メルマガのCTR(クリック率)を上げるために重要なのが「件名」です。
クリック率だけでなく、CVR(コンバージョン率)も件名によって左右されます。
CTRやCVRが高いメルマガの件名は、どのように作成したらいいのでしょうか。
本記事では、ABテスト等で実績があった件名の実例を紹介し、件名の作り方の手順についてもくわしく解説。メルマガ担当者必見の内容となっています。
メルマガ件名の重要性
メルマガの件名がなぜ重要なのか、ポイントとして以下の3点があげられます。
CTR、CVRを左右する
ユーザーの受信トレイには多くのメルマガが届きます。そのなかで興味を引くタイトルが目に留まったときのみ、メールは開封されCVまで至ります。「本文を読んでみたくなる」ような件名をつけることが最も重要です。
企業の印象を作り上げる
件名は企業の印象やブランドイメージを形成します。ユーザーがタイトルを読んで「開封する」までいかなくても、役立ちそうなことが書かれていると思えば、次回も件名を読む確率が上がります。毎回のメルマガ件名から受ける印象の蓄積が企業や商品、ブランドのイメージを形成するので、悪目立ちするタイトルはおすすめできません。件名がユーザーの好みや関心に合わない場合は配信停止となる可能性もあります。信頼感を与える言葉選びが大事です。
メールの内容を正しく伝える
メルマガ件名には、 メール本文の内容を明確に伝える役割があります。ユーザーは件名を読み、期待値を上げてメールを開封しますが、その期待に応えられなければマイナスの印象を与えてしまいます。メールの件名は、本文の内容を簡潔・適格に伝えることが重要です。
メルマガ件名の基本原則
メルマガ件名を作成するときの基本原則を理解しましょう。
4Uの原則
アメリカの起業家でダイレクトマーケティングの専門家であるマイケル・マスターソン氏が提唱したメルマガの件名に欠かせない4つの原則が「4Uの原則」として知られています。
4Uとは、「Urgent」「Unique」「Useful」「Ultra-specific」で、それぞれ緊急性、独自性、有益性、超具体性と訳されます。
参考:メルマガタイトルの重要性とその影響とは?開封率を高めるための基本原則をご紹介
Urgent(緊急性)
今すぐにメールを読み、行動するべき理由を示します。その情報には緊急性があり、後回しや先延ばしにするべきではないことを知らせます。
- 先着〇名限定
- 期間限定(〇日まで)
- 残り〇枠
Unique(独自性)
他の情報と差別化できる自社だけの価値や信頼感、今回だけの特別な提案などを知らせます。
- 業界初のサービス
- キャンペーン特典のご案内
- 特許取得
Useful(有益性)
メールの内容がユーザーにとってメリットがある情報や提案であることを知らせます。
- 〇〇のお悩みを解決
- すぐ役立つテンプレート付き
- 5分で○○を理解
Ultra-specific(超具体性)
内容を表す数字や実績、ターゲットを特定する文言などにより、具体的にわかりやすく伝えます。
- 〇〇担当者必見
- 売上を〇倍にした成功事例
- 顧客満足度〇%の実績
メルマガ件名でおさえたい基礎知識
メルマガ件名を作成する際に気をつけたい基本として、以下のようなポイントをおさえましょう。
全体の文字数は30文字程度
メール件名は主な配信先がPCであれば30字前後、長くて40字までにおさめるのが適切です。スマートフォンであればその半分の15~20字までとします。
件名冒頭の15文字が特に重要
件名のなかでも特に最初の10~15文字に重要なメッセージを入れるようにします。たくさんのメールを短時間でチェックするユーザーの注意を引くため、また、スマートフォンでタイトルの一部が表示される通知でも内容を伝えられるようにするためです。
記号や絵文字を適切に使う
多くのメール件名の中の判別しやすさ、読みやすさのために記号や絵文字を適切に使用します。とはいえ、BtoBのメルマガでは【】が活用されるほかカギカッコ(「」『』)などを使う程度で、「!」の使用も控えめです。あまり多くの記号を使うと信頼度を損なうと考えられます。 BtoCメールでは★や絵文字などを使用した方が有効なこともあります。
メルマガ件名で活用できる8つの表現方法
件名を作成するとき、どんな表現にするかについては、いくつかのパターンがあります。
シャノンではターゲットや内容を変えたメルマガをほぼ毎日配信しています。そこで使用している8つの表現方法をまとめたものが以下です。
上記のうち、たとえば「ホラーストーリー」と「サクセスストーリー」のどちらの件名のほうが実際に効果が高いのか悩むこともあります。その場合はABテストを行い、客観的に効果を測定します。
以下の記事ではABテストの具体的な方法のほか、メールタイトルのABテスト事例も多数紹介しています。
参考:ABテストとは?実例で分かる!成果を上げるコツや進め方を解説
メルマガ件名を決めるときは、上記のような表現軸のほか、「何を」「誰に」伝えたいのかという訴求軸も重要です。表現軸と訴求軸については、このあとの「メルマガ件名を作成する手順」でくわしく解説します。
クリック率 が高かった件名の事例
ABテストで検証して開封率が高かったメルマガ件名の事例をご紹介します。
成功推し vs 失敗しない推し
まず、さきほど表現方法の解説で触れた、「サクセスストーリー」か「ホラーストーリー」のどちらがいいか?の結果は、以下のとおりです。
「失敗しない」ことを強調したBのほうが180%高いという結果でした。
ランキング1位を隠す vs TOP3
気になる部分を隠した件名は効果があるでしょうか。以下のような結果でした。
やはり「隠す」方法は、もっと読んでみたいという気持ちを喚起するのに有効なようです。
件名は短いほうがいい?の意外な結果
長い件名と短い件名についてはどうでしょうか。
あるテストの結果は以下のとおりです。最初のテストでは、件名が長いAの方がクリック率が高く停止率が低いという結果でした。
BはAに比べ停止率が6倍も高かったことから、文字数が短いと訴求力が強くなるという仮説を立て、ネガティブな表現(「限られた予算」)を変更したうえで追試を実施しました。
結果、 以下のテストでは、短い件名の方がクリック率が高くなりました。
この2つの結果から、 タイトルは短いほうが良いとされますが、表現には注意が必要です。
その他の効果が高かったメール件名
その他にもある、効果が高かったメール件名のいくつかを紹介します。
特典「あり」ではクリック率が大幅に高くなりました。
無料である、といったメリット をタイトルで明記することも効果的です。
下記は内容を具体的に紹介したほうがクリック率が高いという事例です。
さらにこのあとの「件名を作成する手順」でも件名の事例を紹介していきます。
メールタイトルをクリック率・コンバージョン率で分析した結果
定期的にメルマガを配信するなかで、CTR(クリック率)とCVR(コンバージョン率)を計測していくと、効果が高かった件名とそうでなかった件名が明らかになってきます。
過去シャノンが実際に送ったメール件名を分析した結果、四つのタイプがあることが分かりました。
- コンバージョン率もクリック率も良い ベストセラー型:内容がテーマに沿って訴求できており、それをキャッチーに表現できている
- コンバージョン率は良いがクリック率が悪い 隠れた名作型:表現は良くないがテーマや内容に沿った訴求ができている
- クリック率は良いがコンバージョン率が悪い 話題先行型:内容は薄いが、キャッチーな表現が使用されている
- どちらも悪い 打ち切り型:テーマや内容に沿った訴求ができておらず、キャッチーな表現もできていない
上記は、過去シャノンが送ったメールの結果を基に、CTR、CVR良かったもの、悪かったもので四象限に分けて特徴を洗い出しています。
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目標とする件名は、CTR、CVRともに高い左上の「ベストセラー型」です。
ポイントとしては、クリック率・コンバージョン率の高いメルマガタイトルを作るには、訴求と表現が必要ということです。
クリックされるメルマガ件名を作成する手順
メルマガ件名を実際にどのような手順で作成していけばいいでしょうか。
シャノンで実践している「訴求軸」と「表現軸」を分析してすすめていく手順を解説し、ケーススタディをご紹介します。
訴求軸と表現軸とは?
訴求軸とは、メールで伝えたい内容のことです。さらに分析すると、その要素としてたとえば以下があります。
- 誰(どんな状況の人)に向けた内容か
- どんな課題を解決するか
- 今メールを読むメリットは何か
表現軸とは、前項までで説明してきたような、メール件名の表現、文字数、ワード選びなどのことです。
件名の作成手順は、以下となります。
- 件名で何を訴求するかを明らかにする
- 1)の訴求内容をどう表現するかを決める
訴求軸は、ターゲットの状況・課題・クリックメリットを考えて、整理していきます。例えば集客先がウェビナーであれば、そのウェビナーに参加するターゲットの状況、課題を踏まえ、訴求軸を考案します。
表現軸は、訴求する内容をどのようなパターンで表現するのかを考えていきます。はじめに考える際は冒頭でご紹介した、表現の8パターンを参考に当てはめて考えるのがおすすめです。
【ケーススタディ】ウェビナーの集客メールの例
以下のようなウェビナーを例にとり、集客メールの件名を考えてみます。
以下のようなシートで状況と課題を整理して、訴求ポイントを明らかしていきます。
訴求ポイントとして、「55もの具体的なアイデア」「成功事例」「限られたリソースで実行可能」などがあることがわかります。
以下は実際に効果が高かった件名の事例です。
ターゲットとしているマーケティング担当者の課題である「アイデアが枯渇」にフォーカスしていることから、件名には「55のアイデア」を入れることが有効です。
さらに、冒頭に印象的な数字での実績を追加した以下の件名で最終決定となりました。
【昨年比3.3倍も】資料請求CVを改善する55のアイデア
メルマガ件名を決めるときの注意点
メルマガ件名の作り方についてここまで述べてきました。おさえておきたい注意点について解説します。
思いつきで決めない
メルマガの件名を作成するとき、根拠はないがなんとなくよさそう、と思いつきでタイトルを決めることはあまりおすすめできません。仮にその件名が有効だったとしても、再現性がないからです。
一方、シャノンおすすめの「訴求軸」と「表現軸」の2段階で件名を作成していく方法であれば、プロセスが明確なので再現性が保たれています。ある件名であまり成果が出なかったときには、件名作成のプロセスを確認することで原因を分析することができます。
ABテストで検証する
効果的なメルマガ件名の例として、「成功推し」と「失敗しない推し」では後者のほうが効果的という事例を示しました。しかしこの結果は、シャノンが実施したABテストの測定結果であり、商品・サービスの種類や企業によって結果はちがってくる可能性があります。
本当に効果が高い件名を見つけるためには、自社環境でABテストを実施することが大切です。定期的にABテストを行うことで、自社にとってベストな件名のパターンを明らかにしていくことができるでしょう。
ABテストの具体的な方法、ツールの選び方などについては以下の記事で解説しています。
参考:ABテストとは?実例で分かる!成果を上げるコツや進め方を解説
件名作成を支援するAIツール「シャノン コンテンツアシスタント」とは
効果的なメルマガの件名を効率よく作成するためのAI活用ツールとして、「シャノン コンテンツアシスタント」がおすすめです。シャノン コンテンツアシスタントは、専門的なプロンプトを入力することなく、メルマガ件名などの欲しい結果を得られる生成AI活用支援ツールです。
件名の候補としていくつかの候補を出すことができるので、そのあとは、今回紹介したような件名作成の手順に沿って、人が最適な件名を選んだり、少しの編集を加えたりすることで作業が完了します。
メールの件名だけでなく、各種のメール本文、ブログ記事のトピックなど、テキストを作成する業務全般を効率化できます。
詳細はこちら
まとめ
本稿のポイントは以下です。
1. メルマガの件名は、以下の点で重要です。
・CTR,CVR を左右する
・企業の印象を作り上げる
・メールの内容を正しく伝える
2. メルマガ件名の基本原則として4Uの原則があります。「Urgent」緊急性、「Unique」独自性、「Useful」有益性、「Ultra-specific」超具体性の4つの要素が欠かせないという原則です。
3. メルマガ件名では以下の基本を押さえましょう。
・文字数は30文字程度まで
・件名冒頭の15文字が特に重要
・記号や絵文字を適切に使う
4. メルマガの件名を作成する手順は以下の2ステップです。
1)何をを訴求するかを明らかにする
2)訴求内容をどう表現するかを決める
5. メルマガ件名を決めるときの注意点は以下です。
・思いつきで決めない
・CTRとCVRのどちらも重視する
・ABテストで検証する
6. 「シャノン コンテンツアシスタント」はマーケティングに特化した生成AI活用ツールです。メルマガ件名の候補をいくつか出すといった作業を簡単に効率よく行うことができます。
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最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
また、シャノンコンテンツアシスタントでは、主にセミナー集客メールのタイトルと内容、記事集客メールのタイトルと内容、記事本文の生成が可能です。
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