と田中氏は力を込める。