展示会から商談へつなげる。費用対効果を上げるための具体策を紹介!

展示会は、企業の重要なリード獲得の手段のひとつ。
日頃のマーケティング活動でリーチできていなかった多くの見込み客と出会い、そのうち何割かの新規顧客を獲得することが期待されています。

しかし、情報収集に来た若手社員、競合他社のブースを目指す人、挨拶に立ち寄る既存顧客など、展示会会場を訪れる人の動機はさまざま。多くの人と名刺交換はできたけれど、商談可能なゲストは決して多くはありません。

そんななかでも確実に、「展示会からの商談を増やす」方法について、今回は解説していきます。2023年には9つの展示会へ出展した実績をもとに、費用対効果の改善を重ねてきたシャノンの具体策についても紹介します。

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展示会の費用対効果を改善したいかたは必見です
シャノンではじめる展示会フォロー

展示会での商談、どう進める?

まず、商談を増やしたいと考える出展企業の課題について確認していきます。

展示会に出展するメリット

展示会とは、企業が自社の商品やサービスを顧客に紹介するためのイベントです。大規模な会場に多くの企業がブースを出展する形式で開催されることが一般的です。
BtoBビジネスでは、集客の有力な手段のひとつといえるでしょう。

このような展示会は、出展企業にとっても顧客企業にとっても多くのメリットがあります。

出展企業のメリットは、日常のマーケティング活動や営業活動ではリーチしきれないユーザーを含めて、幅広い見込み客と接点が持てることです。しかもこうしたユーザーは展示会に興味を持って足を運んでいることから、一定のニーズがあると期待ができます。実際にシャノンでは商談まで至ったお客様との最終接点はイベント・展示会が最も多いという結果がでています。

シャノンで商談まで至ったお客様との最終接点

一方、顧客企業側のメリットは、展示会を訪れることにより、一度で多くの商品やサービスの情報が得られることです。展示会の場で出展企業と直接コミュニケーションをとって疑問点を明らかにしたり、多くのサービスを比較検討したりできることも魅力です。

出展企業のよくある悩みとは

BtoB企業にとって展示会への出展は大きなメリットがありますが、会場費やブース設営費など多額の費用がかかります。そのため、マーケティング部門や営業部門といった展示会担当者は、新規リード獲得や商談などの目に見える成果を上げることを目指しています。
しかし実際にはなかなかうまくいかず、以下のような悩みを抱えていることもあります。

新規顧客獲得の名目で出展したものの、実態は既存顧客の対応に追われている
展示会ブースを訪れる多くのユーザーと名刺交換をして、貴重な新規見込み客リストを獲得。その一定割合を商談へ進めることが出展の最大の目的です。
ところが、会期中にブースを訪れる既存顧客の接客に時間をとられてしまい、新規ユーザー対応が不十分だったという、本末転倒の事態に陥ることがあります。

新規見込み客の名刺を獲得しても、十分なフォローが実施されない
せっかく入手できた新規見込み客の名刺でありながら、明確に購買意欲が高い「ホットリード」は商談に進むものの、その他については十分な情報がなく、展示会後の適切なフォローを実施できない場合があります。実際に、展示会の名刺リストの中には今すぐのニーズがないユーザーも多いのですが、そこにまぎれた有望な見込み客を見つけ出すこと、中長期でフォローを続けて購買意欲を引き上げるといったフォローができていない可能性があります。

経営層から費用対効果を求められるが、確度の高い案件だけではカバーできない
購買意欲が高いホットリードをフォローするたけでは、出展費用に見合う成果を上げられません。費用対効果を高めていくためには、獲得した名刺から商談に進む数を増やし、歩留まりを上げていく必要があります。また、展示会をきっかけとして半年後、1年後に商談へと結びつくリードについても追跡管理して、費用対効果を計算する必要があります。

これらは、展示会出展企業の担当者からしばしば聞かれるよくあるお悩みですが、適切な施策を実践することにより改善が見込めます。

展示会からの商談を増やすための対策は?

展示会からの商談を増やし、新規顧客を獲得していくためには、以下のような対策が必要です。

詳細な数値目標を設定する
展示会の費用対効果を上げるためには、何件獲得して、商談数をどのように増やしていくのか計画を立てて見積もることが重要です。たとえば以下のような項目が考えられます。
● 費用
● 受注金額
● 獲得数・商談数
● 商談獲得単価
● 受注金額
費用対効果が合うためには、何件をどのように獲得するのか考える必要があります。

リードナーチャリングの仕組み化
展示会当日に獲得できる商談数だけでは出展費用に見合う成果を上げることは難しいため、それ以外の名刺から商談を増やしていく必要性があります。ポイントは、当日、短期、中長期に分けてナーチャリングを企画することです。

ナーチャリングの仕組みがなく当日フォローのみの商談と、ナーチャリングを仕組み化し中長期的にフォローを続けた場合、最終的に生み出す価値は以下の図ほどの違いがあります。

ナーチャリングの仕組みがなく当日フォローのみの商談と、ナーチャリングを仕組み化し中長期的にフォローを続けた場合、最終的に生み出す価値の違い

つまり、適切なナーチャリングの仕組み化とフォロー施策により、展示会の費用対効果が高まります。

上記の例に示したような「当日フォロー(再判定)」「短期フォロー」「中長期フォロー」の具体的な施策については、このあと解説していきます。

展示会からの商談を増やすためにしておくべきTipsを紹介

展示会からの商談と新規顧客獲得を増やすための具体的な方法について、展示会の事前準備、当日、事後に分けて解説します。

展示会の事前準備の具体策

事前に行うべき対策として、以下があります。

メール、広告、DMなどによる集客

展示会で自社のブースへの集客を促し、見込み客の母数を増やすための施策が重要です。既存のハウスリストへのメール案内、広告による告知のほか、有望なターゲット企業へのDM送付も行います。

展示会ブースの準備

展示会ブースの計画では、「視認性が高く人が集まるブース」「商品・サービスの良さが伝わるコンテンツと見せ方」「体験が印象に残る演出」がポイントとなります。展示会に来るお客様は、1日で何社も接点を持つため、後日フォローがあっても「どこの会社でしたか・・・・・・?」と覚えていただけていないこともしばしば。
だからこそ、たとえばブースで「お菓子つかみ取り」といった演出を実施することで、見込み客にメールや電話で連絡をとった際「お菓子つかみ取りのブースですね」と思い出していただきやすくなります。

お菓子つかみ取りの様子

展示会ブースの作り方については、以下の記事でくわしく解説しています。シャノンで実施してきた「ドンキ風演出」「マーケティング漫才」などについても紹介しています。
参考:展示会ブースの作り方とは?レイアウト・演出のポイントと集客を増やした事例を紹介!

展示会当日の施策

展示会当日は、集客をしながら商談も積極的に行います。

ブースへの集客はノベルティを使う

展示会は、今まで自社と接点が一切ない多くのユーザーと出会い、集客できる大きなチャンスです。まず足を止めてもらい、名刺交換すること が重要です。足を止めてもらうための施策として、ノベルティの配布が挙げられます。ボールペン、エコバッグといった実用的なものや、お菓子、お茶といった飲食物、光るボールといった目立つもの等を用意し、「まずは足を止めてもらう」ことを意識しましょう

展示会におけるおすすめノベルティ

集客と接客を分ける

集客と接客の役割分担を明確にすることも大事です。展示会当日に商談ができ、また来場者からの質問にも答えられるよう、接客担当として営業担当者のほか、技術担当者も配置します。
下は、人員計画の一例です。

人員計画の一例

名刺交換した見込み客へのヒアリング

ヒアリングシートを用意して、短時間でも現状や課題といった大事な情報をモレなくきき出せるようにします。ヒアリングシートを記載することで、後日フォローする際に会話内容を引き継ぐことができます。また、後で紹介する見込み客の分類にも役立ちます。
以下は、シャノンが活用したヒアリングシートの例です。

シャノンが活用したヒアリングシートの例

バックヤードで名刺データをリスト化、分類

展示会ブースのバックヤードにスキャナーを設置して、見込み客の購買意欲ごとに「ホット」「ウォーム」「コールド」として分類、リスト化します。当日中にデータを整備することで、翌営業日からフォロー施策をスタートできます。また、展示会会期中に名刺交換数をカウントして、中間の目標達成度をスタッフ間で共有できることもメリットです。

以下は分類基準の一例です。

分類基準の一例

展示会ブース内で商談

ブース内に専用スペースと人員を確保して、購買意欲の高い方には、その場で担当者との商談へと進んでいただきます。専門性の高い質問にも対応できるよう、技術スタッフも待機します。

展示会終了後の施策

すでに展示会会期中に見込み客を「ホット」「ウォーム」「コールド」で分類しているので、展示会終了後はそれぞれに対して施策を実施します。同時に、「ウォーム」「コールド」に分類したリードの再判定施策も重要です。

「ウォーム」「コールド」に分類したリードの再判定

「サンクスメール」で事後フォローをスタート

展示会の翌営業日までにはサンクスメールを送信します。スピーディーにメールを送ることは、自社を競合より強く印象づける点でも重要です。
マーケティングオートメーションを活用すると、名刺が登録された段階で自動でメールを送ることも可能です。「ホット」に分類されたリードは優先的に手動でフォロー、「ウォーム」「コールド」に分類されたリードはまず自動でサンクスメールをお送りし、その後手動フォローといった方法ができるようになります。

中長期的なリードナーチャリング施策

今すぐの購買意欲がないと判断された「ウォーム」「コールド」に対しては、他のマーケティング施策で獲得した見込み客と同様に、購買意欲を引き上げる「リードナーチャリング」施策を行います。
まずやるべきは購買ピラミッド管理です。短期まではホット・ウォーム・コールドに合わせてフォローしてきましたが、中長期からは顧客の関心度合いに合わせた購買ピラミッドに沿ってフォローする必要があります。

各フェーズは顧客の接点と期間で考え、段階的に顧客の関心度合いを引き上げる施策を打っていきます。

中長期からは顧客の関心度合いに合わせた購買ピラミッド

おすすめは関心ウェビナーの実施です。実施の際、製品ウェビナーと関心ウェビナーを分けることをおすすめしています。関心ウェビナーでは集客が強く、製品ウェビナーはアポが強いので、きちんと内容を振り切りましょう。

実施の際、製品ウェビナーと関心ウェビナーを分ける

参考:リードナーチャリングとは?成果を出す7つの手法や成功事例を紹介

シャノンが実践してきた展示会施策をデータとともに紹介!

最後に、シャノンが実践してきた展示会施策の具体例と実績を紹介します。

「サンクスメール」で「隠れホット」を再判定

展示会会期中に名刺をリスト化し、購買意欲の高いと判断した順に「ホット」「ウォーム」「コールド」と分類しています。ただし、判断は人が行っているため、「ホット」のなかに「ウォーム」「コールド」が紛れていることがあれば、逆の場合も考えられます。
「ウォーム」「コールド」のなかに潜む「ホット」な見込み客を見逃してしまうと、せっかくの商談機会を失ったり、競合他社に流れてしまうといったケースが想定されます。
そのため、紛れてしまった「ホット」リードを見つける施策を行います。

展示会におけるフォロー対応の図

「ウォーム」「コールド」へのサンクスメールの中に、興味・関心が高ければアクションを起こすと期待できるコンテンツを挿入し、ページへ誘導します。確度が高い人を再判定するものなので、たとえば、フォームへの誘導、といったかたちであえてハードルが高いものを設定します。 ここからのCVがあれば「ホット」へと分類を変更しフォローを優先的に実施します。

フェーズの再判定の方法

以下の動画で詳しくご紹介しております。

「ウォーム」への短期フォローは、アナログ施策

「ウォーム」のなかには、早期に「ホット」に移行しそうなリードもいて、このようなリードに短期フォローが適しています。

短期フォローの施策として、「乗り換え」にはカタログ郵送、「新規導入」には事例DMという、どちらもアナログな施策を実施します。このような見込み客に合わせた施策を実施するために展示会当日のヒアリングが重要です。「乗り換え」か「新規」かは、必須ヒアリング項目として、事前に情報を得ています。

「乗り換え」にはカタログ郵送 「新規導入」には事例DMを実施

 

施策により、商談化率はどれくらい増えた?

フェーズの再判定施策、ウォームを対象とする短期フォロー施策を実施した結果、商談化率は以下のように8–12%という実績を上げることができ、展示会の費用対効果が向上しました。

フェーズの再判定施策、ウォームを対象とする短期フォロー施策を実施した結果、商談化率がアップ

以下で、今回紹介した具体例を含む、詳しい「展示会の費用対効果改善」の動画を視聴できます。

展示会のお悩みはマーケティングオートメーション(MA)で解決!

展示会のお悩みに対し、MAは以下の方法で効果的な解決策を提供します。

接客員の主観だけでリード(見込み客)の評価をしているが、その判断が正しいのか不安

解決策:人が見落とした見込み客をツールが検出してフォロー
即時の名刺スキャンと、翌営業日以降の再判定メールの送信を実施。接客時に人が見落としたホットリードを検出できます。

展示会後のリード(見込み客)へのフォローアップで、効果が出ていない気がする

解決策:デジタル&アナログ相乗効果アプローチ
シャノンで紙のDMとメール施策を連携させ、相乗効果を生むデジアナアプローチを実施。

中長期的なナーチャリング(顧客育成)が必要と感じているが、具体的な方法がわからない

解決策:購買フェーズごとに最適なコンテンツを提供
シャノンを活用して、購買フェーズごとに最適なコンテンツを提供する自動化シナリオを設定。ナーチャリングで費用対効果が上がります。

上記のほかにも、展示会で商談を増やすためには、展示会の準備や当日、展示会後まで、多くの業務が発生します。これらを効率よく進めるためにもMAが有効です。

おすすめ資料

展示会の費用対効果を改善したいかたは必見です
シャノンではじめる展示会フォロー

▼この資料で分かること
・シャノンを使って展示会の費用対効果を改善する方法
・接客員による商談化見込みの思い込みを解決する方法
・短期・中長期でのナーチャリング方法

漫才で分かる!シャノンのMA

人力舎所属「おしどり大名」によるマーケティング漫才です。
マーケティングを身近な例を交えて”わかりやすく”お伝えします。
ぜひご覧ください

まとめ

本稿のポイントは以下です。

1. 展示会出展は企業が商談を増やすための有力な手段の一つです。しかし以下のような悩みが付き物です。
・新規顧客獲得の名目で出展したものの、実態は既存顧客の対応に追われている
・新規見込み客の名刺を集めても、十分なフォローが実施されない
・経営層から費用対効果を求められるが、確度の高い案件だけではカバーできない

2. 展示会で商談を増やすためには、多くの業務を効率よく進めることができるMAが有効です。

3. 展示会からの商談を増やすための具体策は以下です。
《事前準備》
・メール、広告、DMなどによる集客
・事前申込者のフォロー
・集客と接客を分ける人員計画
・展示会ブースの準備
《展示会当日》
・来場者の集客
・名刺交換した見込み客へのヒアリング
・バックヤードで名刺データをリスト化、分類
・展示会ブース内で商談
《事後フォロー》
・サンクスメールの送信
・フェーズ再判定施策の実施
・「ウォーム」を「ホット」へ引き上げる施策
・中長期的なリードナーチャリング施策

最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。


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