現在、インサイドセールスに求められている業務はマーケティング部門が獲得した見込み顧客の中から商談可能な顧客を「見つける・引き上げる・フィールドセールスにパスする」ことによって商談を効率的に増やすことです。
その中でも、今回はインサイドセールスが架電から商談を増やすための考えかたと、シャノンが実際に実践して成果がでた施策をご紹介します。
インサイドセールスの役割や導入するメリットについての詳細は下記の記事をご参考ください。
【2024最新版】インサイドセールス完全ガイド|売上アップのポイントと導入から運用まで
インサイドセールスの役割と営業活動での立ち位置を確認
インサイドセールスの役割は、企業の営業活動において、顧客との最初の接点となり、顧客のニーズを把握して商談に繋げることです。
シャノンの営業活動は以下のように分けることができ、その中でもインサイドセールス部門は主にハウスリストに対して商談をつくるための活動に取り組んでいます。
◆各部門の業務内容
- マーケティング部門
あらゆるマーケティング施策を用いて、リード(見込み顧客)の獲得とハウスリスト(既存の見込み顧客)に継続的なアプローチを行いナーチャリングを行う - インサイドセールス部門
マーケティング部門が獲得した新規リード、ハウスリストの中から商談に近いリードを見分け、メール・DM・架電などあらゆる施策を用いて商談のアポを獲得する - 営業部門
自身で獲得した、もしくはインサイドセールスからパスされた商談から受注・契約を獲得する
シャノンのインサイドセールスの業務フロー
シャノンのインサイドセールスは、新規獲得したリード(新規リード)とハウスリストにいる既存リードの双方にアプローチし、商談化を目指しています。
ここでは、それぞれのリードに対してどのようにアプローチしているかご紹介します。
◆新規リード・既存リード双方にアプローチするための前提について
シャノンのインサイドセールス部隊はKPIに商談獲得数と受注数を設定しています。KPIは月ごとに目標数値を獲得経路別に設定し、目標達成するためにどういった施策を行っていくか決めています。
◆新規リードへのアプローチについて
新規リードへのアプローチは獲得方法で2種類に分けて考えています。
まずは、どのように獲得方法が分けられるかご紹介します。
<新規リードの獲得方法>
1.定常的な新規リード獲得方法:自社のWebサイト経由での資料請求やセミナー申込、自社以外の比較サイトなどに掲載いただいている資料請求(シャノンでは外部媒体と読んでいます)から獲得
2.短期での新規リード獲得方法:共催セミナーや展示会出展などのイベントに参加して一回に多くのリードを獲得
それぞれの獲得方法に対して、次のようにアプローチしています。
<獲得方法ごとのアプローチ方法>
1.定常的な新規リード:インサイドセールス組織の中で「自社経由で獲得したリード」「外部媒体で獲得したリード」の2つにわけ、各当番(当番は日ごとに交代)がアプローチします。
特に、Webサイトからの資料請求のような自社経由で獲得したリードは商談に繋がりやすいので、メンバー全員が同じ頻度でアプローチできるようにしています。
2.短期での新規リード:こちらは、展示会など開催日が決まっているため、リードが獲得できる日と量が予め推測できるので、月次単位でアプローチ計画を立てます。予め計画を立てることで、展示会が終ってから短期間で全リードにアプローチできるようにしています。
◆既存リードへのアプローチについて
既存リードのアプローチは、月単位で何件ほどアプローチできるかを考え、計画を立てていきます。まずは、インサイドセールスが上記の新規リードを除くと何件アプローチできるのか週単位で計算します。例えば、展示会などのイベントが月の中旬にある場合は展示会へ参加、会期後の一定期間は獲得した大量のリードのフォローに専念するので既存リードへアプローチできる余裕はありませんが、逆に月初・月末は新規の獲得予定がなくアプローチできる余裕があるなど確認します。
アプローチできる件数を見込んだ次は架電する対象を検討します。
シャノンでは、これまで成果が高かったリストや、受注した企業の課題などからどういったリストに架電すると成果がでるのか、仮説を立ててからアプローチをしています。
インサイドセールスが商談を増やすためのポイント
インサイドセールスの商談獲得数は以下の計算式で考えることができます。
架電数 × 応答率 × 商談化率 = 商談獲得数
それぞれの要素は、以下のように分解することができます。
架電数=架電リストの在庫数、架電数
応答率=架電リストの質、架電前後のアプローチ
商談化率=架電対象への仮説立て、対話スキル
この中だと特に、「架電リストの質」は改善がしやすく、改善ができるとチーム全体の成果に繋がる重要なポイントです。
リストの質で成果が変わるかどうかをシャノンがこれまで作成してきた様々な架電リストとそのアプローチ結果をもとにご紹介します。
◆シャノンがこれまでアプローチしてきた様々な切り口の架電リストとその成果
上記表はそれぞれのリストで応答率、対話率がどのように違ったかを示しています。
リストの種類は大きく「白地リスト」と「ハウスリスト」で分け、「ハウスリスト」の中でもどのようなターゲットで絞ったリストなのか紹介しています。
アプローチの成果、次のような特徴が得られました。
◆「白地リスト」より「ハウスリスト」のほうが成果が高い
白地リストの応答率・商談化率は、ハウスリストより大きく下回る数値でした。ここから、アプローチする際には、過去に何らかの接点がありバイネームで情報が取れているかが重要と言えます。
◆ターゲットの絞り方は部署・役職で絞ったリストの成果が最も高い
今回紹介した3つの切り口の中では、部署・役職でターゲットを絞ったリストへアプローチすると最も効果が高かったです。
なぜ成果が高かったのか、リストによってアプローチの仕方どう変わるかを業務プロセスごとに分けて考えました。
上のフローから考えると、部署や役職で絞る場合はバイネームでアプローチできる上に、
ターゲットの課題仮説立て:部署からリストで共通した課題が推測がしやすい
架電:役職を決定権のあるかたに直接つながることができる
というメリットがあるため、結果として成果に繋がったと考えています。
白地リスト:これまで接点がなく、初めて代表電話やメールアドレスへアプローチするリスト
ハウスリスト:過去に接点があり、顧客情報を保有している見込み顧客のリスト
シャノンのMAで!商談が増やせる架電リストのつくりかた
リストの質を上げるためにはターゲットを絞ることが重要ですが、ターゲットを絞ったリストをつくるためには何が必要か、そしてどのようにリストをつくるのでしょうか。
◆質の高いリストをつくるために必要なこと
質の高いリストをつくるためには、ハウスリストで様々な情報を管理している必要があります。例えば、前章で紹介したリストでは次のような情報を使ってハウスリストからターゲットを絞っています。
- 行動履歴(セミナー参加者)で絞ったリスト:セミナーの開催履歴と参加時期
- 名刺交換済の中で休眠状態のリードに絞ったリスト:展示会などでの名刺交換履歴と顧客との最終接点時期
- 部署・役職で絞ったリスト:ターゲットの属性情報である部署(マーケティング関連部署)、役職(課長以上)
こういった顧客の情報は以下のように分類でき、それぞれ次のようなツールで管理できます。
シャノンは、上表のツールにあるMAツールを提供しており、社内でもシャノンのMAツールを使ってリストをつくっています。
◆質の高いリストのつくりかた
続いて、シャノンのMAツールでは、どのようにしてリストをつくっているかシャノンのMAツールの画面を見せながらご紹介します。
<シャノンのMAツールを使ったアプローチリストのつくりかた>
1.「複合検索機能」でハウスリストからターゲットの絞り込み
絞り込みはMAで管理している情報をもとに、「AND」「OR」「NOT」「XOR」検索を組み合わせて自由に絞込みできます。
管理している情報としては、属性情報(部署・役職・所在地など)や行動履歴(Webアクセス・イベント参加・アンケート回答など)などがあります。
詳細は、こちらからご確認いただけます。
2.複合検索機能で絞り込んだリードをリスト化
複合検索の結果、条件にあったリードが一覧表示されます。その画面から「リストへ追加」というボタンを押すことで任意のリードに追加することができます。
3.作成したリストはメール送信やCSVでダウンロードして活用
作成したリストはMAの他の機能で活用することができます。
例えば、メールやDM送信の検索条件として、指定することが可能です。外部サービスを利用する時の宛先リストにしたい場合でも、リストはCSVでダウンロードができるので対応できます。
シャノンのMAなら、このように簡単にリストが作ることができます。
シャノンが実践!応答率とアポ率が上がった施策3選
ここでは、シャノンが実践した施策の中で成果が出た架電リスト以外に関する施策を紹介していきます。
その1:資料請求編
製品資料やホワイトペーパーなどをWebに掲載し、資料請求やお問い合わせをいただけるよう取り組んでいる会社は多いかと思います。
シャノンの実績では、資料請求やお問い合わせは、フォーム登録されてから電話をするまでの時間で応答率が変わることがわかっています。
具体的には、応答率が当日以内:80.2%。翌日以降:65.9%です。中でも当日1時間以内に電話をした場合の応答率は88.9%なので、1時間以内に架電をすることが重要になります。
1時間以内の架電を実現するには、資料請求があったタイミングで営業担当が把握できる仕組みが必要です。シャノンのMAでは、お問い合わせやWebアクセスなどがあると、営業やインサイドセールスなど担当者に自動でメールを配信することができるので、勤務時間内での即対応が実現できます。
その2:休眠の掘り起こしーWebアクセス優先フォロー
シャノンでは休眠の掘り起こしについて、「Webにアクセスがあった」見込み顧客を優先してフォローすることで架電の応答率・商談化率があがった実績があります。
<WEBアクセスを優先した場合の成果>
※比較対象は、FY24に実施した休眠掘り起こし施策平均の数値 ⇒ Webアクセスのあったかたを優先フォローをした場合の数値
その3:休眠の掘り起こしー架電予告メールの前にDM送付
シャノンでは、これまで休眠の掘り起こし時に、架電前にメールを送る架電予告メールを送信していたのですが、ここに+1アクションとしてメールを送る前に紙DMを送るDM施策を実施しました。
<紙DM郵送を追加した場合のフローと成果>
紙DMを先に送信すると、
・紙DMを送るリードは到着したタイミングでフォローしなければならないので、架電数がコントロールしやすい
・架電予告メールからの架電をする際に、紙DMをフックにできるので対話時の説明がしやすい
DM送付のアリナシの成果を比較すると、応答率を14.0%から20.0%、商談化率を3.6%から5.3%へUPしました。
ただ、紙DMはDM作って郵送するためのリストを用意して…と郵送ができるまでに手間が多いように感じる方もいるかもしれません。
シャノンでは自社のMAでDM郵送とメール配信ができる機能があるので、MAの中でターゲットリストを作るとそのまま流用でき、DM郵送用の資料データさえあれば、メールと同じ感覚で郵送することができます。DMやメールに関する詳しい機能を知りたいかたはこちらからご確認ください。
まとめ
今回はインサイドセールスの成果をあげる方法についてご紹介しました。
本記事のまとめは以下の通りです。
- インサイドセールスの役割は、企業の営業活動において、顧客との最初の接点となり、顧客のニーズを把握して商談に繋げること
- インサイドセールスは新規獲得リードと既存のハウスリストどちらにもアプローチして商談をつくる
- 新規獲得リードの内、資料請求やお問い合わせは、フォーム登録されてから電話をするまでの時間で成果が変わる
- 既存リードは、アプローチするリストの質で成果が変わる
- 質の高いリストをつくるには、ハウスリストで様々な情報を管理できることが必要
また、インサイドセールスについては以下の記事でもっと詳しい内容を紹介していますので、ぜひご参考ください。
【2024最新版】インサイドセールス完全ガイド|売上アップのポイントと導入から運用まで
反響型インサイドセールス「SDR」のメリットやBDRとの違い、導入のポイントを解説
その他に、休眠掘り起こしについてもっと知りたいかたは以下の記事もあわせてご一読ください。
休眠顧客の掘り起こしはなぜ必要?おすすめのアプローチ方法を紹介!
また、MAについてもっと詳しく知りたいかたは以下もご覧ください。
マーケティングオートメーション(MA)とは?導入すべき理由、機能紹介から成功事例まで徹底紹介!
マーケティングオートメーションツールを使ってできることとは?
マーケティングオートメーション(MA)について学べるおすすめの本を紹介
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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