企業が開催するイベントは、月例のセミナー/ウェビナーから年に一度の大きなカンファレンスまでさまざまですが、いずれの場合にも欠かせないのが「アンケート」です。
アンケートは、参加者の満足度やニーズを知り、次回以降のイベント施策を改善するために重要です。
本記事では、ビジネスイベントで実施するアンケートの重要性やメリット、成果を上げるポイントなどを解説。
また、シャノンが実際に使用しているアンケートを編集したテンプレート、定期的に開催するウェビナーの改善にアンケートを活用する具体的な事例についてもご紹介します。
イベントアンケートの重要性を知ろう
ビジネスイベントで行うアンケートの目的、アンケート施策のメリット・デメリット、方法について解説します。
ビジネスイベントのアンケートの目的を確認
ビジネスイベントにおけるアンケートの主な目的は、イベント参加者の満足度を客観的に計測して、次回以降のイベントの改善に活かすことです。
イベントを改善し顧客満足度を高めることで、集客やブランディングといったイベント自体の目的達成度を上げられます。つまりイベントマーケティングにおいてアンケートは重要な役割を持っています。
参考:イベントマーケティングとは?メリットや進め方、成果を上げるポイント、事例を紹介!
上記がイベントアンケートの大きな目的ですが、アンケートを作成するにあたっては、もう少し具体的な目的を明確にする必要があります。
具体的な目的の例としては、以下があります。
イベントコンテンツの評価を知る
参加者がイベントの内容にどの程度満足したのか、また、いくつかあるコンテンツのなかでよかったものは何かなどを知ることで、次回以降で顧客ニーズに合うコンテンツを強化していくことができます。
参加者のニーズと課題感を知る
ビジネスイベントの参加者は自社サービスの見込み顧客と重なります。見込み顧客企業がどんな課題をかかえているか、どんなソリューションを求めているかをアンケートから知ることができます。
参加者の自社サービス購買意欲を知る
参加者のなかには購買意欲が高く、すぐに商談が可能な見込み顧客もいます。このような顧客を見つけ出すこともアンケートの目的です。
イベントでアンケートを行うメリット・デメリット
イベントでアンケートを実施するメリットとして以下が挙げられます。
《イベントアンケートのメリット》
イベントの改善ができる
アンケートによりイベントのなかで評価の高いコンテンツとそうでないものが明確になり、次回以降の改善ができます。
イベントの成功度合いがわかる
イベント成功の指標のひとつは集客ですが、イベントの質の部分を測る顧客満足度も重要です。アンケートで満足度が高ければ、イベントは成功でリピートも期待できるでしょう。定期的なイベントでは同じフォーマットのアンケートを実施することで時系列の傾向がわかり、以前よりも改善ができているかを知ることができます。
見込み客のくわしい情報が得られる
アンケートには選択肢形式のほか、自由記述欄を設けることが多いです。自由記述からも参加者の具体的な課題や自社サービスへの要望など、貴重な情報が得られます。
ホットリードを見つけられる
すぐに商談可能な見込み顧客(ホットリード)を見つけることができます。
一方、デメリットとしては以下があります。
《イベントアンケートのデメリット》
準備や回収の手間がかかる
紙のアンケートを実施する場合は筆記用具や記入台、Webアンケートではフォームや二次元コードの準備が必要です。アンケートを確実に回収するためのスタッフ配置も必要となります。
参加者に負担をかける
アンケートの回答には手間と時間がかかり、参加者のなかには負担に感じる人もいます。質問の数をできるだけ絞り込み、参加者が簡単に回答できる質問形式や回答方法にすることが大切です。
回収率が低いと評価しにくい
当日の進行の遅れなどにより、アンケートの回収率が低かった場合、参加者全体の傾向がつかめなくなってしまいます。できるだけ回収率を上げる工夫も必要です。
イベントアンケートの具体的な実施方法
イベントで実施するアンケートの準備はイベント全体の準備と並行して行います。準備の流れは以下の通りです。
- アンケートの目的を明確にする
イベントアンケートの役割は、一般的には、イベントの満足度を知ることと、見込み顧客の情報を得ることの2点です。イベントのテーマやターゲットが「広く一般向け」であれば、自社サービスについての質問は少なめにして、イベントの内容についてくわしく問う構成が適切です。 - アンケートの質問項目を作成する
アンケートの質問を作成します。回答の形式としては、「単一選択」「複数選択」「自由記述」などの方法がありますが、イベントの内容についてたずねる場合は
「非常に満足」「やや満足」「やや不満」「非常に不満」
のような段階評価にして、定量的なデータをとる方法がよく使われます。 - アンケートの方法はWebか紙かを決める
Webか紙か、アンケートの方法を決めます。紙のアンケートは集計しづらいというデメリットがありますが、入場時に配付しておけばイベントの合間に記入ができ、参加者にとって回答しやすい場合もあります。一方、Webアンケートは参加者が会場を去った後に送信できるメリットがあります。イベントの形式や参加者の属性に合う方法を選択しましょう。 - 回答依頼と回収の方法を決める
イベント終了時、または参加者の退出時にアンケートへの回答を依頼します。できるだけ回収率を上げるための告知や表示を工夫します。
イベントアンケートのテンプレートと、成果を上げるポイント
アンケートのテンプレート、質問項目例、効果的な活用について紹介します。
アンケートのテンプレート(カンファレンス)
以下は、シャノンが実施したプライベートカンファレンスにおいて実施したアンケートをもとに編集したテンプレートです。
イベントアンケートに入れたい項目と作成のポイント
上記のテンプレートには、以下のようなポイントがあります。
1枚に収めて見やすくレイアウトする
目的に合う質問項目を厳選し、アンケート用紙1枚のなかに収めましょう。文字数が多いときは色を使って見やすくするなどの工夫も有効です。
コンテンツごとに分けて満足度を質問する
セッションや講演などの内容を分けて、それぞれについての満足度を質問します。これにより、次回以降で強化すべきコンテンツがわかります。
1つか2つ程度の自由記述項目を設ける
自由記述があると参加者は率直な意見を記載できます。自由記述が多いと負担になるので、2つまでがおすすめです。
ホットリードを見つける質問を入れる
参加者の中には商談可能、あるいは前向きに検討したい見込み顧客もいます。確実にアプローチできるよう、自社サービスへの関心度についての質問項目を入れます。
プライバシーポリシーを明記する
個人情報の取り扱い規定について明記することも信頼性の点から重要です。
このほか、定期的に実施するウェビナーのWebアンケートの質問の例について、後半のシャノンの事例とともに紹介します。
アンケート回収率を上げるコツ
アンケートの回収率を上げるコツとして、以下があります。
申込時に質問した項目は入れずに、記載(入力)の負担を減らす
参加者の属性やイベントを知ったきっかけなどは申込時の登録フォームで回答してもらい、イベント当日のアンケートの質問項目はできるだけ当日のイベント内容に絞り、参加者が回答しやすくします。また、事前申込でのID発行、あるいはニックネーム登録などの方法により、当日アンケートでは会社名、名前も省略できます。
アンケートの回答方法、回収方法を複数用意する
Webアンケートの二次元コードを各所に設置する、紙のアンケートの回収箱を目立つ場所に複数設置するなどの方法で回収率を上げましょう。会場で素早く記入しやすい紙、退出してからでも送信できるWebのどちらからも回答可能とする方法もあります。
特典を用意する
アンケートに回答した参加者に特典を用意するのも効果的な方法です。
Webアンケート作成のツール
Webアンケートを作成するためのツールとして、以下があります。
無料のアンケート作成ツール
アンケートが作成できる無料のツールは数多くWeb上で提供されていますが、Googleフォーム、Microsoft Formsが代表例で、どちらにもアレンジして使えるテンプレートが用意されています。まずこの2つを試してみることがおすすめです。
MAツール
MAツールの多くはアンケート機能を備えています。イベントによる集客に力を入れたい企業であれば、マーケティング施策のなかでアンケートを活用しやすいMAツールがおすすめです。
シャノンのMA、「SHANON MARKETING PLATFORM」のアンケート機能は、イベントのアンケートはもちろん、顧客満足度調査、市場調査などのアンケートにも活用できます。
イベント管理ツール
イベント管理に特化したツールにもアンケート機能があります。
シャノンのイベント管理システム
シャノンのイベント管理システムは、規模の大小を問わず、リアルとオンラインのさまざまなイベントを一元管理できるツールです。
アンケートフォームを簡単に作成でき、集計結果を事前申込や事後フォロー、来場履歴などとともに一元管理ができます。イベントマーケティングに力を入れたい企業の業務効率化と集客力アップに有効です。
シャノンのイベント管理システムについて、くわしい資料はこちらからご覧いただけます。
イベントのアンケートを活用して定期ウェビナーを改善!シャノンの事例紹介
シャノンではほぼ毎月ウェビナーを開催しています。ウェビナーはリアルイベントに比べて低コストで開催でき、集客力も高いので、おすすめの施策です。ウェビナーを改善しながら継続していくためのアンケート活用事例についてご紹介します。
ウェビナーの満足度をくわしく知って、次回のテーマに活用
ウェビナーの満足度について、以下のような質問を設定した場合を考えてみます。
「大変満足」という回答が多ければ、参加者の満足度が高かったことはわかりますが、改善ポイントが不明です。
そこで以下のように、ウェビナーの内容を小項目に分けてアンケートの選択肢とします。
項目ごとの集計により、顧客が求めるコンテンツがより鮮明になります。
集計結果より、メールの送信方法やコンテンツに関する情報が人気だとわかります。
そこで、この後「メールタイトル」「メルマガコンテンツの企画」「メールのABテスト結果」をテーマにしたウェビナーを開催し、より多くの参加者を集客できました。
顧客の課題を理解して、具体的なテーマに落とし込む
展示会における課題は何ですか? という質問への回答の集計が以下です。
上記から、顧客の課題感は「費用対効果」や「展示会後のナーチャリング」にあることが見えてきます。
そこで、以下のような「展示会の費用対効果改善~当日フォローから塩漬けリストのナーチャリングまで徹底解説」というタイトルのウェビナーを企画しました。展示会での集客がすぐに商談化できなくても、「ナーチャリングによって購買意欲を引き上げれば商談化率がアップします」という内容です。
同じ展示会をテーマにしたウェビナーでも上記の課題を織り込むことで、集客が120%増加しました。
まとめ
本稿のポイントは以下の4点です。
- ビジネスイベントのアンケート施策は、イベントの改善に欠かせません。アンケートの集計結果をもとにイベントを改善して次回以降の集客につなげます。
- イベントアンケートのメリット・デメリットは以下です。
《メリット》
・イベントの改善ができる
・イベントの成功度合いがわかる
・見込み客の くわしい情報が得られる
《デメリット》
・準備や回収の手間がかかる
・参加者に負担をかける
・回収率が低いと評価しにくい - アンケート作成のポイントは以下です。
・1枚に収めて見やすくレイアウトする
・コンテンツごとに分けて満足度を質問する
・1つか2つ程度の自由記述項目を設ける
・ホットリードを見つける質問を入れる
・プライバシーポリシーを明記する - アンケート回収率を上げるコツとして、以下があります。
・申込時に質問した項目は入れずに、記載(入力)の負担を減らす
・アンケートの回答方法、回収方法を複数用意する
・特典を用意する
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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