すこし前になってしまいましたが、虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された「Inside Sales Conference 2019 winter」で講演をさせていただきました。
セッションタイトル:
「各部門との連携により生まれる、これからのインサイドセールスの在り方」
素晴らしいパネリストのみなさまのおかげで、みなさまのお役にたつセッションだったと感じております。わたしも非常に勉強になりました。
※ わたしはモデレーターをさせていただきました。
当日はsli.doで質問を受け付けていたのですが、時間の都合上お答えできなかったご質問をここで返答させていただきます。
わたしではなく、パネリストの人に質問されている場合もあると思います。また、当日セッションでご返答したものはここではご返答していませんがご了承ください。
全体の方針を意思決定する責任の所在について
「営業組織の目標数値・戦略・戦術を構築する役割を担うのは、IS?FS?マーケ?もしくはそれ以外?でしょうか。弊社は、分業しているが故に、全体の方針を意思決定する責任の所在が不明瞭になりがちです。」
お答えできなかった中で1番いいねが多かったのがこのご質問。「分業と責任の所在」という非常に難しい問題。みなさまのお悩みがひしひしと伝わってきます。
前提として「全体の方針を意思決定する責任」は、やはり経営陣(事業責任者)だと思っています。
そのため、インサイドセールス・フィールドセールス・マーケティングの役割分担を考えるときには、部門連携だけではなく経営陣との連携が必要ですよね。
サッカーチームで例えさせてください。
フィールドセールス(FW)はゴールを決める、インサイドセールス・マーケティング(MF)はパスをだす。MFはFWがゴールしやすいパス能力を磨き、FWは多少パスが悪くてもゴールを決めるシュート力を高める。
そして、チームの全体方針を意思決定するのは、やはり監督(経営陣)。
そんなイメージです。
リードのリサイクルについて
「The Model的にリサイクルする際は、同じリードを何回リサイクルされますか?」
インサイドセールスがいると、既存のリードに継続的なアプローチをするリサイクル活動ができます。できるがゆえに新しい悩みも出てきますよね。
ご質問は同じリードに何回リサイクルをするのか?ということですが、同じリードに同じ提案・オファーをすることは現実的に困難です。
シャノンでは同じリードにリサイクル活動を実施するために、タイミングとオファー内容のかけ合わせで考えています。
- 他社を採用されたロストリードは8ヶ月後に再度インサイドセールスから状況伺いの電話をする。そして、場合によっては再商談のオファー
- セミナー参加をしてくれたリードが自然検索でWebアクセスをしてくれたら、インサイドが実施するWebミーティングを依頼
- 新規事例コンテンツと同業種のリードに事例紹介DMを送付してから詳細を電話で説明
という感じです。ご参考ください。
趣旨とずれてしまうのですが、「リサイクル」という言葉は使わないようにしています。
リード(=ひと)に対して使ってよい言葉だとどうしても思えないのです。
そのため、シャノンでは「継続フォロー」と読んでいるのですが、他にいい言葉はありませんでしょうか?もし、良いアイデアがあれば教えていただきたいです。
案件化基準について
現役ISです。インサイドセールスでクロージングはせずに、FAに商談を送る際にどの部分をみて商談化しているのでしょうか?弊社はオンラインでもクロージングはせずに商談化してFAに渡しています。(BANTはやっていたのですがこれでは相手目線にならず今は廃止しております)FAにパスする際に商談化の基準を教えて欲しいです。
商談化の基準はインサイドセールスとして非常に悩ましいですよね。
まずは受注した案件を振り返ってみてはいかがでしょうか。
振り返りに使う項目は、なんだかんだと「BANT」が使いやすいです。
受注案件を振り返ってみると、
- 課題が顕在化している必要はあるけれど、決裁権者から商談をスタートしなくてよい
- 決裁権者にお会いできている場合は、タイミングと課題の顕在化は重要ではない
というように一定の法則が見つかると思います。
注意したいのは、ひとごとのばらつきです。タイミングが重要ではないと思ったら、それはスーパー営業マンだけだったというような場合があるかも知れません。
「BANTが相手目線にならずに廃止した」というところからインサイドセールスとしての矜持が感じられて、非常に感銘を受けました。本当に素晴らしいと思います。
ただ、基準とする項目は関係部署が絡んできます。そのため、商談をパスする部門と「なにを基準項目とするのか?」から話してみて、受注商談を振り返ってみてはいかがでしょうか?
長期間の関係性構築について
「リードを長期間温めて関係性を強めてからFSに渡す」とおっしゃってましたが、電話のみで長期間の関係性をつくるのを難しく感じています。関係性つくりのコツ、どのようなヒアリングをしていますか?
ご質問のとおり、電話のみで長期間の関係をつくるのは難しいですよね。
私たちもここはもがき苦しみながら、発想を少し変えて、「インサイドセールスで長期間の関係をつくるために、電話以外の接点づくり」にチャレンジしています。
- お電話したかたに、インサイドセールスの顔つきメールで継続的に情報発信をする
- メールがクリックされない場合は紙のDM(顔つき)を組み合わせる
- セミナーに誘導して、来場されたお客様と直接話す機会を設ける
- インサイドセールスみずからセミナーやウェビナーを開催して継続フォロー中の顧客を誘致する
という感じです。
「電話」というのはインサイドセールスにとって非常に重要な接点ですが、それだけで長期的な関係をつくるのは厳しいです。インサイドセールスというお仕事をより好きになっていただくためにも電話以外のアクションにチャレンジして、複数の接点を顧客と持つことをオススメいたします。
そして、顧客接点とデジタルとアナログにまたがって管理できるシャノンの利用をご検討ください 🙂
インサイドセールスのキャリアについて
インサイドセールスはまだ若い職種なため、新卒1.2.3年目が行うことが多いということでしたが、その後のキャリアはどの様になるでしょうか? インターンでインサイドセールス設計中
部署間の連携も多いインサイドセールスですが、今後のキャリアパスに関して展望等お伺いしたいです。
キャリア、本当に悩みますよね。 立ち上がって3年足らずのシャノンのインサイドセールスチームですが、
- インサイドセールスで継続してリーダーやスペシャリストへ
- 1対Nのコミュニケーションに魅力を感じてマーコムへ
- 1対1の魅力を感じてフィールドセールスへ
というキャリアパスをとってくれています。
キャリアパスの大前提は個人の希望です。そこを抜きにしてはなにも始まりません。
ただし、会社なのでインサイドセールスだけのキャリアパスを独立して考えることができないのも事実
です。
ここは、人事部門や経営陣を巻き込んでより良くする方向を現在も絶賛悩み中です。
みなさまの会社では、インサイドセールスのキャリアパスはどのようになっていますか?ぜひともご教示ください。
エース級人材について
エース級のインサイドセールス人材は、他のメンバーと何が違いますか?他部署との連携ができている人でしょうか、個人のISスキルが高い人でしょうか
「数字へのコミット力」です。
シャノンはもちろん、他企業のインサイドセールスのかたとお話させていただいていても、エース級のひとが1番違うのは数字へのコミット力だと強く感じております。
電話業務の時間配分について
電話とそれ以外のタスクの時間配分を伺いたいです。
現在進行系で悩んでいます。みなさまからも教えてほしいです。
私たちも悩みながらですが、1日4時間は集中して電話をする時間を確保するようにしています。
難しいのが、活動時間の見える化です。
シャノンのインサイドでは、時間配分がうまくいかないと悩んでいる場合は、カレンダーに「荷電集中」、「その他のタスク」をざっくりと登録して「活動時間の見える化」をして振り返っています。
見えないものは改善できないので、「今はどれくらい電話に時間がかかっているのか?」「その他のタスクに時間がかかっているのか?」を見える化してみてはいかがでしょうか。
インサイドセールスのKPI変更タイミングについて
シャノン村尾さんにお伺いしたいです。KPIをSQLからDR、受注率と移していったタイミングはどのように決めていったのでしょうか?
KPIを組織進化に沿って、SQLから受注率に移していくのはあるあるだと思いますが、どのようなタイミングで行ってきたかをお伺いしたいです!
KPIの変遷について2つもご質問いただきました。ありがとうございます。
移行したタイミングは、「そのときのKPIは達成していたが次のKPIに問題があった」というシンプルなタイミングです。
いま振り返ってですが、目の前のKPIが達成していないのに変更は言い出しにくいし、後工程に問題があることがわかりながら目の前のKPIを変更しないのもおかしいので上記のタイミングで良かったと思っています。
BDR開始のタイミング
BDRをし始めたきっかけ、タイミングを教えてください。
新たにインサイドセールスに取り組まれる場合は、SDRからスタートする場合が多いですよね。実際シャノンもそうでした。
私たちがBDRをし始めたのは、「ひと」と「目標」がトリガーでした。
- SDRで成果が出てきたのでインサイドセールスの「ひと」が増えた
- 次の達成すべき「目標」はSDRだけでは達成できそうにない
ご参考ください。
インサイドセールスのJOB設計、スクリプト設計について
JOB設計、スクリプト設計に他部門の意向を反映させる場合は、どのように連携し、どのタイミングや時期、頻度で設計しますか?
セッション中も強く感じたのですが、インサイドセールスという職種自体がまだ歴史が浅いため「前例が無いJOB設計」のように難しい悩みが発生しますよね。
シャノンでは、JOB設計、スクリプト設計については、他部門にヒアリングはすることはあっても、その意向をストレート反映することはありません。
スクリプト設計については、シャノンでは詳細なスクリプトは作成していません。作っているのはSPINシナリオです。これは、施策ごとに担当するメンバーが作成して振り返り・見直しをするタイミングもその担当メンバーが実施してくれています。
JOB設計については、経営陣を巻き込みながら設計するようにしています。(というか助けてもらっています。)
ここで、JOB設計について、わたしの失敗談を一つご紹介させてください。
インサイドセールスの立ち上げ当初、日々変わる課題に対してJOB設計を頻繁に見直していました。これにより「課題解決が素早く進んでいる」と感じていたのですが、非常に深刻な問題が発生しました。
一緒にインサイドセールスに取り組んでくれていたメンバーが混乱してしまったのです。「インサイドセールスの仕事とは一体なんなのかと……」
行き先が分からない車が急旋回を繰り返すと酔ってしまいますよね。わたしはそれをやってしまいました。
失敗事例としてご参考いただければ幸いです。
シャノンはインサイドセールスの仲間を募集しています
偉そうに色々と書いてしまっているところもあるかと思いますが、私たちももがき苦しみながらインサイドセールスに取り組んでいます。
インサイドセールスは、職種の歴史も浅く各社いろいろな試行錯誤を繰り返されていると思います。もし、みなさまの試行錯誤を教えていただければ非常に嬉しいです。
また、シャノンでは一緒にインサイドセールスに取り組んでくれる仲間を募集しています。もし、ご興味を持っていただければTwitterなどでお気軽に話しかけてください。
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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また、シャノンコンテンツアシスタントでは、主にセミナー集客メールのタイトルと内容、記事集客メールのタイトルと内容、記事本文の生成が可能です。
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