「STP分析」「SWOT分析」「4P」…
これらはマーケティングフレームワーク、あるいは分析手法と呼ばれ、市場の分析や戦略立案などに活用されています。
今回は、マーケティング活動の段階ごとに必ず知っておきたい9つのフレームワークをまず紹介し、その他にもある、知っておきたい手法や考え方についても解説します。
マーケティングフレームワークとは?全体像を理解
消費者のニーズや市場が多様化するにつれ、マーケティング分析の手法も増えてきました。
マーケティングフレームワークとは
マーケティングフレームワークとは、市場の理解、事業戦略立案、商品開発、販売計画立案などの際に役立つ考え方の枠組みのことです。マーケティング分析手法といわれることもあります。
よく活用される代表的なフレームワークとして、以下が挙げられます。
- 3C分析
- 5フォース分析
- バリューチェーン分析
- PEST分析
- VRIO分析
- SWOT分析
- STP分析
- 4P/4C分析
- 7P分析
常にこれらすべてを使うわけではなく、必要に応じていくつかを組み合わせて活用します。
フレームワークそれぞれについては、このあと解説していきます。
フレームワーク活用のメリットと注意点
フレームワークを活用するメリットと注意点は以下の通りです。
フレームワークを活用するメリット
フレームワークを活用するメリットとして、以下3つが挙げられます。
1) 短時間で効率よく分析できる
市場や競合相手について効率よく分析を進められます。
2) 共通理解に役立つ
フレームワークを使った分析とそれに基づく戦略立案は、客観的で誰にとってもわかりやすく、チームの共通理解に役立ちます。
3)分析力を強化できる
マーケティングや販売の担当者は、フレームワークをさまざまなシーンで活用することにより市場や事業を分析する評価軸を持てるようになり、分析・評価のスキルが向上します。
フレームワークフレームワーク活用の注意点
マーケティングでフレームワークを活用するときの注意点は3つあります。
1) 適切なものを選んで組み合わせる
競争が激しい市場とそうでない市場、BtoBかBtoCかなどで適したフレームワークの組み合わせが違ってきます。
2) フレームワークにたよりすぎない
フレームワークにあてはまらない状況や事象もあることを前提として、フレームワークだけですべてを説明しようとしないことが大切です。
3)正確な情報、データを使う
分析の精度はデータの質に左右されます。最新で正確で十分な量の情報、データを基に分析をすることが重要です。
事業活動の段階と活用されるフレームワーク
以下は、事業のステップと上記のフレームワークについてまとめた図です。
さらに、各フレームワークの目的と活用方法をまとめたものが以下です。
事業の段階 | 目的 | 分析手法 | 活用方法 |
事業環境の分析 | 事業環境を理解する | 3C分析 | 市場環境を客観的に理解し、課題やチャンスを見つける |
5フォース分析 | 事業の脅威を知り、収益性や将来予測、事業戦略に役立てる | ||
バリューチェーン分析 | 製造・販売過程を分析して、コスト削減や効率化の対策を立てる | ||
外部環境を知る | PEST分析 | 外部環境の変化を分析し、リスクとチャンスを知り戦略的に対応する | |
内部環境を知る | VRIO分析 | 自社の経営資源の競争優位性を理解し、今後の戦略と投資計画に役立てる | |
外部・内部環境を比較 | SWOT分析 | 自社の強みと弱みを知り、差別化戦略や新事業計画立案に活用する | |
事業戦略の決定 | 事業の基本戦略を決定する | STP分析 | 市場分析と顧客ターゲットの絞り込みを行い、販売の基本戦略を立てる |
販売戦略の決定 | 販売戦略を具体化する | 4P/4C分析 | 商品やサービスの販売とマーケティングの戦略を決定する |
7P分析 | 4Pよりさらに詳細な販売・マーケティングの戦略を立案する |
9つのマーケティングフレームワークを解説
代表的な9つのフレームワークについて解説します。
事業を客観的に評価する「3C分析」
3C分析は、事業戦略を作成するときに用いられます。「3C」とはCustomer、Competitor、Companyの3つです。
- 顧客(Customer)…顧客が求めているもの、マーケットの規模や成長性など
- 競合(Competitor)…競合他社の強さ、参入の容易さなど
- 自社(Company)…自社の資金・生産能力・人材・ブランド力などのリソース
事業を評価するにあたり、3つのCそれぞれの環境要因を分析します。
一番目のC=Customerには「顧客」のほか「市場」の意味もあり、顧客はどこにどれくらいいるのか、参入可能な市場があるかなどを分析します。3C分析の目的は、KFS(Key Factor for Success)を見つけることです。
KFSは重要成功要因と訳され、他より優位が認められる要素のことです。
3Cを分析することにより、競合より優位に事業を展開するためのKFSを明らかにします。3C分析については、以下の記事でくわしく解説しています。
3C分析とは?マーケティングにおける顧客・競合・自社の分析方法
事業の外部環境を知る「PEST分析」
PEST分析では、外部環境をPolitics、Economy、Society、Technologyの分野別に評価します。
外部環境とは、市場や社会情勢など、自社でコントロールできない要素のことです。
- 政治(Politics)…消費税率、規制の強化・緩和など
- 経済(Economy)…景気動向、市場の成長、金利など
- 社会(Society)…少子高齢化、ライフスタイルの変化、流行など
- 技術(Technology)…最新の技術動向など
これらをそれぞれ分析し将来予測を立てて、環境の変化に戦略的に対応します。近年はこれに環境(Ecology)を追加して「PESTE」分析とすることもあります。
企業の内部環境を評価する「VRIO分析」
VRIO分析では内部環境を分野別に評価します。
内部環境とは企業や事業部でコントロールできる要素のことです。以下4つの観点で評価します。
- 価値(Value)…企業自身の資金・技術・人材から創出される価値
- 稀少性(Rarity)…技術の稀少性、競合の少なさ
- 模倣可能性(Imitability)…競合他社による模倣のしやすさ
- 組織(Organization)…組織運営の健全性、柔軟性
これら4つは企業にとって重要な経営資源です。
4つの視点から、自社の経営資源にどんな優位性がどの程度あるかを分析します。
模倣されにくい資源があればそれを強化して優位性を保つ戦略を立案します。
内部環境と外部環境を比較検討する「SWOT分析」
SWOT分析では内部環境、外部環境を対比させながら分析します。
《内部環境》
- 強み(Strength)
- 弱み(Weakness)
《外部環境》
- 機会(Opportunity)
- 脅威(Threat)
内部的には強みを活かしつつ弱みの部分を補強し、外部的には機会の魅力と警戒すべき脅威を明らかにして、有効な対策を立てます。
SWOT分析は、競争環境の中で自社の強みを活かす差別化戦略、新事業計画などの立案に役立ちます。
事業の脅威を知る「5フォース分析」
5フォース分析はマイケル・ポーターが提唱した手法です。事業をおびやかす存在の有無、今後脅威が現れる可能性を分析します。
- 競合他社…現在の競合他社との競争の激しさ
- 買い手の交渉力…BtoCなら消費者、BtoBなら顧客企業との力関係
- 売り手の交渉力…原材料を供給する企業との力関係
- 代替品の脅威…他の品やサービスに代替えされる可能性
- 新規参入の脅威…今後競合企業が参入する可能性
5つの分野の脅威を明らかにして、自社の資源をどのように配分して事業を成長させていくかの戦略を立てます。事業の参入、撤退などの判断をするときにも活用されます。
他社と比較して強み・弱みを明らかにする「バリューチェーン分析」
バリューチェーン分析もポーターが示した分析手法です。
バリューチェーンとは価値を生み出す企業のしくみのこと。自社の何が価値を生み出しているのかを知るために企業活動を主活動と支援活動の2つに分け、さらにそれを細分化します。
《主活動》
購買物流・製造・出荷物流・マーケティング/販売・サービス
《支援活動》
人事/労務管理・技術開発・調達活動・全般管理
細分化したそれぞれの機能を他社と比較して、自社の価値は何によってもたらされているか、自社の強み・弱みはどこにあるのかが明らかになります。
バリューチェーン分析は、各プロセスのコスト見直しと競争力の強化、顧客満足度の向上の戦略立案に役立ちます。
ターゲットを設定する「STP分析」
STP分析はフィリップ・コトラーがとなえたマーケティング手法で、商品やサービスを販売する事業の戦略立案に幅広く活用されています。
どんな顧客へ向けて商品やサービスを提供するのかを絞り込むときに用います。
- セグメンテーション(Segmentation)…顧客を分類する
セグメンテーションでは、年齢・性別・地域・職業・趣味や価値観などで顧客を分類し、それぞれのグループで自社商品がフィットするかどうかを検討します。 - ターゲティング(Targeting)…ターゲットを設定する
分類した顧客グループのなかで、アプローチしたいグループを決定します。 - ポジショニング(Positioning)…ターゲットに対する立ち位置を明確化する
競合他社と比較しながら立ち位置を明確にし、ターゲットに対してどんな商品・サービスを提供するか、差別化をはかります。
STP分析は、自社の商品・サービスのターゲット設定という観点から市場を深く分析して、事業のリスクを下げ、ねらいを明確にした戦略立案をするために役立つ重要なフレームワークです。
マーケティング戦略を具体化する「4P/4C分析」
商品やサービスを販売するために必要な戦略を分野ごとに決定する方法を「マーケティング・ミックス」といい、その代表例が「4P」「4C」です。4Pは以下です。
- 製品(Product)…機能、デザイン、品質など
- 価格(Price)…事業目的に合う最適価格
- 流通(Place)…店舗か無店舗か、納期、品揃えなど
- プロモーション(Promotion)…広告宣伝
4Cとは、「4P」が売り手の視点であるのに対して、顧客側の視点に立った指標です。
- 顧客価値(Customer Value)
- コスト(CostまたはCustomer Cost)
- 購入しやすさ(Convenience)
- コミュニケーション(Communication)
4Pまたは4C、それぞれの視点から分析して、適切な販売戦略を立てていきます。
「4P」「4C」については、以下の記事でくわしく紹介しているので参照してください。
マーケティングの4P・4Cとは?MAの前段階にある原則をあらためてチェック
サービスを対象として4Pを拡大した「7P分析」
モノ消費から、コト消費へ。市場に占めるサービスの割合が増えた現代の分析方法として、コトラーが4Pに3つのPを追加したのが「7P」です。
7Pには4Pに以下の3つが加わります。
- 人員(Personal)…サービスを提供するスタッフ
- プロセス(Process)…サービスを提供する過程
- 物的証拠(Physical Evidence )…サービスを提供する空間、証明など
美容室を例にとると、サービスそのものだけでなく接客も大切です。サービスを提供するプロセスでは予約受付、当日の案内、アフターフォローなどが問われます。物的証拠としてはサービスの安心感を高める店舗の内外装、スタッフのライセンス表示などが重視されます。
その他の知っておきたいマーケティングフレームワーク
マーケティングのフレームワークはこの他にもたくさんあります。ここまで紹介してきた9つのフレームワーク以外で知っておきたいフレームワークをいくつか紹介します。
市場分析のフレームワーク 「アンゾフの成長マトリクス」「PPM分析」
市場分析は、最初に説明した段階分けのなかでは「事業環境の分析」に属し、外部環境を知るために行います。
さきほど紹介した事業環境を分析するフレームワークのうち、VRIO分析をのぞく以下5つの手法も市場分析のためのフレームワークです。
- 3C分析
- 5フォース分析
- バリューチェーン分析
- PEST分析
- SWOT分析
このほかに、以下のような市場分析のフレームワークがあります。
アンゾフの成長マトリクス
アンゾフの成長マトリクスは、事業の成長戦略の方向性について分析する手法です。市場と製品を既存、新規に分けてそれぞれを分析し、既存事業の成長戦略や新規事業開発について立案します。
PPM分析
PPMはプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの略で、経営資源の配分の最適化をはかるための分析手法です。
PPM分析では以下の4象限を設定し、自社の事業を位置付けて評価します。
- 花形(Star)
成長市場において高いシェアがとれている事業です。収益性が高いものの競争が激しく、好業績を維持するために継続投資が必要です。 - 金のなる木(Cash Cow)
成長率の低い市場でシェアが高い事業です。売上増は見込めないものの追加投資が不要で、今後も安定収益が期待できます。 - 問題児(Problem Child)
成長市場で競争も激しく、シェアを伸ばせていない事業です。今後シェアを高めるためには投資が必要です。 - 負け犬(Dog)
低成長市場でシェアも少ない事業です。この状態が続くなら事業を清算すべきと判断できます。
企業が限られた資金をどの事業に配分すべきかを検討するとき、PPM分析が有効です。
市場分析のフレームワークについては、以下の記事でくわしく解説しています。
市場分析の手法にはどんなものがある?種類や活用法を知っておこう
顧客分析で使う6つのフレームワーク
顧客について分析するためのフレームワークにもさまざまな種類があります。
自社の顧客を対象とするため内部環境分析に位置付けられます。顧客分析のフレームワークとして、以下が挙げられます。
RFM分析
以下3つの指標を用いて顧客を分類します。
- R(Recency) 購入時期
- F(Frequency) 購入頻度
- M(Monetary) 購入金額
分析結果を、顧客グループごとに最適なマーケティング施策を立案するために活用します。
デシル分析
顧客を購入金額の高い順に10等分して、売上貢献度の高いグループを可視化し、売上を伸ばすための施策立案に役立てます。
CTB分析
商品にフォーカスした分析手法です。以下3つの指標で顧客を分類します。
- Category(カテゴリ)
- Taste(テイスト)
- Brand(ブランド)
一定の消費性向をもつ顧客グループを見つけ出したり、今後売れる商品の推測に役立てたりします。
コホート分析
一定の属性、行動を共有する顧客グループ(コホート)を一定期間追跡する分析手法です。顧客行動について深く理解することができます。
行動トレンド分析
一日のうちの時間帯、曜日、季節などで特徴的な行動の傾向を分析する方法です。
たとえば、「コンビニで缶ビールを購入するのは一日のうちで夕方以降」「成人式の衣装レンタルと撮影は、18歳になる前から検討を開始する」などの例があります。
LTV分析
LTV分析では、顧客のLTVを分析した結果を「購買頻度を挙げる」「顧客ニーズに応える高額で質の高い商品を提供する」などの販売戦略立案に役立てます。
顧客分析のフレームワークについてくわしくは、以下の記事で解説しています。
顧客分析とは?7つの手法や進め方、成功事例を紹介
マーケティングでよく使われる行動モデル・考え方・理論
マーケティングでよく活用される行動モデル、考え方について、主なものを紹介します。
消費者の行動モデル「AIDMA」「AISAS」「AISARE」「ULSSAS」
「AIDMA」は、1920年代のアメリカで生まれた法則です。消費者がまず商品を知ってから購入するまでの行動をAttention(認知)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の5段階で示しました。ネットの時代になり「AISAS」ができました。
AIDMAとAISASでは行動パターンが違いますが、スピードも違います。AISASでは購入行動のスピードが速く、ネット上であればA→I→S→A→Sまでが数分で完結することもあるでしょう。
企業が目指す消費行動のモデルはさらに「AISARE」へと進化しています。
顧客がリピート購入を経て、SNSで自社商品を広めてくれるエヴァンジェリスト(伝道者)になってくれることが、現代マーケティングの目標となっています。
さらに、SNSと強く結びついた現代の消費行動を示すのが以下の「ULSSAS」です。
ULSSASについてはUGCについて解説した以下の記事でくわしく紹介しています。
UGCとは?UGCを活用するマーケティングの重要性と手法、企業事例を解説
市場が成熟して「ニーズ」から「ウォンツ」「インサイト」へ
ニーズ(NEEDS)とウォンツ(WANTS)は似た言葉ですが、マーケティング用語としては違う意味をもっています。
- 「ニーズ」…何かが不足している、不満を感じている状態
- 「ウォンツ」…不足を解消するために「××が欲しい」という欲求が明確な状態
つまり、「空腹である」がニーズ、「ランチが食べたい」がウォンツです。「ランチに新しくできた店のカレーが食べたい」というのはより明確なウォンツとなります。
現代はモノやサービスがあふれ、すでに消費者のニーズは満たされている場合が多く、マーケティングでは「ウォンツ」に訴える商品やサービスを提供することが求められています。
さらに、消費者自身が気づいていない欲求を「インサイト」といいます。
「ランチタイム利用できる、オフィス近くのスポーツジム」を考えてみます。昼15分ほどのワークアウトができ、運動することで午後の仕事にリフレッシュ効果もあり定期利用するようになった場合、それは顧客のインサイトを掘り起こし、ウォンツを顕在化させることができた例といえます。
インサイトについては以下の記事でくわしく解説しています。
インサイトとは?顧客となる消費者を知りマーケティングに活かす
どちらも一長一短の「ブルーオーシャン」「レッドオーシャン」
マーケット全体を海に例え、以下のように呼んでいます。
- 「ブルーオーシャン」…静かな海のように競争がない未開拓のマーケット
- 「レッドオーシャン」…需要はあるが競争が激しい既存のマーケット
競争相手が少ないブルーオーシャンへ進めば競合他社はいませんが、いいことばかりではありません。
まだ市場にない独創的な商品やサービスで事業をスタートさせたとき、需要があるかどうかは不明です。また、いったんブルーオーシャンで一つのビジネスが成功したときは、すぐ競合他社が参入してくるため、あっという間にレッドオーシャン化してしまうこともあります。
一方、レッドオーシャンへ参入する戦略もあります。
そのメリットは「需要がある」ことです。競合他社と差別化できる商品力があれば参入も可能です。
ビジネスが成長するカギ「キャズム」と「イノベーター理論」
「イノベーター理論」は、新しい商品・サービスが市場に投入され、少しずつ市場に浸透していく過程を分析したロジャースの理論で、1960年代に発表されました。図の縦軸の「採用者数」は英語でアダプター、購入を決める人のことを意味します。
- イノベーター(2.5%)
新しいもの好きで真っ先に新商品を購入しようとするコアユーザーです。 - アーリーアダプター(13.5%)
流行に敏感で、イノベーターからの情報などですぐに購入を決めます。 - アーリー・マジョリティ(34%)
早期に購入を決めるユーザー層です。 - レイト・マジョリティ(34%)
周りの動向や反応を確かめてから購入を決めるユーザー層です。 - ラガード(16%)
新しいものを受け入れることに懐疑的で、最後まで購入を決めない層です。
イノベーターとアーリーアダプターを合わせた16%を「初期市場」と呼びます。初期市場までは浸透しても、その先のアーリー・マジョリティの購入が進まず、メインストリーム市場へ普及すること難しいことが知られ、そこににある深い溝=「キャズム」を超えることが重要とされています。
BtoBマーケティングにも有効な「ペルソナ」
ペルソナとは、典型的な顧客の人物像のことです。BtoCマーケティングに不可欠な手法とされていますが、BtoBでもペルソナ設定が有効です。ペルソナの作成方法や具体例、活用方法などについて、以下の記事でくわしく紹介しています。
BtoBマーケティングにおけるペルソナの作成と活用法。シャノンが実践する一工夫もご紹介!
情報を可視化して整理する「ロジックツリー」
ロジックツリーとは、大きなテーマ(トップレイヤー)を起点として、その下層レイヤーに要素を整理していく方法です。
課題を掘り下げたり、意思決定の選択肢を整理したりするときに有効です。
複雑な事象についても整理して可視化でき、チームの共通理解に役立ちます。
モレなく、ダブリなくするための「MECE(ミーシー)」
MECEとは、Mutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの頭文字から成る言葉です。
「モレなく、ダブリなく」物事を正確に把握するための考え方で、上で説明したロジックツリーを作成するときの原則のひとつにもなっています。
たとえば顧客を年代で分けるとき、「10代以下」「20代」「30代」「40代」「50代以上」とすればモレがなく、重複もありません。一方、顧客リストを「過去に取引があった顧客」「現在の顧客」「一度も取引がない見込み客」と分けると、「過去に取引があったが中断し、最近取引が復活した顧客」がどのグループに入るか不明です。
この場合、1番目のグループを「過去に取引があったが現在は取引がない」とするのがMECEに適合する分類となります。
見込み客の行動の理解をたすける「カスタマージャーニー」
カスタマージャーニーとは、ある商品やサービスを知った人が、ウェブへアクセスしたり、比較検討したりといった行動を重ねて、次第に購入意欲を高めて購入へといたるまでの過程のことです。
以下はBtoBにおけるカスタマージャーニーのイメージです。
デジタルとアナログ、それぞれの領域で行動しながら見込み客が商談や購入へと近づいていくことを理解するのに役立ちます。カスタマージャーニーについては、以下の記事でくわしく解説しています。
カスタマージャーニーとは?わかりやすく概念や作り方を解説。シャノンが提案する「購買ピラミッド」も紹介!
BtoBマーケティングの実践に役立つ「購買ピラミッド」
「購買ピラミッド」はシャノンのマーケティングチームが活用している考え方です。
見込み客の行動を数値化して「認知」「興味」「関心」「比較・検討」の段階別に分類し、必要なマーケティング施策を実施していくのに役立ちます。購買ピラミッドについては、以下の記事でくわしく紹介しています。
自社のマーケティングの全体像をつかむフレームワーク「購買ピラミッド」とは
まとめ
本稿のポイントは以下の4点です。
1. 市場を理解したり事業戦略を立てたりするときに役立つツールがマーケティングフレームワークです。いくつかのフレームワークを組み合わせて活用します。
2.マーケティングに欠かせない分析手法は次の9つです。
・3C分析
・PEST分析
・VRIO分析
・SWOT分析
・5フォース分析
・バリューチェーン分析
・STP分析
・4P/4C分析
・7P分析
3. その他のマーケティングフレームワークとして、以下があります。
《市場分析》
・アンゾフの成長マトリクス
・PPM分析
《顧客分析》
・RFM分析
・デシル分析
・CTB分析
・コホート分析
・行動トレンド分析
・LTV分析
4.マーケティングで覚えておきたいその他のツール・考え方として以下があります。
・「AIDMA」「AISAS」「AISARE」「ULSSAS」
・「ニーズ」「ウォンツ」「インサイト」
・「ブルーオーシャン」「レッドオーシャン」
・「キャズム」と「イノベーター理論」
・ペルソナ
・ロジックツリー
・MECE
・カスタマージャーニー
・購買ピラミッド
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