申し込みフォームは、Webで特定のサービスの利用を受け付けるための手段です。申し込みの受付方法にはほかにも電話やメールなどがありますが、申し込みフォームを活用することで大幅な効率化を図れます。さらに、マーケティング効果も期待できるため、使い方次第では売上アップにもつながるでしょう。
今回は、申し込みフォームの概要や、作成方法について紹介します。マーケティング効果を高めるためのコツも解説していますので、イベントやお役立ち資料などを活用したマーケティングに力を入れるかたはぜひ参考にしてください。
申し込みフォームとは?
申し込みフォームとは、特定のサービスを利用するために必要な情報を入力するフォームです。申し込みフォームに入力した情報は、ユーザーへ適切なサービスを提供するために活用されます。
フォームにはいくつか種類があり、申し込みフォーム以外にも以下のようなものがあります。
アンケートフォーム |
Web上でアンケートを実施する際に用いられるフォームで、ラジオボタンやプルダウンが中心の簡易的なものや、自由記述中心のものまで、目的にあわせて形式を柔軟に変えられることが特徴 |
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問い合わせフォーム | コーポレートサイトやECサイトで、ユーザーが解決したい疑問や質問を入力するフォーム |
会員登録フォーム | アプリやメルマガなどの会員制サービスを利用するために必要な情報を入力するフォーム |
予約フォーム | ホテルや飲食店、航空券、会議室などの予約に必要な情報を入力するフォーム |
購入フォーム | ECサイトで、消費者が商品購入のために必要な情報を入れるフォーム |
まずは、申し込みフォームの概要を理解するために、用途やメリットについて解説していきます。
申し込みフォームの用途
申し込みフォームの用途は、以下の2つが代表的です。
- イベントの参加申し込み
対面セミナーやウェビナーへの参加をWeb上で募る際に、ユーザーに申し込みフォームで名前や連絡先、質問、要望などを入力してもらうフォームです。申し込みフォームに入力された情報は、当日の案内やアフターフォローに活用されます。 - 資料請求の申し込み
資料を希望するユーザーに、個人情報を入力してもらうフォームです。会社案内や商品カタログを郵送する場合もあれば、ノウハウやアンケート調査結果などのお役立ち情報をまとめた、PDFのダウンロードにも活用されるケースもあります。
申し込みフォームを活用するメリット
電話での申し込みではなくWebの申し込みフォームを活用することで、顧客も企業もメリットを得られます。ここでは、主なメリットを3つ紹介します。
- 日時を問わず申し込みを募れる
申し込みフォームでは、基本的に24時間イベント参加や資料請求の申し込みを受け付け可能です。電話での申し込み受付と違って、ユーザーの都合の良いタイミングで入力してもらえるため、ユーザビリティ向上につながるでしょう。 - 顧客情報管理の効率化を図れる
コールセンターで申し込みを受け付ける場合は、オペレーターが電話口で顧客の情報を聞きながら手入力することになります。しかし、申し込みフォームでは顧客に自ら情報を入力してもらい、データは自動で集約・集計されます。そのため、効率良く顧客情報を集められることが、申し込みフォームのメリットです。 - マーケティング効果を高められる
申し込みフォームを通して、商品やサービスに興味を持つ見込み客の情報(リード)を獲得可能です。イベント参加後や資料の提供後も、メルマガやターゲティングメールなどで見込み客に有益な情報を継続して発信し、商品やサービスへの興味関心を育む効果があります。このことを、マーケティング用語で「リードナーチャリング」と呼びます。
参考:リードナーチャリングとは?成果を出す7つの手法や成功事例を紹介
申し込みフォームに欠かせない項目
申し込みフォームは、目的にあわせたさまざまな要素・項目から構成されます。
ここでは、申し込みフォームを作るにあたって、最低限必要な要素を紹介していきます。
①フォームの概要
申し込みを募るイベントや資料のタイトルと、内容のサマリを記載します。シャノンではサマリの有無でA/Bテストを実施した結果、サマリのあるページのほうが、ない場合と比より良い結果がでています。
②個人情報の取り扱いに関する説明
申し込みのために、顧客から個人情報をお預かりすることになります。個人情報保護の規定とあわせて、個人情報の取り扱いに同意するかどうかを問う欄を設置してください。
③入力フォーム
サービス提供に必要な顧客情報を入力してもらうフォームです。
入力項目は目的によって変わりますが、最低限必要なのは次の項目です。
- 名前
- 会社名・部署名(BtoBの場合)
- メールアドレス
- 電話番号
- 住所または会社所在地
他にもよく取り入れられている項目は、
- 年齢
- 性別
- 申し込み内容に関連した質問
などが挙げられます。
申し込みフォームの種類
申し込みフォームの構成は大きく分けて、2種類あります。
- 一体型
一体型は、イベントや資料の概要と申し込みフォームが同一のページにまとまったタイプです。概要とフォーム部分がファーストビューにおさまっているため離脱を防ぎやすいのが魅力で、資料請求のように申し込むかどうかスピーディーに判断するものに関しては、一体型がより適しています。シャノンで実施したA/Bテストでも、資料請求の申し込みは一体型のフォームのほうが好反応でした。
- 分離型
分離型は、概要ページ内にフォームへのリンクを設置したもので、リンク先に遷移してから申し込み内容を入力してもらいます。ファーストビューで概要をじっくり説明できるため、申し込むかどうか吟味する必要がある内容に向いています。シャノンでA/Bテストを実施したところ、ウェビナーの参加募集時には分離型のほうが一体型よりも良い結果を残しました。
申し込みフォームの作り方
次に申し込みフォームの作成方法と、効果を高めるコツについて紹介します。
申し込みフォームの作成方法
申し込みフォームの作成方法は、3種類あります。それぞれの概要や、メリット・デメリットを紹介します。
- HTMLやCSSを使って自作する
コードを使って、申し込みフォームを設計することも可能です。1から自由に作るためカスタマイズ性が高いことがメリットですが、運用やセキュリティ対策も自社で実施することになります。そのため、HTMLやCSSといったWeb言語の高度な知識が不可欠です。 - CMSのプラグインを利用する
WordPressをはじめとするCMSは、手軽にWebページの編集・更新が行えて、プラグインを利用することで機能が拡張できるツールです。フォームを作成するプラグインを活用すると、コードを埋め込むだけで、簡単に申し込みフォームを設置できます。フォームのテンプレートが用意されているケースも多いことも魅力です。ただし、プラグインによっては入力内容の確認画面を設けられないケースもあります。 - フォーム作成ツールを活用する
申し込みフォーム作成の専用ツールを使う方法もあります。ノーコードでフォームを作成できるうえ、専用ツールだからこそ機能が充実しているため、初心者にはピッタリです。入力された情報の管理や分析まで行えるツールも多いため、リードナーチャリングにも活かせます。無料で利用できるツールもありますが、高度な機能性を求めるなら有料ツールでないと叶いにくい点には注意が必要です。
効果的な申し込みフォームを作成するコツ
申し込みフォームの構成や仕様によって、申し込み数が左右されます。より多くの申し込み件数を確保するために、できる工夫を紹介します。
概要は静止画より動画で説明する
申し込むイベントや資料の概要は、テキストだけでなく視覚的に伝えることでより高い効果を期待できます。視覚的に伝える方法は画像(静止画)と動画がありますが、シャノンが製品資料のページで実際に調査したところ、動画のほうがより良い結果に結びついています。
項目数をできるだけ少なくする
申し込みフォームを通して得た顧客情報をマーケティングに活用することを考えると、入力項目をあれもこれも増やしたくなってしまうかもしれません。しかし、入力項目が多いと離脱率が高まるリスクがあります。項目数は極力減らすことで、手軽に申し込みやすいフォームへと仕上がるでしょう。
記入例を入れて、エラーはリアルタイムで表示
フォームによって、住所欄が半角に対応していない場合があったり、電話番号にハイフンが必要な場合があったりと、表記方法が変わってきます。そのため、自由記述式のフォームには入力例を添えるようにしてください。ユーザーが「どう書いたらいいか分からない」と迷ってしまう時間を減らす効果があります。また、入力エラーはリアルタイムで表示できる仕様にすることで、修正の手間も最小限に抑えられるでしょう。
セミナーの集客に有効な申し込みフォーム作成のコツは下記の記事でも紹介しています。ご興味のあるかたは参考にしてください。
参考:セミナーの集客を成功させるには?シャノンの経験から必勝法をご紹介
申し込みフォームを作成できるツール
申し込みフォームを手軽に作成できる専門ツールを3つ紹介します。
Googleフォーム
Googleアカウントを作成するだけで、誰でも無料で利用できる初めてでも使いやすいツールです。
申し込みフォームから入力された内容はGoogleのサーバーに保存され、強力なセキュリティ対策が行われます。Googleスプレッドシートとも連携できるため、データの分析や加工もしやすいのも魅力です。
また、埋め込みタグをページに組み込むだけで、一体型のフォームを作成することも可能できます。ただし、デザインの自由度が低いため、Webサイト全体のデザインと調和させるのは難しいでしょう。
WEBCAS formulator
月額定額制のフォーム作成ツールです。
多種多様なテンプレートが用意されていて、申し込みフォームだけでなく、アンケートフォーム、問い合わせフォームなどを手軽に作成できます。
イベントのように定員がある申し込みについては、定員が近づいてきたら「残りわずか」と表示したり、上限に達し次第受付を制限したりといった便利な機能がついていることも魅力です。
料金はSaaS型の場合月額10万円からのため、フォームを利用する機会が多い大規模企業に向いています。
SHANON MARKETING PLATFORM
シャノンのMA(マーケティングオートメーション)である「SHANON MARKETING PLATFORM(以下、SMP)」にも、申し込みフォームを簡単に作成できる機能が備わっています。
イベントや資料請求などの概要を入力すると、あらかじめ決めておいた形式で受付登録フォームや告知ページが自動で生成されます。
さらに、申し込み後の顧客への案内メールも自動での配信設定が可能なため、申し込みの受付業務を自動化することが可能です。
また、アフターフォローも同じプラットフォーム上で実施できるため、リードナーチャリングにも取り組みやすくなるでしょう。
こうした手間を大幅に削減できるため、ウェビナーやお役立ち資料などを活用したマーケティングに力を入れている企業にはとくにおすすめです。
ほかにもメルマガやDMなどさまざまなマーケティング手法に便利な機能が備わっていて、料金は月額12万円〜です。
参考:マーケティングオートメーションツールを使ってできることとは?
シャノンのSMPを活用した申し込みフォームの作り方
セミナーやウェビナー開催時を例に、シャノンで申し込みフォームを作成した場合の一連の流れを紹介します。
<step1>告知ページと申し込みフォームを作成
SMPのキャンペーン作成画面に沿ってにセミナーのタイトルや概要を入力すると、あらかじめ決めて置いた形式で受付登録フォームや告知ページの生成が可能です。過去に実施したウェビナーを再び開催する場合や、同じ設定でキャンペーンを作成したい場合は「コピー」ボタンを押すだけで作成が可能です。ワンクリックで準備でき、すぐに申し込み受付を開始できます。
<step2>定員を設定・管理
シャノンの「定員管理」は、募集人数に達し次第自動で申し込みを締め切るという人気機能です。セミナーのように申し込み数に上限を設けたい場合は、フォーム作成時に設定しておきましょう。
<step3>事前案内メールの配信
フォームから申し込んだユーザーに、受付完了メールを自動で配信します。対面セミナーの場合は受講票を、ウェビナーの場合はURLを自動で発行して配信することもできるため、準備に必要な工数を大幅に減らせます。
<step4>フォローメールの配信
セミナー実施後には、メールで御礼メールを当日使った資料を添えて参加者に配信します。資料はSMPににアップするだけでダウンロードURLが発行されます。また、メールの予約配信にも対応していて、出席状況に応じて配信内容を変えることも可能です。資料のダウンロード数も表示されるため、需要のある資料を把握でき、今後のマーケティングにも活かせます。
参考:ウェビナーで集客する8つの方法とは?集客で失敗しないための6つのポイントも解説
まとめ
本稿のポイントは以下の3点です。
1. 申し込みフォームは、各種イベントや資料請求の申し込みを募るためのWebフォームです。24時間いつでも申し込みを受け付けられるうえ、顧客管理の手間を大幅に削減できます。
2. 申し込みフォームには、告知ページと申し込みフォームが同じページにまとまった「一体型」と、別々のページに分かれた「分離型」があり、資料の申し込みには一体型、イベントの申し込みには分離型を選ぶことで、高い効果を期待できます。
3. 申し込みフォームは、入力項目を最低限にし、エラーはリアルタイムで分かりやすく表示するなどのユーザビリティの高い設計にすることで、申し込み件数向上を狙えるでしょう。
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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