SMPを導入する以前は、顧客情報管理やメール配信などの仕組みが乱立した状態だったという。顧客情報は同社が提供するクラウドERP『ZAC』のコンタクト管理モジュールで一元管理、メルマガはクラウドツールを使用して月に1回程度の頻度で配信していた。元々、自社開発のツールを用いてコンバージョンユーザーのトラッキングを行っていたが、2016年ごろからは、オープンソースのMAツールである『Mautic』の導入も試みた。
そのため、顧客に対しての様々なアプローチ間に文脈がなく、施策が分断したまま進められてしまうという課題を抱えていた。
藤澤康二さん(以下・敬称略)「本当は1 to 1で個別に施策を打ちたいのに、細かいデータの分析や連携ができないため、解像度の粗いターゲットに対してマスな施策を実行するしかありませんでした。この状況を改善する必要性を感じ、マーケティング支援ツールの導入を検討しはじめたんです」
当時の人員配置は、マーケティング部署のメンバーが4人、インサイドセールスは専属の人が2人というミニマムな体制。作業効率を上げるために、架電リストの優先順位管理や、リードの状況把握ができる仕組みづくりは必至だったという。
藤澤「ERPの商材の宿命だと思いますが、お問い合わせをいただいてから受注するまでの期間が長いので、顧客との関係を継続的に高めていく必要があります。また、失注案件も一定の割合で発生するため、そこへのフォローも継続しなければいけません。こうしたコミュニケーションを実現するにはインサイドセールス組織が必要になりますが、今後さらに人を増やしていくとなれば、インサイドセールスをもっと仕組み化していかなければならないし、架電先の優先順位もつけられるようにしないと……という感じで、課題が山積でした」