インバウンドマーケティングとは

インバウンドマーケティングとは、顧客から商品やサービスを見つけてもらうマーケティングのことです。一方、企業から消費者に対して商品やサービス情報を売り込む方法はアウトバウンドマーケティングといいます。

現代は、アウトバウンドマーケティングからインバウンドマーケティングへのシフトが進んでいます。
本記事では、インバウンドマーケティングの定義と重要性、アウトバウンドマーケティングとのちがい、インバウンドマーケティングの手順と施策、企業の事例などについて解説していきます。

リードが長らく商談化しない

目次

インバウンドマーケティングとは何か、メリットとデメリットは?

インバウンドマーケティングとは何か、なぜ重視されるのか、メリットとデメリットについて解説していきます。

インバウンドマーケティングとは、「見つけてもらう」アプローチ

インバウンドマーケティングとは、商品やサービスを積極的に売り込むのではなく、顧客の自発的な購買行動を促すマーケティング手法のことです。
つまりインバウンドマーケティングは、「見つけてもらう」アプローチです。

っ顧客の購買行動の変化

インバウンドマーケティングでは、主にネットを使ったコミュニケーション手段を使います。
スマートフォンなどの個人情報端末が浸透し、商品・サービスの情報を顧客自ら入手できるようになった現代の消費スタイルに、SNSや動画サイトでタッチポイントを創出するインバウンドマーケティングが有効です。

見つけてもらうことができて購買が成立したあと、企業は顧客と継続的にコミュニケーションを取り続けます。リピートを促進したり、商品のファン化を図ったりすることもインバウンドマーケティングの一環です。

インバウンドマーケティングの主な施策として、以下があります。

  • コンテンツマーケティング
  • SNS
  • SEO
  • セミナー/ウェビナー
  • メールマーケティング
  • ホワイトペーパー
  • 動画
  • 顧客フォロー

個々の施策については、このあと解説します。

インバウンドマーケティングが重視される背景

近年、アウトバウンドマーケティングよりもインバウンドマーケティングが重視されるようになってきています。
その背景として以下のような傾向が指摘されています。

顧客の購買行動の変化
BtoBの事例で顧客の行動の変化を確認しましょう。
昔は営業担当者から商品やサービスの情報を入手していました。しかし現代は、顧客が自分で調べることができます。ネットで調査し、メリットやデメリットまで比較したうえで「第一候補のA社をメインに、第二候補のB社も検討」などと方針を絞り込んでから、はじめてA社の営業担当者に会うこともあります。

つまり、企業から顧客の側に主導権が移ってきているのが現代です。
自分で調べている段階の見込み客に対して、見つけてもらえるようにアプローチするインバウンドマーケティングが欠かせなくなっています。

広告の効果が低下
テレビや雑誌のようなマスメディアに掲載する広告のほかWeb広告も含めて、企業が直接商品やサービスを宣伝する広告の効果がかつてより低下傾向にあります。現代の消費者は、広告よりも商品レビューやSNS投稿を信頼して購買を決めるようになっています。

LTV重視の傾向
「自分で見つけて、気に入って購入」した商品が気に入れば、さらにリピートする可能性が高いです。インバウンドマーケティングではターゲットユーザーを見込み客として集客し、顧客となった後も長く関係性を保ち、顧客のファン化を目指します。顧客が企業と取引をする期間における総利益である「LTV」を重視する観点からも、インバウンドマーケティングが重視されます。
参考:LTVとは?BtoBマーケティングにおけるLTVの重要性、施策、成功事例を解説!

インバウンドマーケティングのメリットとデメリット

インバウンドマーケティングのメリットとして、以下があります。

インバウンドマーケティングのメリット

低コストで実施できる
インバウンドマーケティングはオンラインで実施する施策が多く、広告等と比べると全体としてコストが低くおさえられ、高い費用対効果があります。

ブランド力向上が見込める
商品やサービスについて企業側から知らせるのではなく、顧客が自ら調べたり検討したりした上で商品やサービス名を認知するので、ブランド力向上につながります。

効果が持続する
インバウンドマーケティングの施策で作成した記事や動画などのコンテンツのうち、価値を認知されたものは長く多くの人に見られ、集客や売上への効果も持続します。

一方、インバウンドマーケティングのデメリットもあります。

インバウンドマーケティングのデメリット

効果が出るまでに時間がかかる
インバウンドマーケティングは「顧客に見つけてもらう」までに時間がかかります。即効性の点では広告などのアウトバウンドマーケティングの手法のほうが優れています。

運用のスキルが必要
インバウンドマーケティングの施策は、アウトバウンドに比べて専門知識やスキルが必要です。特に、SEOやコンテンツマーケティング、データ分析、顧客との継続的なコミュニケーション管理が重要です。これらの施策は、単なる一過性の施策ではないため、効果的な運用には長期的な戦略と実行力が求められます。

BtoBでインバウンドマーケティングを活用するべき理由

BtoBビジネスは以下のような理由から、インバウンドマーケティングを積極活用するべきといえます。

ターゲットとなる顧客の絞り込みができる
ターゲットは法人、しかも特定の業種に限定されることもあるBtoB企業では、予算をかけてTVや新聞に公告を出稿する手法をとることがBtoCほど一般的ではありません。マスメディアへの広告宣伝の代わりにネットを活用して絞り込んだターゲットに情報を届けられるインバウンドマーケティングが有効です。

購入決定までに時間を要する
企業がある程度高額な商品・サービスを購入する場合、決定までの期間は1か月~1年程度とBtoCに比べて長く、この期間に継続的にコミュニケーションをとるインバウンドマーケティングが可能です。

したがって、BtoBビジネスではインバウンドマーケティングを大いに活用すべきといえます。

一方、BtoCビジネスにおいてもインバウンドマーケティングは欠かせないものとなりつつあります。
潜在顧客層が求めている情報を届けるブログやSNSによる発信、顧客体験を伝える動画の配信などで「自社商品のファン」を増やしていく施策が有効です。
また、BtoCのなかでも高額商品である住宅や保険などの分野では購入決定までの検討期間が長いので、インバウンドマーケティングが重視されています。

アウトバウンドマーケティング、コンテンツマーケティングとのちがい

インバウントマーケティングとアウトバウンドマーケティング、コンテンツマーケティングのちがいを解説します。

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの違い

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングのちがい

インバウンドマーケティングの対義語であるアウトバウンドマーケティングを理解することで、インバウンドマーケティングを理解しやすくなります。

アウトバウンドマーケティングとは、商品やサービスの情報を売り込む従来型のマーケティング手法全般のことです。テレビや雑誌などの広告、Web広告、DMなどが典型例です。

以下で、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングのちがいをまとめます。

インバウンドマーケティング アウトバウンドマーケテイング
特徴
  • 見つけてもらうことが目的
  • 双方向でパーソナルなコミュニケーション
  • ピンポイントのターゲット向け
  • 主にオンライン
  • 商品・サービスを知らせることが目的
  • 一方通行・不特定多数への告知
  • 幅広いターゲット向け
  • オフラインが多い
類似の概念
  • 1to1マーケティング
  • プル型
  • 顧客主導
  • マスマーケティング
  • プッシュ型
  • 企業主導
主な手法
  • コンテンツマーケティング
  • SNS
  • SEO
  • セミナー/ウェビナー
  • メールマーケティング
  • ホワイトペーパー
  • 動画配信
  • マスメディア広告(新聞・TVなど)
  • Web広告
  • テレマーケティング
  • 展示会
  • 記者発表会
メリット
  • コストが低い
  • ターゲットを絞り込んで施策ができる
  • 見込み客や顧客が推奨者になってくれる可能性が高い
  • 早く情報を届けて成果を出せる
  • 認知を上げる効果が高い
デメリット
  • 成果が出るまで時間がかかる
  • アウトバウンドに出遅れる可能性がある
  • コストが高い
  • 潜在顧客を見つけることは難しい

以下の図は、BtoB企業の側からみたインバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの位置づけです。

BtoB企業の側からみたインバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの位置づけ

自社の課題に気づいている顧客はニーズが高く商談化する可能性が高いです。
インバウンドマーケティングにより、このような顧客グループに自社の商品・サービスをブランドとして認知してもらい、CEP想起を促すことが有効です。
CEPとはCategory Entry Pointの略で、あるカテゴリのニーズが発生する瞬間のことです。
MAの例でいえば、「メールマーケティングを効率化したい→解決策としてMAを検討したい」と考えるとき、同時に「シャノン」を想起してもらうことが目標です。

一方、課題が顕在化していない企業であっても、マーケティング予算を使っている企業に対してはアウトバウンドマーケティング施策から始めます。

このように、アウトバウンドマーケティングがなくなるというわけではありません。
企業はそれぞれの商品・サービスに適したバランスでインバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングを組み合わせて成果を上げていきます。

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングのちがい

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングは似ていますが、違いは何でしょうか。
コンテンツマーケティングとは、顧客にとって価値のあるコンテンツを継続的に提供することです。これにより、中長期的に自社の商品やサービスのファンを増やし、購入などの成果を上げるマーケティングの手法です。

インバウンドマーケティングのほうが広い概念で、コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングのなかに含まれます 。

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングのちがい

コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングの重要な部分を占めていますが、インバウンドマーケティングにはコンテンツマーケティング以外の施策も含まれます。たとえば、コンテンツが顧客に見られる可能性を高める対策であるSEO、集客機会としてのイベントなどは、コンテンツマーケティングのカテゴリには入りま  せん。

インバウンドマーケティングの施策

インバウンドマーケティングの主な施策について解説します。

コンテンツマーケティング

見込み客や顧客にとって価値のあるコンテンツを発信するコンテンツマーケティングは、前述したような顧客行動の変化に対して有効です。コンテンツマーケティングは顕在顧客はもちろん、潜在顧客にもリーチできます。コンテンツの種類として、以下があります。

記事コンテンツ
オウンドメディアと呼ばれるブログに顧客の興味を引く記事、役立つ記事を掲載する方法は、コンテンツマーケティングの代表的な手法です。記事が蓄積されたオウンドメディアは企業固有の資産となり、長く活用できます。
参考:オウンドメディアの意味やメリットとは?作り方から成功事例まで徹底解説!

ホワイトペーパー
メールアドレスなどの情報を入力することで資料をダウンロードできる「ホワイトペーパー」は、顧客の側からのアクションを促す有効な施策です。ターゲットユーザーの購買意欲に合わせて、興味・関心層には「業務に役立つ資料」、検討層には「導入事例集」「製品資料」などを提供します。
参考:ホワイトペーパーとは?種類や作り方、ダウンロード数を上げるコツをシャノンの具体例とともに紹介

シャノンのホワイトペーパーを見てみる

動画
情報量が多い動画コンテンツは訴求力が高く、さまざまなマーケティング施策に展開できます。インパクトを与える60秒くらいまでのショート動画、数分の動画、30分程度のウェビナーの配信動画などがあります。自社Webサイト、Youtubeチャンネル、SNSなどに展開できます。
参考:動画マーケティングとは?メリットや会社で活用するための手法を紹介
ショート動画マーケティングとは?活用するメリットやポイント、具体例も紹介

SEO

SEOとは、自然検索されたときにオウンドメディアや自社のWebサイトが上位に表示されるよう対策することです。具体的な方法は主に2ステップで、まずGoogleの評価基準に沿ってWebページの品質を整備すること、次に顧客にとって価値があるコンテンツを多数掲載することです。

SEOの具体的な進め方は、以下の記事でくわしく解説しています。
参考:SEOをわかりやすく解説!検索順位を上げるためにまずとるべき対策は?

SNS施策

BtoBではXやFacebook、BtoCではこれらに加えてLINEやInstagramが活用されています。
SNSから行う施策として、以下があります。

企業アカウントの運用
SNSに企業アカウントを開設し、ユーザー向けに継続的に情報発信したり、フォロワーとコミュニケーションをとったりします。

SNSキャンペーン
「アカウントをフォロー」「ハッシュタグ#をつけて投稿」してくれたらプレゼント、といった参加型キャンペーンでフォロワーを増やすほか、インバウンドマーケティングに効果が高いUGC(User Generated Content)を生成させるという目的があります。

インフルエンサーマーケティング
多くのフォロワーを持つインフルエンサーに有料で自社の商品やサービス、ブランドのPRを依頼する方法です。

SNSマーケティングについてくわしくは以下の記事をご覧ください。
参考:SNSマーケティングとは?5つの施策ポイントや成功事例、BtoBで有効な事例も紹介

セミナー、ウェビナー

ターゲットユーザーに参加してみたいと思わせるセミナーやウェビナーを定期的に開催することは、購買意欲が高い、あるいは課題をもつ見込み客を集客できるので、インバウンドマーケティングの有効な施策です。
コストをかけずに開催できるウェビナーをベースとしながら、セミナーも開催することで、幅広く見込み客を集客することができます。
参考:セミナーの集客を成功させるには?シャノンの経験から必勝法をご紹介
ウェビナーとは?基本から集客、コンテンツ作成のコツまで解説

メールマーケティング

メールマーケティングは、コンテンツマーケティングの一環としてリードに情報を届けるだけでなく、各種のメール施策を活用してリードの興味・関心を引き上げるために重要です。

メルマガ
定期的に情報を届けて見込み客、顧客との関係性を保ちます。

ステップメール
見込み客の一つのアクションを起点として複数のメールを順番に配信します。たとえば、新規登録したリードに対しては、新規登録者向けに特化した情報を届けることができます。

セグメントメール
役職、業種、行動履歴、購買意欲のフェーズなどで絞り込んだターゲットに対して適した内容のメールを配信します。One to Oneマーケティングの手法として有効です。

シナリオメール
MAのシナリオ機能により、各種シナリオを設定してメールを送信できます。特定の行動に対して自動でメールを送信したり、メールのクリックがあれば次のメールを送信したりします。

参考:MAのシナリオ機能とは?シナリオを作成するメリット、手順、シャノンが実践しているシナリオ事例も多数紹介!
メールマーケティングとは?効果は?基礎知識から具体的な進め方・施策を解説

リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、獲得したリードに対して継続的なコミュニケーションをとり購買意欲を高めることで、BtoBマーケティングには欠かせない施策です。

以下のように、リードのフェーズを認知→興味・関心→比較・検討→商談へと引き上げるために、各種の施策を組み合わせて継続的に実施していきます 。

リードナーチャリング解説

さまざまな施策を効率よく実施・一元管理して成果を上げていくためにはMAが欠かせません。
参考:リードナーチャリングとは?成果を出す7つの手法や成功事例を紹介

顧客向けイベント

既存顧客のフォロー施策である顧客向けイベントは、インバウンドマーケティングの最終段階である顧客のロイヤリティを高めるステップの有効な施策です。

既存顧客にとって価値があるイベントで、顧客のファンかをはかることが目的です。具体的には、ユーザー会や勉強会などが挙げられます。

インバウンドマーケティングの4つのステップ

インバウンドマーケティングは、以下のような4つのステップで進めていきます。

図に示す「ATTRACT」「CONVERT」「CLOSE」「DELIGHT」のそれぞれについて述べていきます。

インバウンドマーケティングの4つのステップ

潜在顧客をひきつける「ATTRACT」

BtoBにおける潜在顧客とは、どんな人でしょうか。
それは、何らかの解決すべき課題がある企業です。その課題解決を自社の商品・サービスで提供できる場合はターゲットとなります。

ただし、対象企業が自身の課題を明確に認識していない場合もあります。したがって、インバウンドマーケティングは「課題を顕在化させる」ことから始まります。

潜在顧客向けのインバウンドマーケティング施策として、以下があります。

コンテンツマーケティング
商品やサービスのニーズが顕在化していない潜在顧客が検索すると思われるキーワードに対して適切な回答を提供するコンテンツを用意することがポイントです。そのためにオウンドメディアが有効です。

SEO
自然検索されたときに自社のWebサイトやオウンドメディア上位表示されるためのSEO施策も合わせて行います。

SNS
SNSプラットフォームでは親和性が高いユーザーのタイムラインに自社の投稿が表示されることが期待できます。新しい見込み客と出会うためにSNS施策が有効です。

潜在顧客についてくわしくは、以下の記事で解説しています。
参考:潜在顧客とは?顕在顧客、見込み顧客との違いやアプローチ方法、企業事例を解説

リードを獲得する「CONVERT」

興味をもってオウンドメディアやWebサイトを訪れてくれた人の名前・企業名・メールアドレスなどの情報を受け取り、リードを獲得する段階です。

ホワイトペーパー
顧客にとって価値がある情報を資料として提供して、リードを獲得します。リードにとって魅力のあるホワイトペーパーを複数用意することで、リードをより多く獲得できます。
ホワイトペーパーは効率のよい施策の一つですが、資料ダウンロードページまでどう導きリード化するかについては他の施策も組み合わせて全体で成果を上げていく必要があります。

セミナー/ウェビナー
業務上の課題や新しい技術の活用に関するセミナーやウェビナーは興味・関心フェーズのリードを獲得するために効果的です。比較・検討フェーズのリードに対しては、製品に関連するセミナー/ウェビナーを用意します。

CONVERTの段階は、マーケティングの「リードジェネレーション」にあたります。
参考:リードジェネレーションとは?MAで見込み顧客を獲得する具体的な手法と事例

リードを顧客にする「CLOSE」

リードの興味・関心を引き上げて顧客化する「CLOSE」のステップは、時間がかかり、多くの施策を必要とします。リードに対してはメールマガジンやその他の施策で継続的なコミュニケーションをとっていきます。興味・関心が高い「ホットリード」については、インサイドセールスや営業部門に引渡し、顧客化を目指します。

メールマーケティング
獲得したリードを対象として、定期的なメルマガのほか、ステップメールやセグメントメールなどのメール施策によりOne to Oneマーケティングを実施していきます。

インサイドセールス
興味・関心を引き上げたいリードに対しては、インサイドセールス部門が個別にメール・電話でコミュニケーションをとります。

商談
購買意欲が高い「ホットリード」についてはマーケティング部門から営業部門に引き渡し、営業担当者との商談に進みます。

CLOSEの段階はマーケティングの「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」や、「インサイドセールス」にあたります。これらについては以下の記事も参照してください。
参考:リードナーチャリングとは?成果を出す7つの手法や成功事例を紹介
リードクオリフィケーションとは?商談の成果を上げるための分析と4つのポイントをご紹介
【2024最新版】インサイドセールス完全ガイド|売上アップのポイントと導入から運用まで

顧客をファンにする「DELIGHT」

自社の商品・サービスを最も理解・評価してくれている「顧客」へのアフターフォローの段階で、よりよい顧客体験を提供するとともに、顧客の声をその後のマーケティングにも活かしていきます。目指すのは他の人に勧めてくれる「ロイヤルカスタマー」です。

カスタマーサクセス
顧客を個別にフォローしてファンを増やすのはカスタマーサクセスの仕事です。カスタマーサクセスの目的は、顧客満足度を上げ、ロイヤルカスタマーを増やすことです。
参考:カスタマーサクセスとは?業務内容や成功事例、LTVを最大化する手法をわかりやすく解説

顧客向けイベント
顧客同士が交流するユーザー会、商品やサービスの活用度を上げる勉強会などの顧客イベントは、自社のファンになってくれるロイヤルカスタマーを増やすために有効です。
参考:ロイヤルカスタマーとは?その定義と、MA連携でロイヤルカスタマーを増やす手法

BtoBのインバウンドマーケティングにMAが欠かせない3つの理由

ここまでインバウンドマーケティングの具体策をみてきました。さまざまな施策を効率よく運用していかなくてはならないインバウンドマーケティングには、専用デジタルツールであるMAが有効です。

多様なニーズを持つリードへ早い段階からコミュニケーションをとれる

インバウンドマーケティングでは「見込み客のアクションを待つ」ことが原則です。しかし実際には、待っているだけでは出会えない潜在顧客がいることも事実です。潜在顧客を含めた幅広い見込み客に対して適切なコミュニケーションをとれる点が、MAツールの最大のメリットのひとつといえます。

MAにより、リードを幅広く収集できます。
「興味・関心はあるが、まだ購入の意思を持っていないリード」
「購入の意思はほぼ固まったが、競合他社との選択を迷っているリード」
など、状況はさまざまです。

MAにより、興味関心層向け、比較検討層向けの施策を同時に運用・管理していくことができます。

MAで興味関心層向け、比較検討層向けの施策を同時に運用・管理

顧客主導のインバウンドマーケティングだからこそ、各リードが必要としている情報だけをタイミングよく届けることが重要です。

競合他社に先んじてアプローチできる

競合する複数の商品・サービスを比較・検討して最終決定するのも顧客です。
しかし、「他社と比較して、なぜ当社を選ぶべきか」の根拠となる情報を届けることは必要です。

興味・関心をもって問い合わせをしてきたリードは、おそらく競合他社でも情報収集をしています。他社と差別化できるアプローチをするために、顧客の行動履歴を分析して顧客を理解できるMAツールが役立ちます。

例として、隠れ検討層の獲得があります。

隠れ検討層の獲得

Webサイトを訪れてすぐに資料をダウンロードするリードは、すでに比較・検討段階を終えていて、かつ、競合他社からも情報を取得している可能性があります。
このような動きをMAによって素早く検知してアラートを上げ、競合他社より早く、インサイドセールスによるフォローなどにつなげることができます。

営業部門との連携がしやすい

「顧客主導」とはいうものの、BtoBビジネスでは顧客からのコンタクトのみで購入にいたることは少なく、最後は営業担当者との商談を経て受注となるのが一般的です。
マーケティング部門がMAツールを導入していればSFAなどの営業部門のデータベースとのデジタル連携ができ、情報共有がスムーズです。

MAツールはリードの行動履歴をスコア化し、営業に引き渡すべき「ホットリード」をモレなく抽出します。また、リアルタイムでリードの行動を追い、商談へとつながる動きがあれば通知されるので、タイミングを逃すことなく営業担当者がアプローチすることが可能です。

以上のように、インバウンドマーケティングで着実に成果をあげるために、MAツールは大いに力を発揮します。

BtoBで成果を上げたインバウンドマーケティングの企業事例

最後に、BtoBのインバウンドマーケティングで成果を上げた企業の事例を紹介します。

株式会社ベンカン

70年以上の歴史を持つ配管メーカーであるベンカンは、対面の顧客営業を行うBtoB企業でした。2016年にMAツールを導入したものの、一度解約。しかしコロナ禍で対面営業が難しくなったタイミングの2020年に再導入し、Webサイト改善、メルマガ、ホワイトペーパーなどの施策を実施。獲得リード数は数万件以上となり、現在は、営業部門だけでなくマーケティング部門も集客の重要な役割を担っています。

事例についてくわしくはこちら
株式会社ベンカンMA導入事例

ロジスティード株式会社

ED事業者向けに倉庫サービスと提供しているロジスティードは、2019年にMAを導入しました。チームのメンバーはマーケティング初心者でしたがMAのサポートにより運用をスタート。メルマガ、ウェビナー、ランディングページ改善などの施策を実施し、複数商材の購買フェーズ管理にはシナリオ機能を活用しました。リードナーチャリングにも積極的に取り組んだ結果、マーケティング施策起点での受注件数が前年比264%という実績を上げました。

ロジスティード株式会社MA導入事例

まとめ

本稿のポイントは以下です。

1. インバウンドマーケティングとは、商品やサービスを売り込むのではなく、顧客の側から見つけてもらうマーケティング手法です。
施策として、以下が挙げられます。
・コンテンツマーケティング
・SEO
・SNS
・セミナー/ウェビナー
・メールマーケティング
・ホワイトペーパー
・動画
・顧客フォロー

2. 顧客主導の現代、アウトバウンドマーケティングよりもインバウンドマーケティングの重要性が高まっています。しかしアウトバウンドマーケティングも必要で、組み合わせて活用します。

3. インバウンドマーケティングは「ATTRACT」「CONVERT」「CLOSE」「DELIGHT」の4段階で進めます。。

4. BtoBのインバウンドマーケティングでは以下の点でMAツールが有効です。
・興味・関心層の行動履歴を追い、各リードに対して適切なコミュニケーションをとれる
・競合他社と比較しているリードに対して差別化する情報を提供できる
・タイミングを逃さずホットリードを営業部門に連携できる

最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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