『旅のチカラ』で日本企業の課題解決を支援するJTB。マーケティングやイベント、人材育成などさまざまな先行事業に続いて2011年からスタートしたのが、企業のグローバル化支援事業である。特に中小企業の単独での海外進出は困難が多い。そこで、JTBの海外拠点や海外での提携先とのネットワークを活用し、進出先の販路確保などをサポートするビジネスを手がけることにしたものだ。
「スタートさせるに当たり、旅行とかかわりの深い“食”をテーマに選ぶとともに、エリアとしては新興国の中で比較的競合が少なく企業の進出ニーズもあるロシアとブラジル、そしてマレーシア(ASEAN)を選定しました」(中井氏)
しかし、JTBは旅行のイメージが強すぎるがゆえに、当該分野においては認知度が不足していた。そこで、主催事業を立ち上げ、参加を希望する企業を募るという戦略を取った。その第一弾の企画が『ジャパンエキスポinロシア』である。日本の食品メーカーや流通業とロシアの飲食業や小売業、輸入業者などをマッチングするというものだ。
こうした試みを通じて企業のニーズを探り、2013年2月に本格的に会員事業「LAPITA」を推進していく専任組織を設置。事業運営基盤となるWebサイトおよび運営システムの導入を決めた。
「海外進出を検討している企業は、進出に先立ってまずは情報収集や研究をしたいというニーズがあります。それに応えるため、企業に継続的にサービスを提供するべく、会員化しその特典としてセミナーの開催を全国展開することを考えたのです」と中井氏は説明する。