2020年の初めから始まったコロナ禍で、人々の行動に制限が課せられた中、急速に普及が進んだのがWeb会議システムです。
この仕組みをマーケティングに活用し、セミナーをオンラインで実施する「ウェビナー」に期待を寄せる企業が増えています。
ウェビナーで獲得したお客様を商談につなげるには、MAをどう活用すればいいのでしょうか。
ウェビナー集客でどのようにMAを活用できるか?
対面でのお客様とのコミュニケーションが困難な昨今、最も多くのマーケターが力を入れている施策は、何と言ってもウェビナーでしょう。
2021年5月、シャノンはメール配信リストのお客様を対象にアンケート調査を実施しました。その中で「今後注力したいマーケティング施策」を尋ねたところ、1位がウェビナー(19.9%)、2位がMA活用(17.9%)、3位が動画(16.3%)という結果になりました。
これにSNS、SEO、オウンドメディアが続きますが、トップ3に比べると回答数は少なくなっています。
ウェビナーでお客様と接点を作り、商談に至るまでの関係を発展させていくには何をすればいいのでしょうか。
シャノンがお客様との対話を通して分かってきた共通の悩みは、何と言っても集客です。この課題をどうMAで改善するのか。
シャノン自身で試行錯誤を繰り返して得た結論から言うと、答えはお客様に送る集客メールの頻度を上げる。このシンプルなことに尽きます。
とは言え、何も考えずに何度もメールを送れば、配信停止するお客様が増えてしまいます。
マーケティング部門としても、メールが不要なお客様にまでメールを送るのは本意ではありません。ですから、配信頻度を増やしても問題のないお客様を見極める必要があります。
ここで役に立つのが購買ピラミッドです。
シャノンが集客の工夫をする中で分かったことの1つに、ピラミッドのフェーズごとにメールの配信停止率が変わることがあります。
実際のデータを紹介すると、一度もメールをクリックもしたことのない「認知」フェーズの人にメールを送ると、配信停止率は0.15%程度。他のお客様に確認した限りでも同じぐらいでした。
ところが、次の「興味」フェーズ、つまり一度はWebサイトに来てくれたことがある人たちの場合、配信停止率は0.05%程度に低下します。
この結果から、関係構築が進んでいれば、メールの頻度を増やしても許容度が高いと分かります。
オンデマンド動画の利点をコンテンツの改善に
もう1つ、お客様に嫌がられずにメールを増やすコツは、セグメンテーションにあります。
1回目の集客メールは全員に送りますが、2回目は全員には送りません。
MAで「興味フェーズ以上で1回目の集客メールを開封しなかったお客様」のセグメントを作り、そのお客様だけに送る。これだけで集客数は大きく変わってきます。
シャノンが実践したところ、1年間で延べ1.1万人の集客が可能になりました。
一方、どんなにウェビナーの内容がお客様の関心を捉えていたとしても、フォーム登録が面倒、あるいは日程が合わないなど、様々な理由で申し込んでいただけない可能性もあります。
マーケティング部門としても、時間をかけて制作したウェビナーコンテンツですから、有効活用したいところです。
そこで、シャノンではライブ視聴ができなかったお客様に対して、収録した動画コンテンツを登録なしで視聴できるようにしています。
おそらく、ここで浮上するのが、「過去のウェビナー動画を誰でも視聴できるようにしていいのか」という疑問でしょう。
Webコンテンツの場合と同様にMAを使えば、動画コンテンツでもどのぐらいの人数が視聴したかを計測することが可能です。
加えて、オンデマンド視聴の場合、視聴を開始した時間から停止した時間なども分かります。
シャノンでもお客様が何にどのぐらい興味があるのか、どのぐらい理解してもらえたのかを把握するバロメーターとしてオンデマンド動画を使っています。
私たち自身でシャノンの動画機能を使って分かった興味深い事実もあります。
それは同じ内容のウェビナーコンテンツでも、ライブとオンデマンドで視聴傾向に違いがあることでした。
ライブでは開始直後から視聴者数が徐々に増え始め、一定のところでストップするのに対し、オンデマンドの場合は最初の1分で離脱する人たちが一定数いるものの、残った人たちは最後まで視聴していたのです。
また、既に過去に接点がある人と全くない人に分けて比較すると、前者の方が約10%長く視聴する傾向があることも分かりました。
この結果を使うと「ウェビナー開始後の1分ではつかみの話をする」など、チーム内でコンテンツを改善する材料も得られるわけです。
フォローの優先順位付けで役に立つスコアリング機能
頑張って集客したウェビナーに多くのお客様が参加してくれた。動画を視聴してくれたお客様が増えている。
それはマーケターにとってとてもうれしいことですが、施策の実施そのものをゴールにするべきではありません。
その力量が問われるのは、獲得したお客様をより上位のフェーズに引き上げられるかなのです。
その意味で重要なのが、参加者のフォローです。
シャノンではウェビナーに参加してもらったお客様にアンケートへの協力をお願いしています。
その結果を見ると、最も多いのが「今は情報収集中」という回答です。
とは言え、その情報収集中のお客様の中には、初めて参加した人もいれば、ここ半年以内で3回も参加した人もいるといった具合に、状況はそれぞれに異なります。
だとすると、それぞれへの対応は違って然るべきで、お客様の行動に即して優先順位を付けた上で適切なフォローをする必要があると分かります。
シャノンを使うマーケターが、フォローの優先順位をつける時に使う機能がスコアリングです。
この機能では、非対面接点におけるお客様それぞれの行動に点数(スコア)を付け、点数に応じたフォローができるようにしています。
点数の付け方では、「ターゲット度」と「行動」を分けることをお勧めしています。
ターゲット度スコアとは、いわゆる基礎点に相当するもので、お客様になってくれる確率が高い度合いを示しています。
シャノンの場合は、マーケティング部門を対象に提供するシステムなので、マーケティング部に所属している方のスコアが高いといった具合です。
一方、行動スコアは非対面接点で何をしたかを点数化したもので、「ウェビナーに参加した」「1カ月以内にWebサイトにアクセスした」などがスコア対象の行動にしています。
このスコアを使って、各フェーズのお客様を今よりも引き上げる施策を実施していけば、MAを組織に定着させていくことができるでしょう。
例えば、一番下の「認知」フェーズのお客様をメルマガで「興味」まで引き上げることができたとしましょう。
「興味」まで引き上がってくると、次は関心を引き上げるウェビナーをやってみようとなる。
その参加者が「比較・検討」フェーズまで引き上がれば、さらにその上の「商談」フェーズに引き上げる施策が展開できるようになります。
よくMA導入を検討中の企業から「導入しても使いこなせず、高価なメルマガ配信ツールになるのではないか」という懸念の声を聞くのですが、メルマガという個別施策の効果だけで評価するべきではなく、あくまでも重要なのは全体管理です。
メルマガは一番下の「認知」フェーズから「興味」フェーズまでに引き上げる際に最も効果を発揮する施策ですから、何人が引き上がったか、そしてその後の推移を可視化しないことには正しい評価はできません。
マーケティング部門全体で、購買ピラミッドの分布と推移を共有しながら成果を出していけば、決してメルマガ配信ツールにはならないはずです。
これはメルマガだけでなく、ウェビナーを含む全ての施策で言えることです。ぜひMAを次の一手を考える道具として使ってみてください。
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
また、シャノンコンテンツアシスタントでは、主にセミナー集客メールのタイトルと内容、記事集客メールのタイトルと内容、記事本文の生成が可能です。
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