エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社

マーケティングデータを付加価値の高い情報として
全事業所のセールスで活用

ソフトウェア・情報通信システムの先端技術に関する設計・開発・運用、そしてコンサルティングまでトータルにソリューションを提供するエヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社。
全社のリード管理に責任を持ち、マーケティング施策に必要な情報を提供する部署である営業推進部では、セールス活動の効率化を図るために、マーケティングデータが有効活用できないかという課題があった。そんな同社は、「シャノンマーケティングプラットフォーム」を導入し、手始めにイベントへの適用を実施した。以降、順次適用範囲を拡大して現在では、同社が扱うEAIの「SkyOnDemand」を用いて「Salesforce」と「シャノンマーケティングプラットフォーム」の連携を実施し、全事業所のセールスがマーケティングデータを活用できる環境を整えた。

Point

  • 連携によるマーケティングとセールスのタイムリーなデータ同期
  • 全事業所への導入による、全社のセールスにおけるマーケティングデータの活用
  • マーケティングデータによるセールスの効率化
導入企業
エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社
関連利用シーン
  • セミナー運営を効率化
  • SFA/CRMと連携してマーケティングデータの活用
  • タイムリーなデータ同期による、商談を増やす環境の構築
導入部門
  • 営業推進部門
URL
https://www.ntts.co.jp/
写真:坂本 涼 氏
  • 営業推進部
    営業担当課長
  • 坂本 涼 氏

リード情報の有効活用の取り組みがすべてのスタート

2010年から、「シャノンマーケティングプラットフォーム」を利用開始した。
「当時、我々の部署は、『Salesforce』を積極的に活用しているセールスに対して、顧客データをどれだけ付加価値の高いリード情報として届けられるか、そしてその結果セールスにどれだけ貢献できるのか、社内を説得していくことからスタートしました」と当時の取り組み方を営業推進部・営業担当課長の坂本涼氏は振り返る。

実際に現場で取り組んだのは、自社で開催していたセミナーに対して一つのキャンペーンを適用し、参加者情報を管理することであった。まずは「シャノンマーケティングプラットフォーム」の基本的な使い方から、施策への適用を検証した。当初は、「単純にメールの配信と集客の確認という目的でセミナー管理の範囲で一時的に使っていました」
「シャノンマーケティングプラットフォーム」の活用範囲を拡大していくうちに、「実際に数万件ものリードがある中で、セールスが有効に活用できるように情報を一つの形にして渡すことができないかと模索するようになりました。当社ではセールスが『Salesforce』を積極的に活用しているという現状があったので、何らかの形で顧客データを付加価値の高い情報として届け、その情報をセールスが有効活用するという形で貢献ができるのではないかと考え、その課題を解決する方法を検討するようになりました」

データの統合管理の実現による現状把握とセールスとの連携

「シャノンマーケティングプラットフォーム」の連携以前は、情報が分断されていたという。「問い合せ時にはメールによる通知がセールスに届きますが、その後の経過が追えていませんでした。商談化したのか、受注したのか実際に分かりませんでした」と坂本氏。

このような背景もあり、セミナー管理の次の段階で問い合せフォームなどのすべてのインバウンドのチャネルを「シャノンマーケティングプラットフォーム」に切り替え、統合した。

「『シャノンマーケティングプラットフォーム』の活用範囲を拡大することで、お問い合わせをいただいたリードの管理、また集客したリードに対するスコアリング値の集計、ターゲティングメールやメルマガの配信などリードナーチャリングが可能な環境が揃ってきたと感じました。あとは『シャノンマーケティングプラットフォーム』と『Salesforce』をデータ統合することで、セールスがインバウンドから商談まで一気通貫で管理することが可能なプラットフォームが完成するというイメージを作り上げることができました」と話す。

全事業所に導入し、データの価値を実感

マーケティングとセールス間のデータの連携の必要性が社内に浸透していく中、「シャノンマーケティングプラットフォーム」と「Salesforce」を連携させ、顧客データをセールスに渡せるよう全事業所に展開していった。データ連携には自社が扱うEAIの「SkyOnDemand」を用いた。「我々の要件を満たせ、安全かつスピーディに構築できるのはこれ以外に考えられませんでした」と坂本氏。

「今では、見込み顧客のWebアクセス履歴、セミナー来場履歴、製品問い合せなど『シャノンマーケティングプラットフォーム』を通じて得たリードの情報と関連するコンタクト情報を『Salesforce』とデータ連携することにより、お客様はこのセミナーとこのセミナーに興味がある、またはこの製品の問い合せをしてきたから、このアカウントにはこの情報を届けてみよう、というようなマーケティングデータを活用した様々な取り組みが全事業所で実施できるようになり、これまでにない“情報の質”を現場から感じ取るようになりました」と坂本氏は手ごたえを実感していた。

効果としてはまだまだ未知数だが、お客様が当社のWebサイトを通じてどのように行動しているのかという情報をセールスがほぼリアルタイムに把握でき、お客様の今の行動や購買意欲を知った上で営業対策を練ることができるようになるなど、付加価値のある情報をセールスに渡せているという。

さらなるマーケティングオートメーションの実現へ

「現状は『シャノンマーケティングプラットフォーム』から『Salesforce』へと一方通行の流れで処理を行っていますが、今後、『Salesforce』で育てた営業案件の情報をきちんと『シャノンマーケティングプラットフォーム』のスコアリングに反映させ、その情報を活用してターゲティングメールを打ち、セールスにフィードバックするなど、マーケティングとセールス間での最適なデータライフサイクルと有効活用方法を見出したいと考えているところです。セールスへ渡す情報にデータ分析を行うなどセールスにとっての価値を付与するような、精度を上げるためのデータの持たせ方も考えています」とマーケティングオートメーションの高次な活用展望を語る坂本氏。

「とにかく、セールスが使いやすい、案件に役立つシステムという方向に進んでいきたいと考えています。これだけのデータがあるにもかかわらず活用できてないのは、機会損失にもつながると捉えていますので。しかし、そのままのデータで渡しても、活用しきれない部分が往々にしてあるため、営業活動に有効なデータとして渡したい。現在構想にあるのは、ターゲット企業に対するより効果的なアプローチです。お客様個人単位の行動情報ではなくターゲット企業単位での行動分析を行うことができれば、その傾向を読み取り、我々の効果的なマーケティング活動はもとより、営業が戦略的なセールスプランを立てられると思っています」と坂本氏。

「我々の実現したい事とはマーケティングデータを全社内の営業がインタラクティブに扱えるようになること。今後、様々なシステム連携で事業の広がりをみせることにより、『シャノンマーケティングプラットフォーム』を組織的に活用し動いていく施策を検討したいと考えています」と総括した。