イベントを活用するマーケティングが注目されています。
企業が商品やサービスを売るとき、顧客の購買の動機づけとなるような“体験”を提供できることがその理由です。
イベントマーケティングは、BtoCだけでなくBtoBビジネスでも活用されています。
しかし、イベントを開催するにはコストも手間もかかります。イベントを成功させ、マーケティング施策としても成果を上げていくためには、いくつかのポイントを押さえて進めていく必要があります。
今回は、イベントマーケティングとは何か、注目される理由などを確認した後、BtoBビジネスにおけるイベントマーケティングの進め方、成果を上げるポイントを解説。最後にシャノンが実践してきた各種イベントの事例やデータもご紹介します。
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イベントマーケティングとは?
イベントマーケティングとは何か、メリットやデメリットについてなどの基本的なことをまず確認します。
イベントマーケティングとは? なぜ注目されるのか
イベントマーケティングとは、イベントを活用して自社の商品やサービスの売上拡大をめざすマーケティング活動のことです。
イベントマーケティングが注目される理由として、以下の点が挙げられます。
消費者が顧客体験を重視する傾向
イベントは「体験」をする機会です。商品やサービスの選択肢が豊富で情報量も多い現代、消費者が購買を決定する決め手として体験を重視する傾向があります。
ソーシャルメディアとの親和性
イベントの体験は投稿で拡散されることが多く、ソーシャルメディアと親和性があります。消費行動のパターンであるAISAS(Attention、Interest、Search、Action、Share)で知られているように、SNSで共有された情報から他の人が購買に至る傾向もあります。
企業が顧客理解を深める機会になる
企業側の観点からみると、イベントは顧客とリアルな接点を持ち、率直な意見を聞けるマーケットリサーチの機会でもあります。複雑化しているといわれる顧客の消費行動を理解するためにもイベントマーケティングが有効です。
イベントの種類
イベントマーケティングに活用される主なイベントの種類として、以下があります。
博覧会・展示会
企業が自社製品やサービスを展示・紹介する場です。広い会場に多くの出展者が集結するため、出展企業にとっては多くの人にPRできる機会です。
カンファレンス・シンポジウム・講演会
商品やサービスのターゲット層にとって興味・関心がありそうなテーマで行うビジネスカンファレンスや、知名度の高い講演者が登壇する講演会などです。
セミナー・ウェビナー
特定のテーマに興味や関心を抱く人を募って開催されるイベントを指します。セミナーはオフラインに対し、ウェビナーはオンライン上で実施されることがベターです。
スポーツ・音楽・演劇・ゲームなどのイベント
試合観戦、音楽やゲームに特化した祭典などがあり、集客力が高いという特徴があります。
地域イベント
祭り、商店街や自治体の催し、花火大会などがあります。
飲食イベント
さまざまなフードが集まる大規模なイベントから、お店の新メニュー発売イベントなど多岐にわたります。飲食イベントは年代・属性などを問わず幅広く集客がしやすいイベントです。
コンテスト、顕彰
個人や団体が競うコンテスト、コンクール、表彰式などがあります。
式典、セレモニー
周年記念行事、施設のオープニングセレモニーなどがあります。
学校のイベント
大学・専門学校・学生団体などが実施するイベントです。
プロモーションイベント
商品やサービスを直接PRするイベントです。
ポップアップストア
企業がプロモーションのために期間限定で出店する店舗です。商品を販売せずにサンプルの展示、体験やプレゼントの提供などを行うこともあります。
上記の中には地域イベントや学校イベントのように企業が主催しないものもあります。このようなイベントには、企業は協賛という形で参画することがあり、これも広義のイベントマーケティングに含まれます。
イベントマーケティングのメリット・デメリット
イベントマーケティングのメリットとデメリットは以下の通りです。
《イベントマーケティングのメリット》
他のマーケティング施策でリーチしにくい集客ができる
日常的なマーケティング活動として、広告、Webマーケティングなどがありますが、イベントの開催によってそれだけではリーチできないターゲット層を集客できる可能性があります。まだ購買ニーズが顕在化していない潜在顧客にいち早くアプローチするためにも有効です。
参考:潜在顧客とは?顕在顧客、見込み顧客との違いやアプローチ方法、企業事例を解説
体験により購買意欲を高められる
価値のある体験や特別な体験をすることにより、顧客の購買意欲が高められます。商品を認知しつつも行動に踏み切ることがなかった見込み客に購買を促すきっかけになります。
既存顧客のエンゲージメントを向上させる
イベントは新規顧客開拓の機会となりますが、既存顧客に対してはエンゲージメント向上の効果があります。
ブランドのイメージアップに有効
イベントを開催または協賛することで、多くの人に企業名や商品名を知ってもらうことができ、ブランドイメージの向上に役立ちます。
情報の拡散を期待できる
話題性のあるイベントはSNSで共有され拡散されます。また、イベントの内容が注目されればニュース記事として各種メディアに掲載され、費用を投じて行う広告宣伝以上に認知度を高められる可能性もあります。
《イベントマーケティングのデメリット》
コストがかかる
特にオフラインのイベントは多額の会場費や人件費がかかります。
すぐに売上に結びつかず、費用対効果が見えにくい
イベントの開催が売上にすぐ結びつかないこともあります。特にBtoBではその傾向が強いです。イベントが成功かどうかは中長期の視野でとらえる必要があり、費用対効果が測定しにくい傾向があります。
準備に手間と時間がかかり、集客には特に苦労する
イベントではコンテンツの準備や計画に多くの手間と時間がかかります。また、大きなイベントでは集客の目標達成のために労力がかかります。
参考:イベント集客のコツと方法を徹底解説。メール戦略で集客に成功した事例も紹介!
失敗するリスクがある
イベントは成功するとは限らず、リスクもあります。
・人が集まらない、あるいは集まりすぎた
・何らかの事故が起きた
・イベントの内容に評価が得られなかった
などが考えられます。評判を落としてしまう事態にならないよう、綿密に準備することが大切です。
BtoC、BtoBのイベントマーケティング
イベントマーケティングの方法は、BtoCとBtoBで違いがあります。
BtoCのイベントマーケティングで主に活用されているイベントは、飲食やエンターテインメントのイベント、地域イベントのような幅広い客層が集まるイベントです。イベント会場で商品を有料または無料で提供したり、特別な体験ができる機会を提供したりすることで、ターゲット層に対して認知度を高められます。
近年は、「ゲームショウ」「文具博」のような展示会形式のBtoCイベントも増えています。
BtoBのイベントマーケティングで主に活用されているイベントは、
・展示会
・ビジネスカンファレンス
・セミナー/ウェビナー
の3つです。
BtoBのイベントマーケティングでは、上記のようなイベントにより見込み客を集客します。すぐに売上に結びつかないこともありますが、継続的にフォローすることで購買意欲を高められます。そのために、BtoBのイベントマーケティングでは、イベント開催後の見込み客のフォローが重要です。
この後は、BtoBのイベントマーケティングについて解説していきます。
BtoBのイベントマーケティングとは? 進め方と成果を上げるポイント
BtoBにおけるイベントマーケティングの進め方、成果を上げるために押さえたいポイントについて解説します。
BtoBのイベントマーケティングの進め方
イベントマーケティングの基本的な進め方について、BtoB企業がリアルイベントを実施する場合の例で解説します。
1.イベントの企画
まずイベントの目標を設定し、いつどんなイベントを開催するかの企画を立てます。企画書にはイベントのタイトル、開催概要、集客プラン、予算、スケジュールなどを明記します。
イベントの企画書でお困りのかたは、以下の記事をご参考ください。
参考:イベントの企画書の書き方は?テンプレートとポイントのまとめで解説!
2.イベントの準備
会場や知名度の高い講演者のスケジュールなど、優先度の高いものから決定しましょう。その後、詳細なプログラムの作成、スポンサー募集、ランディングページやその他のクリエイティブ制作などを進めていきます。
3.告知と集客
イベントの概要が決定したらできるだけ早く告知と集客に着手します。集客のための施策として
・ハウスリストへのメール案内
・SNSからの発信
・イベント告知サイト、プレスリリースサイトへの掲載
・Web広告
・DM
・社員の口コミ
などがあります。
イベント集客における具体的な施策についてお困りのかたは、以下の記事をご参考ください。
参考:カンファレンスとは?ミーティングとの違いや意味、開催するメリットを事例を用いて解説
4.イベントの実施
イベントの当日は進行表に基づき、会場準備、受付、接客などの業務を分担して進めます。
5.イベントの振り返りと参加者のフォロー
終了後には来場者アンケート集計などをもとにイベントの振り返り・分析を行います。また、参加者には速やかにお礼メールを送信し、その後は見込み客として継続的にフォローをしていきます。
イベントマーケティングで成果を上げるポイント
イベントでの集客は売上に直結するわけではありません。
しかし、イベントマーケティングで中長期的な商談の増加といった成果を上げていくために、以下のような点がポイントとなります。
個々のイベントの目標を明確にする
イベントを実施するときにはどのようなターゲット層に対して何を伝えるのか、目標を明確にすることが重要です。大規模イベントではできるだけ多くの人を集客することに専念することもあります。
また、シャノンでは定期的にウェビナーを開催していますが、「興味・関心層向けに業界のノウハウを紹介する引き上げウェビナー」と「具体的に製品の検討をしている比較検討層向けの製品ウェビナー」の2つのパターンで実施しています。製品ウェビナーについては集客数が少ないですが、商談へ進むアポイント率は高くなっています。
イベントの振り返りと改善を重ねる
1回限りのイベントで成果を出すことが難しくても、回を重ねて改善していくことが可能です。イベント後には効果測定や振り返りを行い、改善ポイントを見つけ出して次のイベント開催に活かします。自社の経験を蓄積することでより効果的なイベントマーケティングが行えるようになります。
リードナーチャリングを継続する
イベントの参加者には購買意欲が高くない人も多くいますが、貴重な見込み客です。イベント後は購買意欲の引き上げを目指して、継続的なリードナーチャリングを行っていきます。
リードナーチャリングにおける具体的な施策は以下の記事で紹介しています。
参考:リードナーチャリングとは?MAツールを武器に、BtoB顧客を引き上げる手法を事例つきで解説
デジタルツールを活用する
イベント施策とその他のマーケティング施策の集客は一元的に管理して、購買意欲が高い見込み客(ホットリード)には早めにアプローチすること、それ以外の見込み客(ウォームリード、コールドリード)にはリードナーチャリングを継続していくことが重要です。これらの業務を効率よく進めるために、デジタルツールが有効です。
イベントの経験が少ない企業は協力会社の活用を検討する
イベントを開催した経験が少ない企業は、当初は外部のイベント会社のサポートを受けることがおすすめです。自社に不足しているリソースを提供でき、信頼できる協力会社を選ぶことが大事です。
シャノンではリードナーチャリングを自動化・効率化できるマーケティングオートメーション(MA)、イベントの準備から事後フォローまでを効率化できるイベント管理システムを提供しています。
また、豊富なイベント開催実績をもとに、イベントの企画・事務局運営・人材などのサポートも行っています。
⇒シャノンのイベント管理システムを見てみる
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イベントマーケティングの事例紹介:展示会、カンファレンス、ウェビナー
シャノンでは展示会参加、カンファレンスやウェビナーなどのイベント施策を行っています。各施策の事例と押さえたいポイントについて紹介します。
展示会ではホットリードを見つけることと事後フォローが重要
展示会出展の最大のメリットは、多くのリードを獲得できることです。
そして、来場者の中にはその場で商談が可能、あるいはすぐアポイントがとれるホットリードが一定数存在するため、そのような顧客をできるだけ多く、競合他社よりも早く見つけ出すことが重要です。
ホットリードには担当者がしっかり接客する
展示会では、集客・対話をしながらホットリードとウォーム・コールドリードの判断をし、ホットリードに対しては担当者が接客をしてアポイント獲得をめざします。
展示会中に名刺をスキャンする
すべてのリードに対して展示会後の翌営業日からフォローをスタートできるよう、展示会のバックヤードで名刺スキャンを進めます。
⇒シャノンの名刺管理サービスを見てみる
ウォーム・コールドリードを再判定する
ウォーム・コールドと判断したリードに対しては展示会後にメールでフォローを実施します。このグループにも「ホットリード」が存在する可能性があるので、ホットリード向けの情報を届けることによって再判定をします。
どのように再判定を実施するかは、以下の動画で解説しています。
参考:サンクスメールでフェーズ再判定、展示会フォローで外せないポイントとは
再判定をできるだけスピーディーに行うことで、商談の可能性が高くなります。
シャノンではこれらのポイントを実践することにより、展示会の費用対効果を高めることに成功しました。
シャノンのビジネスカンファレンスでは1,000名超を集客
シャノンは自社イベントとして2023年7月「シャノン デジアナカンファレンス2023」を開催し、1,000名を超えるお申込をいただきました。
「市場の創造」というテーマで、パネルディスカッション、著名な専門家による特別講演、最新の機能紹介など、さまざまなセッションを実施しました。
カンファレンスにご来場いただいたことを皮切りに商談化までつながったケ―スもあり、
商談が停滞していたリードに対して改めてアプローチをするきっかけとしても有効に活用することができました。
カンファレンスの集客のために実施した施策については、以下の記事でくわしく解説しています。
参考:カンファレンスとは?ミーティングとの違いや意味、開催するメリットを事例を用いて解説
シャノンでは2019年からウェビナーを開催
シャノンは2019年8月からウェビナーを開催し、今では年間約75回のウェビナーを実施しています。
現在はターゲットごとに、2種類のウェビナーを実施しています。
購買意欲が高い「比較検討層」向けの製品ウェビナーと、購買意欲はまだ低いが一定の関心を抱いている「興味・関心層」向けの関心ウェビナーです。
また、ウェビナーを定期開催してきた結果より、以下のようなデータが得られています。
・ウェビナーの集客数は、対面セミナーの約5倍
・ウェビナーの見逃し配信は、申込者の1/4の方が視聴する
・40分と60分のウェビナーでは、40分のほうが視聴者満足度が高い
ウェビナーは対面セミナーと比較してコストがかからず、確実に成果を上げることもできているので、費用対効果が高いイベント施策であるといえます。
ウェビナーについては、以下の記事でくわしく解説しています。
参考:ウェビナーとは?配信のはじめ方、メリットやデメリットから集客のコツまでをかんたん解説
まとめ
本稿のポイントは以下の4点です。
1. イベントマーケティングが注目される理由として、以下があります。
・消費者が顧客体験を重視する傾向
・ソーシャルメディアとの親和性
・企業が顧客理解を深める機会になる
2. イベントマーケティングのメリット・デメリットは以下です。
《メリット》
・他のマーケティング施策でリーチしにくい集客ができる
・体験により購買意欲を高められる
・既存顧客のエンゲージメントを向上させる
・ブランドイメージアップに有効
・拡散を期待できる
《デメリット》
・コストがかかる
・すぐに売上に結びつかず、費用対効果が見えにくい
・準備に手間と時間がかかり、集客には特に苦労する
・失敗するリスクがある
3. イベントマーケティングで成果を上げるポイントは以下です。
・個々のイベントの目標を明確にする
・イベントの振り返りと改善を重ねる
・リードナーチャリングを継続する
・デジタルツールを活用する
・イベントの経験が少ない企業は支援会社の活用を検討する
4. BtoBのイベント施策事例を紹介します。
・展示会
・カンファレンス
・ウェビナー
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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