展示会では多くの新しいお客様との出会いがあります。
名刺をいただいたお客様に出す「お礼メール」は、感謝を伝えるだけでなく、商談獲得のための最初の一歩という点で重要です。
以下は、実際のシャノンの展示会お礼メールです。
今回は、商談率を上げるために効果的な展示会お礼メール施策について解説します。シャノンが実践している具体的な事例も豊富にご紹介します!
展示会のメリット・デメリットととお礼メールの重要性
BtoB企業のマーケティング活動のなかで展示会は重要な施策です。
そのメリットとデメリット、お礼メールの重要性を確認します。
展示会出展のメリット
展示会への出展には、以下のようなメリットがあります。
新規リードの獲得
展示会場では多くの新規リード(見込み客)を獲得できます。
特に、オウンドメディアやWeb広告などのデジタルなマーケティング施策ではリーチできていない顧客層と出会える可能性があることが魅力です。
認知度の向上
ブース出展により幅広い来場者の目に触れ、企業名、商品やサービス名の認知度向上ができます。
展示会出展のデメリット
一方、展示会には以下のようなデメリットもあります。
コストがかかる
展示会への出展では高額な出展費に加えてブース設営や備品、人件費など、コストがかかります。
商談に結びつきにくい
展示会の来場者には、製品購入への明確な興味・関心を持つリードだけでなく、現時点で具体的なニーズを感じていないリードも少なくありません。
上記2つのデメリットをまとめると、展示会のデメリットは「費用対効果が合わない」ということになります。実際に、高額の出展費用に見合うだけの成果を上げることができず、展示会出展を控える企業もあります。
「お礼メール」は展示会の費用対効果を高めるための第一歩
展示会の費用対効果を高めるためには、名刺交換したリードに対する適切なアフターフォローが欠かせません。
そんな展示会後のフォロー施策の第一歩が「お礼メール」です。
お礼メールから始まる展示会の事後フォロー施策を適切に展開していくことにより、商談率を上げ、展示会の費用対効果を高めることが可能です。
お礼メールを含めた展示会の費用対効果を上げる方法の全般については、以下の記事で詳しく紹介しています。
参考:展示会から商談へつなげる。費用対効果を上げるための具体策を紹介!
展示会のお礼メールの目的
展示会のお礼メールの目的として、以下2点が挙げられます。
自社を思い出してもらう
展示会出展のメリットのひとつで認知度の向上がありますが、まずは自社について思い出してもらうことが重要です。展示会に来場する人は多くのブースで名刺交換をするので、特に印象が強かった2~3社以外は記憶があいまいです。そこで、自社のブースの目印や体験について言及しながら挨拶することが有効です。
興味・関心の引き上げ
展示会で名刺交換したリードの中には、自社製品の購入を積極的に検討している顧客もいますが、多くのリードは実際のニーズに気づいていない潜在顧客です。このような多数派の購買意欲を引き上げるための施策の第一歩が「お礼メール」です。そのためには、リードの興味・関心の程度に合わせた内容でお礼メールを送ることが有効です。
お礼メールで成果を上げるポイント
お礼メールで成果を上げるために、以下がポイントとなります。
翌営業日までに送信する
展示会を訪れた人には多くのお礼メールが届きます。その中で自社を印象づけて差別化するには、スピーディーに送信することが大事です。
以下は、シャノンの実績です。展示会後のフォローが遅れるほど、商談発生数は減少するというデータが得られています。
そこで、お礼メールはできるだけ名刺交換した翌営業日までに送りましょう。
MAやメール配信ツールを活用することで、お礼メールの自動送信が可能になります。
お礼メールなどを活用しナーチャリングを実施することで、費用対効果の向上が見込めます。
MAについて詳しくはこちら
読まれるための工夫をする
たくさん届く展示会のお礼メールのなかで、読んでもらうための工夫が必要です。
タイトルには会社名、製品名、お礼メールであることを明記します。それに加えて、展示会ブースの演出やプレゼントについてひとこと触れることも一案です。
例として、シャノンが過去実施した展示会ブースでは「お菓子のつかみ取り」を行っていました。この時は以下のようなタイトルでした。
「お菓子のマーケティングオートメーション企業から「追加のおみやげ」【ご来場のお礼】」
こうした演出は、展示会の現場で来場者の注目を集める集客効果だけでなく、お礼メールで思い出してもらうためにも有効です。
具体的なアクションを促す
お礼メールを送信してコミュニケーションが終了してしまうのではなく、相手からのアクションを受け取れるようにします。
たとえば、以下のようなコンテンツを提供します。
- 資料ダウンロードの案内
- お役立ち動画のURL
- セミナー、ウェビナーの案内
お礼メールに対してリードの何らかのアクションがある/なしによって、リードのフェーズが確認できます。興味・関心があると判定すれば、次の施策へと進んでいきます。
One to One の内容で送る
リードの興味・関心度のフェーズを分類して、最適な施策をおこなうOne to Oneマーケティングを、お礼メールの段階からスタートさせます。
展示会で接客担当者が各リードに対してヒアリングをした内容を「ホット」「フォーム」「コールド」の3段階に分けて、ニーズに合わせたコンテンツを提供します。
「ホット」に分類されたリードに対しては、お礼メールを送信するだけでなく、直接営業担当者からのフォローを行います。
「ウォーム」「コールド」に分類されたリードに対しては、リードにとって役立つ情報をメルマガで届けたり、ウェビナーの案内を送ったりして、興味・関心を引き上げるリードナーチャリングを継続していきます。
ここで気をつけたいのは、分類が間違っていないかということです。短い展示会での接客時間の間に行うフェーズ判定だけではリードのニーズを十分にヒアリングできていない可能性があります。「コールド」「ウォーム」のなかに「ホット」が紛れていた場合にあらためてピックアップできるよう、「フェーズ再判定」を実施します。
「フェーズ再判定」の具体的な施策については、後ほど事例を紹介します。
参考:リードナーチャリングとは?成果を出す7つの手法や成功事例を紹介
展示会のお礼メールの例文
以下は、シャノンが実際に使用している展示会お礼メールの一例です。
株式会社●●
●●様こんにちは。株式会社シャノン マーケティング部です。
このたびは「XX展示会」にて弊社ブースにご来場いただきありがとうございました。ブースにて、展示会フォローやリードの一元管理などのMAでできることをご紹介させていただきました。
詳細はこちら:URL本日は皆さまに追加で情報提供できればと思い、おすすめの資料をご案内させていただきます。
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以下、貴社署名
①メール件名
メールの件名には、「展示会名称」「企業名や製品名」「お礼メールの表記」を入れて、わかりやすくします。
②お礼のあいさつ文
まず展示ブースへ来場いただいたことのお礼を記します。
③導入文では記憶を喚起
会社名や製品名が記憶に残っていない方もいるので、展示会でご紹介した内容などについて触れて、「あの展示ブースか」と思い出していただけるような導入文にします。
④本文
本文では、リードの興味・関心を引き上げるためのコンテンツを提供します。例文では資料のダウンロードURLを記載しています。このほか、動画の予告バナーとURLを提供する方法もあります。
「ご来場いただいたお客様限定」「1週間ダウンロード可能」など、稀少性のある特典として表記することも有効です。
展示会の成果を高めるお礼メール施策を紹介!
最後に、シャノンが成果を上げて現在も実践している「お礼メール」の施策を紹介します。
覚えてもらうための展示ブースの演出
展示会出展では、数あるブースのなかで自社の展示を覚えていただく、あるいはお礼メールが届いたら思い出していただけるよう、演出に工夫をしています。
前述した「お菓子のつかみ取り」のほか、ノベルティとして「光るボール」をお渡ししたこともあります。記憶に残りやすい演出が事後フォローにも有効です。
また、2024年には、ブースに人力舎のお笑い芸人さんをお招きし、マーケティング漫才を実施。お礼メールを印象づけるためだけではなく、高い集客効果がありました。
お礼メールを即日送付
シャノンではMAを活用して、展示会後のお礼メールを早ければ当日中に送っています。
展示会バックヤードで名刺をスキャン
展示会でいただいた名刺は「ホット」「ウォーム」「コールド」に分類してスキャンしデータベース化します。
名刺のスキャニングは、展示会のバックヤードに機材を設置して随時実施。
その後名刺情報と「ホット」「ウォーム」「コールド」の区分がMAに登録されます。
シナリオ設定によりOne to One のお礼メールを送信
「ホット」「ウォーム」「コールド」それぞれのお客様に送信するお礼メールを、MAから自動送信できるよう、事前に準備しておきます。準備は以下の2つです。
- 「ホット」「ウォーム」「コールド」それぞれのメールテンプレート
- メール送信のシナリオ設定
以上のような施策により、お礼メールをスピーディーに送信することが可能です。
お礼メールで「フェーズの再判定」を行う
展示会で一人一人のお客様と会話できる時間は平均5分と短く、判定するための十分な情報を引き出せていない可能性があります。
現場の接客員が「ウォーム」や「コールド」と判定したが実際にはもっとフェーズが高いお客様を見逃しているかもしれません。
そこで、「ホット」「ウォーム」「コールド」のフェーズ区分をお礼メール施策で再判定します。
そのための施策として、お礼メールの中にフェーズを再判定できるコンテンツを組み込みます。購買意欲が高い人を見つけ出すことが目的なので、資料請求や詳細な相談フォームへの入力など、購入意欲があるリードが積極的にアクションを起こしやすい施策を用意します。
アクションをしたお客様を「ウォーム」「コールド」から「ホット」へと再判定して、取りこぼしをなくすことができます。
このフェーズの再判定を実施したところ、商談化しないと現場で判断された名刺から、8-12%ほど商談が発生した実績があります。
展示会のお礼メールを含めたアフターフォロー施策全般については、以下の記事でくわしく紹介しています。
参考:展示会はアフターフォローが重要!具体的な方法や成果を出すコツを解説
まとめ
本稿のポイントは以下です。
1. 展示会のお礼メールは、リードナーチャリングの最初の施策であり、商談を増やして展示会の費用対効果を高めるために重要です。
2. 展示会お礼メールの目的は、関係性の構築とリードの興味・関心の引き上げです。
3. お礼メールで成果を上げるポイントは以下です。
・スピーディーに送信する
・読まれるための工夫をする
・具体的なアクションを促す
・One to One の内容で送る
4. 展示会でのヒアリングをもとにリードを「ホット」「ウォーム」「コールド」に区分してそれぞれに合った内容のお礼メールを送ります。フェーズを再判定できるコンテンツをお礼メールに追加しておくことにより、ホットリードの取りこぼしを防ぎます。
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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