商品やサービス、企業の固有名前で検索することを「指名検索」といいます。たとえば、「シャノン」「シャノン MA」などのワードを入力して検索する方法です。
これに対して、「MA」「マーケティングオートメーション」のような言葉で検索することを「一般検索」といいます。
本記事では、指名検索とは何か、一般検索との違い、指名検索を増やす方法を順に解説し、後半ではシャノンの施策事例も紹介しています。
指名検索とは
指名検索とはどんな検索か、指名検索を増やすことのメリットは何かを確認します。
指名検索とは
指名検索とは、企業名、商品・サービス名、ブランド名などの固有名詞で検索することです。シャノンの場合なら、「株式会社シャノン」「shanon」「シャノン ma」などが該当します。
指名検索のことを英語では「Branded Search」といい、指名検索するときの検索ワードを「ブランドキーワード」と呼ぶこともあります。
指名検索するときのユーザーは、企業や商品の名称を知っているだけでなく、その企業や商品についての何らかのイメージや予備知識を持っています。さらに、指名検索するユーザーのうち一定割合は、購入や検討の意思があります。
指名検索は商談や購入などの成果につながると期待できるため、「指名検索を増やす」ことが重要です。
指名検索を増やすメリット3つ
指名検索を増やすことで、以下のようなメリットがあります。
購買意欲が高い見込み客を集客できる
指名検索するユーザーは、その他のユーザーよりも、商品やサービスを購入したい、あるいは少なくとも検討したいという意欲を持っている確率が高いです。また、今すぐに購入したいという緊急のニーズを持っていることもあります。つまり指名検索が増えれば商談や売上のアップにつながります。
広告費を抑えられる
商品・サービスの認知度が十分に上がれば、広告費を抑えられます。
SEOによい効果をもたらす可能性が高い
指名検索が増えると自社のWebサイトのGoogleからの評価が高くなり、結果的にSEOによい効果をもたらす可能性があります。
参考:SEOをわかりやすく解説!検索順位を上げるためにまずとるべき対策は?
指名検索と一般検索・課題検索の違い
指名検索とそれ以外の検索方法について解説します。
一般検索とは
一般検索とは、固有名詞ではなく一般名詞で幅広く情報を得ようとする検索のことです。「指名検索以外はすべて一般検索」ということもできます。
MAの場合なら、「マーケティングオートメーション」「MA おすすめ」「MAとは」などが一般検索です。
以下に指名検索と一般検索の例をまとめます。
指名検索 | 一般検索 | |
---|---|---|
検索ワード | 企業名、商品名、ブランド名 などの固有名詞 |
固有名詞以外のすべての言葉 |
例 | ・シャノン ・shanon ・シャノンマーケティング ・シャノン MA |
・マーケティングオートメーション ・MA ・MA メリット ・MAとは わかりやすく |
課題検索とは
課題検索とは、一般検索の一種です。
ユーザー自身の課題感がある程度明確で、解決策を探そうとして検索することをいいます。
たとえば、「マーケティングオートメーション」で検索する場合、ユーザーの検索意図は
- マーケティングオートメーションについて知りたい
- 自社の課題をマーケティングオートメーションで解決できるか知りたい
などが考えられます。
「マーケティングオートメーション 機能」「マーケティングオートメーション 費用」と検索している人の意図は、
- MAの機能をくわしく知りたい
- MAの費用の相場を知りたい
などです。
さらに、「マーケティングオートメーション」について予備知識があまりない人は、自社の課題を解決するツールを探すとき、たとえば以下のように入力します。
「メルマガ 効率化」「メルマガ 成果を上げるには」「BtoB 集客 デジタル」
このときの検索意図は、
- メルマガ業務を効率的に行い、成果を上げたい
- BtoBビジネスにおける集客を目的としたデジタル施策をおこないたい
などで、これらの人もMAの見込み客です。
指名検索を行う人が今すぐのニーズを持っている「顕在顧客」であるのに対して、最後の例のような課題検索をする人は「潜在顧客」であり、指名検索を増やす施策とは別の集客施策が必要です。
課題検索をするユーザーの集客方法については、以下の記事でくわしく解説しています。
参考:潜在顧客とは?顕在顧客、見込み顧客との違いやアプローチ方法、企業事例を解説
以下は指名検索と課題検索を含めた全体構造を示した参考図です。リードを獲得するためには、それぞれの検索意図に沿った施策が必要です。
指名検索数と検索ワードの調べ方
指名検索数、検索ワードを知るには、「Google Search Console」を利用します。
Google Search Consoleは、Googleが提供している無料のSEO支援ツールです。Google検索で入力したキーワード、検索結果への表示回数、クリック数とクリック率などを確認できます。
Googleサーチコンソールを使うには、以下のURLから登録して利用開始します。
https://search.google.com/search-console/about
「今すぐ開始」を選んだ次の画面にURLを入力。さらに自社のWebサイトであることを確認する登録を終えて、利用開始できます。
Googleサーチコンソールでユーザーが検索した検索キーワード、クリック率などを見るときは、メニューの「検索パフォーマンス」>「検索結果」を選択します。
まず検索結果への表示回数、クリック数とクリック率(CTR)、平均掲載順位の直近の推移が表示されます。
具体的な使用方法については、以下の記事を参照してください。
参考:Googleサーチコンソールの使い方!SEOを強化するための基本的な手順と用語解説
以下は、シャノンが確認した指名検索ワードの例です。
指名検索を増やす方法
指名検索を増やす方法として、以下があります。
- 広告
- SNS
- コンテンツマーケティング
- 動画マーケティング
指名検索を増やすためには、これらの方法を効果的に組み合わせます。
4つの方法について、以下で順に解説していきます。
広告
オンラインはもちろんオフラインを含めるとさまざまな種類の広告がありますが、複数のチャネルを組み合わせて広告施策を展開することが有効です。
指名検索を増やすために有効とされる広告施策の例として、以下が挙げられます。
バナー広告
Webを閲覧しているとき、ページ内の広告枠に表示されるのがバナー広告で、ディスプレイ広告ともいいます。画像とテキストで構成されることが多いですが、動画やアニメーション、音声を掲載することも可能です。関連性が高いユーザーに表示されることにより、商品・サービス名の認知度を高め、指名検索を増やします。
参考:バナー広告とは?メリット・デメリット、出稿方法、効果があったバナー広告事例を紹介!
タクシー広告
タクシーは日中ビジネスマンに利用されることが多く、タクシーサイネージ広告は数年前からBtoBの広告施策として注目を集めています。
サービス比較サイト
商品やサービスを比較してレビューをする「比較サイト」への出稿という方法もあります。人気がある比較サイトに出稿して、比較検討するユーザーの選択肢に必ず入るようにします。
SNS
多くの人が1日に1回以上はアクセスするというSNS。主要なSNSにおける施策も指名検索を増やすために有効です。BtoBマーケティングにはX、Facebookなどが活用されています。
企業アカウントの運用
企業アカウントを開設して定期的にコンテンツを発信します。メルマガやWebサイトの更新と連動させて「ウェビナーのお知らせ」「プレスリリース」などを投稿していくことが基本です。DMがあれば返信、リポストなどのコミュニケーションをとりましょう。
SNS広告
興味・関心が近いユーザーのタイムラインに表示されるSNS広告は、商品・サービス名を認知してもらうために効果的です。
キャンペーン
フォロワーの増加やUGC生成を目的とした各種キャンペーン施策も有効です。たとえば、イベントや展示会でSNSアカウントをフォローした方に特典を提供して、自社のフォロワーを増やすといった方法があります。
参考:UGCとは?UGCを活用するマーケティングの重要性と手法、企業事例を解説
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングにはいろいろな施策がありますが、代表的な手法は、ターゲットユーザーにとって価値があるコンテンツをオウンドメディアで発信し、自社商品やブランドのファンを増やすというものです。
ユーザーは自分にとって興味がある、役に立つと思えるメディアを見つけて、繰り返し訪れているあいだに商品名、ブランド名を認知します。同時に、オウンドメディアで得られたよい体験や共感があるため、商品やサービス、ブランドにもポジティブな印象を持ちます。
このようなユーザーを増やすことにより、指名検索を増やせる可能性があります。
参考:コンテンツマーケティングとは?コンテンツの種類、進め方、事例、コンテンツを増やすコツをご紹介!
動画マーケティング
動画マーケティングとは、積極的に動画を制作して広告、SNS、オウンドメディアなどに展開していく方法です。情報量が多く人の印象に残りやすい動画は、ターゲットユーザーに効率よく商品やサービスについて伝えるために有効です。
動画には15~60秒のショート動画、長尺でくわしく伝えるインフォマーシャルなどの種類があります。近年は、スマートフォン表示に対応した縦長動画の割合が増えています。
動画広告
動画広告には以下のような種類があります。
- インストリーム広告:YouTubeなどで動画を再生する前後、合間に表示される動画広告
- インフィード広告:主にSNSで投稿記事と同じフォーマットで表示される動画広告
- バナー広告:Webページの既存の広告枠に表示される動画広告
SNSでの発信
企業の自社アカウントや広告で動画を投稿する方法です。
YouTubeチャンネル
企業独自のチャンネルを開設し、自社の動画を継続的に発信します。ひとつの動画コンテンツを広告、SNS、YouTubeチャンネルなどに展開していくことで幅広いユーザーにリーチするとともに、商品・サービスの認知度を向上させることができます。
参考:動画マーケティングとは?メリットや会社で活用するための手法を紹介
参考:ショート動画マーケティングとは?活用するメリットやポイント、具体例も紹介
指名検索を増やすときの注意点とは?
指名検索したときに、確実に自社の公式Webサイトが上位表示されていることが不可欠です。
もし上位表示されないときは、早急に対策する必要があります。
企業や商品名の認知度がまだ十分でないときなどに、自社サイトと紛らわしい別のWebサイトが上位表示されていて、せっかくの指名検索が他に流れてしまう可能性があります。さらに、商品やブランドにポジティブなイメージを持って指名検索したユーザーが期待したものと違う情報にたどり着き、商品やブランドへの印象がネガティブに変わってしまうというリスクもあります。
指名検索したときに確実に自社のWebサイトが上位表示するため、以下のようなSEO施策が必要です。
コンテンツの最適化と充実
商品名に関連するコンテンツを充実させます。それと同時に以下のような対策をとります。
- 商品名やブランド名とその関連キーワードを適切にページタイトル、見出しに追加
- メタディスクリプション(検索順位と同時に表示される説明文)の整備
- 内部リンクの強化
技術的SEO
ページ表示速度、モバイル対応、ページのインデックス登録状況などについて、Googleのガイドラインに沿って最適化します。
外部対策
信頼性の高い他のサイトからのリンクを複数獲得することで、自社のWebサイトの信頼度も上がります。
SEO対策については以下の記事でくわしく解説しています。
参考:シャノンも実践中。BtoBマーケティングでSEOをどう進める?
【シャノンの事例】指名検索からのリード獲得をする方法を紹介!
最後に、指名検索からのリード獲得を増やすことができたシャノンの事例を紹介します。
「シャノン」で指名検索する人の一定割合は、まず資料請求がしたいと考えています。
そこには2パターンあり、1つはメンバーが自発的に製品を理解しようとしている場合、もうひとつは上司の指示を受けたスタッフがスピーディーに資料を入手しようとしている場合です。
「すぐに資料が欲しい」というユーザーニーズに対応するため、以下の対策を行いました。
「資料請求」の導線を明確化
製品ページに表示されるボタンについて、以前は「お問い合わせ」1つだったところを「資料請求」「お問い合わせ」の2つに変更しました。
この改善で、資料請求はお問い合わせの約4倍を獲得できています。
トップページに資料請求への導線を追加
また、会社トップページにも今までなかった「資料請求フォーム」ボタンをファーストビューに配置しました。
このボタンの位置に「製品ページ」へのリンクを表示させたレイアウトとABテストを行ったところ、資料請求のほうが265%高いという結果でした。
以上のような改善により、指名検索からのリード獲得を増やす成果を上げています。
まとめ
本稿のポイントは以下です。
1. 指名検索とは、商品やサービスの名前、ブランド名などを入力する検索のことです。
2. 指名検索を増やすメリットは以下です。
・購買意欲が高い見込み客を集客できる
・競合他社より選ばれる可能性が高くなる
・ブランド力が向上する
・広告費を抑えられる
・Googleの評価が上がり、検索順位が上がる
3. 指名検索以外の検索を一般検索といい、一般検索のなかでもユーザーが課題を解決したい意図を持っているときの検索を課題検索といいます。
4. 指名検索数と検索ワードは「Google Search Console」で調べます。
5. 指名検索を増やす方法として、以下があります。
・広告
・SNS
・コンテンツマーケティング
・動画マーケティング
6. 指名検索したときに自社のWebサイトが上位表示されない場合は、対策が必要です。
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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