展示会は、顧客や見込み客とリアルな接点を持てる貴重な機会です。そして、展示会の集客もまた、非デジタルな部分が多い施策です。
展示会での集客を増やすためにできることとして、事前の告知、展示会当日までのブースデザインなどの準備、そして展示会当日の集客行動があります。今回は「展示会の集客」にフォーカスして、どのようにして集客を増やし、展示会の費用対効果を高められるかについてわかりやすく解説します。
シャノンの集客担当チームが声掛けのハードルを越えて成果を伸ばすまでの苦労話を以下の記事でまとめています。
参考:\展示会でブースに人を集めたい!/属人化を解消し平均値を上げた集客声がけの泥くさ~い改善
事前集客に力を入れることのメリット
展示会で事前の集客に力を入れることのメリットとして、以下があります。
当日の来場予測が立てられる
当日接客が必要なお客様がいつ、何人くらい来場するかの予測を立てることができます。
顧客満足度を高める機会になる
展示会では対面で見込み客・顧客と対話ができ、お客様に合わせた最新情報を紹介することもできます。来場したお客様の満足度を高める機会として活用できます。
展示会の費用対効果を高められる
事前に集客したお客様が来場を機にその後商談へと進むことも少なくありません。全体の費用対効果を高めることができます。実際に商談にいたったお客様について、それ以前の最終の接点として「イベント・展示会」が最も多いというシャノンの実績もあります。
展示会から商談へ進むお客様を増やすためには集客だけでなく、展示会後のフォローが重要です。具体策については以下の記事を参照してください。
参考:展示会から商談へつなげる。費用対効果を上げるための具体策を紹介!
展示会の集客の全体像
展示会の集客にはいくつかのステップがあるので、まず整理します。
事前の集客
展示会への出展が決定したら、事前に告知して集客します。集客の方法としては
- メール
- DM
- SNS
- 広告
- インサイドセールスからの告知
などがあります。展示会の規模や内容に合わせて適切な集客施策を組み合わせて実施します。
展示会当日に集客するための準備
自社の招待客以外にも多くの人が訪れる展示会は、今まで接点がなかった見込み客を獲得できる貴重な機会です。当日の集客では、ブースに立ち寄っていただき名刺交換することはもちろん、5~10分で簡単なヒアリングまで実施することが目標です。
そのための準備として、
- ブースデザイン
- 人員計画
- 集客のための演出
- ノベルティ
- ヒアリングシート
などがあります。
展示会当日の運用
展示会の当日は、スタッフそれぞれが事前に取り決めた役割を十分果たすことに加え、当日の様子によって臨機応変な対応ができることも大事です。
アフターフォロー
展示会に来場した方、参加申込があったが当日は不参加だった方へのアフターフォローは、次回以降の集客のために重要です。
参考:展示会はアフターフォローが重要!具体的な方法や成果を出すコツを解説
本記事では、事前の集客、展示会当日に向けた準備、当日の集客の3つについて、このあと解説していきます。
展示会の事前集客
展示会の開催にあたっては事前の集客が欠かせません。事前に行う施策について解説します。
メールによる集客
展示会の集客のために、以下のようなメール施策をおこないます。
メルマガによる告知
自社のハウスリスト向けのメルマガで展示会の集客を行います。
一般的な告知のほか、顧客・メルマガ購読者向けの特典を用意するといった方法も有効です。
また、展示会中のセッションごとに「事前予約」を受け付けるようにすると、来客の予測が立てられます。
以下はシャノンが実施した実際の展示会集客メールです。
セグメントメール
以下のように顧客・見込み客を絞り込み、相手の興味・関心に合わせた内容のメールで案内します。
- 展示会のテーマと親和性が高い顧客・見込み客
- 購買意欲が高く、商談の一歩手前まできている見込み客
- しばらく接点がない休眠顧客
展示会はお客様とリアルな接点が持てる貴重な機会です。顧客の側にとっても商品やサービスをリアルに確認したり、担当者と会話したりできるメリットがあるので、顧客・見込み客・休眠顧客それぞれへの有効なアプローチ施策となります。
単独メールによる告知
複数の情報を掲載する定期的なメルマガ以外に、展示会の案内だけの単独メールを送ることもあります。タイトルやメールのファーストビューで展示会に特化して情報を届けることができます。
その他の施策
展示会に向けた事前集客方法として、メール以外にはDM、SNSなどがあります。費用対効果の高い方法を優先して、実施しましょう。
インサイドセールス
購買意欲が高まってきている見込み客にインサイドセールスから展示会への来場を促す電話をすることも有効です。お客様の都合を伺い、事前に展示会会場で商談をするアポイントをとることも可能です。
SNS
日頃から企業アカウントを運営しているSNSから展示会への出展を告知します。投稿からランディングページへ誘導するようにします。
ニュースリリースサイトへの投稿
PR TIMESをはじめとするニュースリリースサイトへの掲載は有料ですが、他のメディアにも記事として取り上げられて幅広い対象に告知できるので、比較的費用対効果が高い施策と言えます。
DM
特に来場を促したい見込み客・顧客に対しては、DMを送ることも効果的です。
ダイレクトメールの形式や施策については以下の記事でくわしく解説しています。
参考:【実例あり】ダイレクトメール(DM)とは?企業が送る際の手順、効果を高める方法や事例を紹介
広告
さらに集客に力を入れたい場合は、Web広告を使う方法もあります。
展示会当日集客のための準備
展示会の準備では、事前集客と並行して出展ブース・備品の準備や人の手配を行います。当日多くの人の目に留まり、立ち寄っていただけるような出展準備が大切です。
展示ブースの準備
展示会出展を決定するのが約1年前で、そこから展示会の出展テーマ、企画などを決めていきます。
施工などの具体的なブース準備はだいたい展示会の3か月前から始めます。
目に留まるブースデザイン
ブースデザインでは以下の基本原則があります。
- 遠くからでも視認できるよう、高い位置に企業名・商品名を表示
- ブランドロゴ、ビジュアル、コピーを統一して企業イメージを表現
- 他のブースと差別化できる演出も必要
ブースの上部にわかりやすく商品名やキャッチコピーを入れること、全体のトーンを企業Webサイトなどと統一することは大原則です。
しかしそれだけだと展示会の会場であまり目立たないブースになってしまいます。そこで3番目の「差別化」が重要になってきます。
シャノンでは差別化の方法を試行錯誤してきましたが、以下のようなブースデザインは集客効果がありました。
スッキリと洗練されたブースデザインを採用せず、「何だろう」と近づきたくなるような盛りだくさんのコンテンツを展示しました。
滞在時間を長くするためのデザイン
人目を引くだけでなく、来場者がその場で一定時間とどまるための仕掛けも必要です。そこで、近づいて内容をもっと見たくなる書店風の展示を準備しました。お客様がとどまっている時間に自然な流れでスタッフからお声掛けができます。
奥へ進みやすいレイアウト
入口と出口を決めてスムーズに流れる導線を設計します。ブースに立ち寄ったお客様が中へと進みやすいよう、内側には何があるのか見通せるような設計にすることも大事です。混雑しないよう、通路スペースは余裕をもって確保しましょう。
集客できる展示会ブース作りについては、以下の記事でくわしく解説しています。
参考:展示会ブースの作り方とは?レイアウト・演出のポイントと集客を増やした事例を紹介!
ノベルティ
展示会のブースデザインと合わせて、足を止めてもらうための工夫として、ノベルティの活用が有効です。
ノベルティの例として、以下があります。
エコバッグ
展示ブースを回るとたくさんもらう資料を持ち運ぶためにすぐ活用できます。
筆記具、文具
最新の文具など話題性のあるものがおすすめです。
お菓子、飲み物
その場で提供するか、または持ち帰っていただきます。
おもちゃ
動いたり光ったりするおもちゃは話題作りのきっかけにもなります。
ノベルティを活用したインタラクティブな体験の提供もおすすめです。
ノベルティを活用する演出には2つのねらいがあります。
1つめは「足を止めてもらう」ことです。お客様に数分とどまっていただくことで、名刺交換につながる確率が高くなります。
2つめのねらいは「覚えてもらう」ことです。展示会で名刺交換したお客様にはあとでサンクスメールを出したり電話をかけたりしますが、そのときに「光るおもちゃを配っていたブースです」と前置きすることで、思い出してもらうきっかけになります。同様の演出として「お菓子のつかみ取り」も効果的です。
集客のための演出
集客力のある演出を工夫することも大事です。
シャノンでは、プロ芸人に依頼して「マーケティング漫才」を実施して、3日間で約500名の集客に成功しました。
実際の漫才については以下でご覧いただけます。
くわしくは以下の記事で紹介しています。
参考:【展示会で検証】プロ芸人による漫才に集客効果はあるのか?マーケティング漫才やってみました。
人員配置
展示会当日の人員配置と役割分担についても十分な準備が必要です。
展示会の集客がうまくいかない悩みのひとつに、「集客担当がいない」というものがあります。営業担当者は接客のほうに意識が向いているため、マーケティング担当者が主に集客することになりますが、日常の業務とは違う動きです。誰がどのように声掛けするのかが決まっていないと、積極的に集客することができません。
そこでまず、集客と接客の役割分担を明確にします。以下はその一例です。
インサイドセールスがいる場合は、インサイドセールスを集客と接客の2つに分けます。
さらに、連携の方法を決めておきます。以下は、まずコンパニオンが声掛けし、足を止めたお客様には集客担当が声をかけ、接客担当につなぐという流れです。
接客では、立ち話をしたお客様をブース内まで誘導できないという悩みもあったので、以下のように集客と接客の担当者をバディ制にしました。
バディの前にお客様が立ち止まっていたら営業・技術担当者もあらかじめ決めておく立ち位置まで出ていき、集客担当者に協力します。
以上のように細かく立ち位置を決めることで、当日に悩まず動けるよう、計画しました。
マーケティング担当者など、日常的に声を使って仕事をしていないメンバーが集客を担当することになるので、展示会中にスムーズな声掛けができるよう、ロールプレイングを実施することもおすすめです。集客担当者で集まって声掛けの練習をして、コミュニケーションのとり方を学び合うことが有効です。
名刺交換のフローを決める
声をかけ、商品説明を行ったにもかかわらずタイミングを逃して、「お客様から名刺をいただけずに終わる」という事例も想定されます。このような事態をなくすため、名刺交換をどのタイミングで行うかを明確にしておきましょう。
以下のように、お客様の質問にお答えして接客となる前に、ご挨拶をして名刺交換をさせていただくよう、接客フローを定型化します。
展示会当日の集客
展示会当日までに十分な事前準備をすることは大事ですが、もっと重要なのは当日の集客です。展示会は複数日程で行われることが多いので、その期間内にできるだけ多くの人と名刺交換するための施策を紹介します。
当日の声掛け
展示会中は、デジタルマーケティングでリーチできていなかった見込み客を獲得できるチャンスです。しかし、ブースで待っていても人は集まってくれません。来場者に声掛けして集客することはとても重要です。
あらかじめ立ち位置や声掛けの流れを決めていても、当日実際に来場するお客様を前にすると躊躇してしまうこともあれば、当日新たな課題が見つかることもあるでしょう。
現場では集客担当チームがリーダーを中心に協力して、その場で試行錯誤もしながら積極的に声をかけていきます。
シャノンの集客担当チームが声掛けのハードルを越えて成果を伸ばすまでの苦労話を以下の記事でまとめています。
参考:\展示会でブースに人を集めたい!/属人化を解消し平均値を上げた集客声がけの泥くさ~い改善
会期中にKPI達成率を確認して改善をはかる
展示会の会期中には「獲得名刺数」で設定したKPIを追いかけます。
展示会の開場時間が10:00~17:00として、1日のうちで12:00と15:00の2回、中締めを行います。
中間締めでKPIが未達だった場合には、集客方法の改善を図ります。
たとえば、集客数が伸びていない集客担当者を他の人がフォローしたり、集客に有効と思われるノベルティや資料、声掛け方法をチームで共有したりします。
また、お客様からいただいたバーコード情報から人が多く来場する時間帯がわかるので、そこに担当者のシフトを手厚くして、集客機会を逃さないようにすることも大事です。
シャノンの場合、会期中を通じたKPI管理により3日目の名刺獲得数を210%増と改善し、全体の目標を達成することができました。
まとめ
本稿のポイントは以下です。
1. 展示会の集客には、事前集客、当日までの準備、当日集客の3つのステップがあります。
2. 事前の集客ではメルマガによる告知のほか、ホットなリード向け、休眠顧客向けなどのセグメントメールも有効です。施策として以下があります。事前の集客に力を入れることにより、展示会の費用対効果を高められます。
・メール
・インサイドセールス
・SNS
・ニュースリリースサイトへの投稿
・DM
・広告
3. 展示会当日集客のための準備として、以下があります。
・展示ブースの準備
・ノベルティ
・集客のための演出(例:マーケティング漫才)
・人員配置
・名刺交換フロー
4. 展示会当日の集客施策として、以下があります。
・声掛け
・会期中のKPI改善
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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