BtoBの集客で効果的な施策のひとつがセミナー(またはウェビナー)です。
しかし、「セミナーの企画が決まらない」「集客できるのはどんな企画?」など、企画決めに悩んでいる担当者も多いのではないでしょうか。
ターゲットのニーズに応えるよい企画なら、セミナー集客の苦労は少なく、集客からの商談獲得率も上がります。
本記事ではシャノンが毎週ウェビナー開催をする中でつちかった「ここだけは外せない」セミナー企画の作り方のポイントを解説していきます。
また、シャノンが日本のマーケティング専用に開発した生成AIクラウド「シャノン コンテンツアシスタント」を使ったセミナー企画の作成方法についてもご紹介します。
セミナーの目的を確認
企業が定期的に開催するセミナーは、BtoBビジネスのマーケティング戦略においてとても重要です。
セミナーの役割として、以下が挙げられます。
集客
幅広くセミナー開催を告知して、見込み客を集客します。セミナーの満足度が高ければ、見込み客の興味や関心を引き上げることができ、商談へ進む顧客を増やせます。
ナーチャリング(リード育成)
セミナーは、まだ購買意欲が高くない見込み顧客に対して、価値ある情報や知識を提供することで、徐々に関心を高めてもらう場です。特に長期的な購買プロセスを持つB2B商材において、顧客に対する定期的なフォローや信頼関係の構築が重要で、セミナーはそのための有効なタッチポイントになります。
既存顧客のフォロー
既存顧客フォローを目的とするセミナーもあります。既存顧客の業務上の課題感に応えたり、自社と既存顧客、既存顧客同士のコミュニケーションの機会を提供したりすることで、顧客満足度を高められます。
ブランディング
セミナー開催の実績は、自社がどんなソリューションを提供できるか、どのように顧客を理解しているかを既存顧客や見込み客、あるいはそれ以外の人に知らせることになり、自社製品のブランディングにも有効です。
このなかで最も重要なのは、もちろん、新規の「集客」です。
このあと、集客できて、かつ新規顧客の獲得につながるセミナーの企画について考えていきます。
セミナーのテーマ決めはなぜ重要か
セミナーを開催するとき、「企画」はとても重要です。
企画とは具体的には、セミナーのタイトル、テーマなどのコンテンツを指します。または、会場や日程などの開催概要までを含めて企画と呼ぶこともあります。
セミナー企画のなかでも特に重要な「テーマ決め」がなぜ重要かを整理します。
セミナーは重要な顧客接点
セミナーは企業と顧客とを結ぶ重要な顧客接点(タッチポイント)です。企業は限られたタッチポイントを、顧客に情報を届けられる機会として最大限有効に活用して、新規顧客を獲得していく必要があります。
そのために、ひとつひとつのセミナーの質を上げることが不可欠です。
参考:タッチポイント(顧客接点)とは?意味や重要性、種類、タッチポイント強化の方法を解説
セミナーの費用対効果を上げることが重要
セミナーの集客力を高めるひとつの選択肢として、著名な講師を招くという方法があります。自社製品のことを知らない潜在顧客を含めて幅広く集客できるという意味で、有効な手段といえます。しかしこの方法はコストがかかるので、1年に何度も実施することはできません。
また、「著名な講師の話をききたい人」と「自社製品のニーズがある人」とは必ずしも一致しないので、集客数に対して商談数の割合が低くなることも避けられません。
セミナー施策で重要なのは、定期的にセミナーを開催して自社のターゲット層に近い見込み客を集客し、費用対効果を下げること。そのためには、ターゲット層の興味・関心を確実にとらえる内容を提供することが有効です。
さらにもうひとつ大事なことは、セミナーは1度きりでなく定期的に開催していくので、コンスタントにいくつもの企画アイデアを出し続けるということです。
よいセミナー企画を立てて継続的に実施していくことにより、他のマーケティング施策と合わせたCAC(顧客獲得単価)を一定水準以下におさえることが可能になります。
参考:CAC(顧客獲得単価)とは?LTVとの関係・改善方法・計算用テンプレートを紹介!
セミナー企画で重要なテーマ決め、3つのポイント
セミナーの企画を立てるときに最も悩むのがテーマ決めですが、以下のような3つのポイントが手掛かりになります。
ターゲット層の興味・関心を引くテーマを選ぶ
自社のターゲット層が業務上必要とすることが多い「お役立ち情報」「ビジネスハック」などをテーマに設定する方法です。
たとえば、シャノンの場合、ターゲット層がマーケティング部門のかたなので業務とかかわりが深い以下のテーマをとり上げます。
- メール
- ウェビナー
- 展示会
- リード獲得・育成
- SEO
- 活動計画
テーマの候補を出すためには、自社の典型的な顧客像として作成したペルソナが役立ちます。日々の業務、行動履歴、仕事における悩みなどを洗い出し、それをセミナーの企画に落とし込んでいく方法です。さらにくわしく分析するためにカスタマージャーニーマップを作成する場合もあります。
参考:ペルソナマーケティングとは?設定するメリットや作成方法、具体例を紹介
カスタマージャーニーとは?わかりやすく概念や作り方を解説。シャノンが提案する「購買ピラミッド」も紹介!
顧客の課題感を深く理解して、テーマに落とし込む
ターゲット層が抱いている課題や悩みをさらに具体的に、詳細に掘り下げて、その解決策となるようなテーマでセミナーを企画することが有効です。
そこで、顧客の課題感をどのようにして理解すればいいのか?が問題となります。そのための方法はいろいろありますが、例として以下が挙げられます。
ペルソナをさらに深く分析する
ペルソナやカスタマージャーニーマップをさらに深く、くわしく分析して、業務上の課題、悩んでいることは何かを具体的に明らかにして、それに対応したソリューションをテーマとして設定します。
デプスインタビュー
顧客からじっくり話をきいて本音を集めるデプスインタビューも有効な方法です。適切なインタビュー項目を設定することにより、自社が必要としている顧客行動に関する情報を引き出すことができます。
参考:マーケティングリサーチの種類と手法は?デプスインタビュー事例も紹介!
セミナー(ウェビナー)の事後アンケート
セミナー実施後には必ず参加者に事後アンケートへの回答を依頼します。セミナーの内容の何が役に立ったかをたずねることにより、今後のセミナー企画を立てるうえで参考になります。
アンケートの具体的な方法については、シャノンの実例とともに後述します。
参考:ウェビナーアンケートの鉄板項目│回答率を高めるコツや活用例を紹介
季節ごとのニーズをテーマにする
上記で述べた2つのポイントと重なる部分もありますが、年間を通して定期的にセミナーを開催するにあたり、季節ごとのテーマを組み込んでいくことも有効です。
ターゲットがマーケティング部門のシャノンは、新年度にあらたに部門に着任した担当者を意識した「用語解説セミナー」、展示会が多い季節に「展示会フォロー計画」などが考えられます。
以下のとおり、常に平均集客数を上回る実績です。
セミナー企画の手順
テーマ決めを含めた全体的なセミナー企画の手順をまとめます。
目的とターゲットの設定
セミナーの目的とターゲットを明確にします。
セミナーの目的としては、冒頭で述べたように「集客」のほかに「既存顧客のフォロー」「ブランディング」などがあります。ここでは「集客」を目的としたセミナーを考えます。
次にターゲットを決めます。集客目的のセミナーの中でも、さらにターゲットをどのような人に絞り込むかが重要です。BtoBの場合、顧客企業の担当者の購買意欲がどの程度かによって、セミナーの内容を明確に分けることが有効です。
上図はシャノンが実施している「製品ウェビナー」と「関心ウェビナー」の実施状況です。購買意欲は低いが関心はある人向けと、具体的に購買を検討している人向けでターゲットを分け、それぞれに合うテーマでウェビナーを実施することにより、全体の成果を上げることができます。
テーマの設定
テーマの設定は、集客できて成果が上がるセミナーにするために、最も重要です。
前述した3つのポイントなどを参考にしながら、まず担当者全員でテーマの候補を多めに出してみます。
テーマ出しにAIサービスを活用するのも有効な方法です。
後半では、シャノンが提供するAI活用コンテンツ生成サービスについて紹介しています。
開催概要の決定(企画書の作成)
日時、会場を決めます。
外部の施設を借りて行うリアルセミナーの場合、立地がよく、かつ集客目標に合うキャパシティの会場を慎重に選ぶ必要があります。
概要を決めるとともに、セミナーの企画意図がわかるような企画書を作成します。
以下は実際のシャノンの企画書です。
企画書の主な項目を詳しく見ていきます。
テーマ
セミナー企画のテーマを明示します。
ターゲット
今回のセミナーのターゲット像をできるだけくわしく記載します。具体的には、以下のような項目でまとめます。
- 人物例(××会社/〇〇様)
- 状況(現在の役職と権限、日々の業務)
- 課題(取り組みたいができていないこと、悩んでいることなど)
- メリット(ターゲットにとってセミナー企画がどんなメリットをもたらすか)
タイトル
わかりやすく、かつターゲット層にセミナーの内容のメリットが伝わるタイトルを決めます。
骨子
さらにくわしい企画内容、構成を記していきます。
骨子では、期待値、山場(サビ)、読後感を決めることで、内容の一本軸ができ構成が考えやすくなります
セミナーの準備と集客
具体的なセミナーの準備に入ります。
主な準備として、集客施策とセミナー会場やコンテンツ準備の2つがあります。
集客施策
申込のためのランディングページを作成します。集客目標を設定し、それを達成する方法として、メルマガやSNSなどの既存のチャネルを使う告知計画のほか、Web広告を行う場合は出稿計画を立てます。
参考:申し込みフォームの効果的な作り方やおすすめの作成ツールを具体的に紹介
セミナーの集客を成功させるには?シャノンの経験から必勝法をご紹介
会場やコンテンツの準備
外部会場を使用するときは、会場スタッフとの打ち合わせ、使用できる設備チェックなどを準備します。当日使用する配付資料や映像、プレゼンテーションシナリオの準備、進行表作成、スタッフの配置確認なども必要です。
当日のセミナー実施
会場設営、環境チェックなどを事前に終えて、ゲストを迎えます。
セミナー終了後は、参加者にアンケートへの協力をお願いしましょう。
事後フォロー
参加者の情報やアンケートの回答をもとに、参加した方と継続的にコミュニケーションをとり、その後の関係性を構築します。
セミナーの集客、申込者管理、事後フォローなどの一連の施策を効率的に行うには、MAが有効です。
たとえば、以下のような業務を自動化して、業務を効率化できます。
- セミナーの新規申込者とオンライン登録者の自動名寄せ
- セミナー告知メールの絞り込み
- セミナー参加者への事後フォローメールのシナリオ設定
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セミナー企画を成功させるポイント
セミナー企画ではテーマ決めが重要ということはすでに述べましたが、それ以外にもあるセミナー企画を成功させるためのポイントについて紹介します。
タイトルを吟味する
ターゲット層のニーズに応えられるテーマとコンテンツを用意すれば一定の集客ができます。ただし、セミナーのタイトル次第で同じ内容でも集客力が違ってきます。
効果的なタイトルを知るために、ABテストが効果的です。
ABテストとは、対象をABの2つのグループに分けて施策を実施し、結果を比較することです。
たとえば、以下のタイトル比較では、Bのほうが申込率が180%高いという結果が出ました。
ABテストは実際の施策のなかで測定していくので、セミナーの回を重ねていくなかでタイトルを改善し、成果を上げていくことができます。
参考:ABテストとは?実例で分かる!成果を上げるコツや進め方を解説
幅広く、効率よく集客する
セミナーの企画がよいものであれば集客力はアップしますが、情報をできるだけ多くの人に届けることで、さらに集客を増やすことができ、商談数の向上にもつながります。
幅広い集客のためには、以下のような施策が有効です。
LP公開
LP公開は、集客期間を担保するために遅くとも本番5週間前の公開がおすすめです。
メール
メルマガの配信回数は集客に大きく貢献します。シャノンのデータでは、ウェビナー集客におけるメルマガの回数が多い程ウェビナーの集客数が多くなるということが分かっています。
また、効率的な集客のためには、見込み客のニーズに合わせたOne to Oneマーケティングも有効です。そのためには、ターゲットを絞り込んでメールを送信する「セグメントメール」を実施します。また、通常のメールマガジンに加えて、セミナー案内に特化したメールを配信する方法も有効です。
具体的なメール施策については以下にて詳しくご紹介しております。
参考:メールで始めるウェビナー集客3つのポイント
SEO、オウンドメディア対策、SNS運用
SEO、オウンドメディアの品質向上、SNSアカウント運用などにより流入ユーザー数の向上に務めていれば、セミナー企画がユーザーの目に留まる機会が増え、集客に役立ちます。
Web広告
とくに力を入れたいセミナーの集客ではコストをかけて実施するWeb広告も有効です。製品そのものを告知する広告よりも、セミナーを告知する広告のほうが一般ユーザーの目に留まりやすい場合もあります。
外部会社の活用も検討する
セミナーの企画では多くのタスクが発生し、リソースもかかります。外部から参加者をつのるセミナーを一定の成功に導くことができなければ、企業のブランドイメージにとってマイナスです。
そのような事態を避けるため、過去にセミナーの経験がなく、これから始めるという企業は、当初は専門知識のある外部企業の支援を受けるという方法も有効です。
【事例紹介】効率がよく成果を出せる、セミナー企画の作り方
最後に、シャノンのセミナー企画の事例をご紹介します。
「そもそもネタがない」ときは「事後アンケート」を活用
セミナー終了時、参加したお客様に依頼する事後アンケートでは、コンテンツを細かい項目で分けて、役に立ったのはどの内容かを聞きます。
この例では、「メルマガのファーストビューに目次」「脇役メルマガ」など、メールマーケティングのTipsが支持されました。
そこで、次のセミナーでは「メール」をテーマにしてみよう、という方向性が出てきます。
実際にメルマガのウェビナーを企画したところ、平均よりも多くの集客ができました。
このようなセミナーと事後アンケートの繰り返し、各種の改善によって、集客力のあるセミナー企画作りを目指します。
タイトルは重要ワードを押さえつつシンプルに
セミナーのタイトルも集客力を左右する重要ポイントです。
タイトルに具体的な実績の数字を入れることで、インパクトがあると同時に「行く価値がありそう」という説得力にもなっています。
そのあとに具体的なターゲットは誰か、参加すると何ができるのかを伝えます。
セミナー企画作りに役立つ「シャノン コンテンツアシスタント」
セミナーの企画案はひとつではなく、いくつかの候補を出して吟味することが大事です。また、定期的にセミナーを開催していくためにも複数の企画候補を常にキープしておく必要があります。
そのために、AIツールの活用が有効です。
シャノンが提供する「シャノン コンテンツアシスタント」は、マーケティング施策のコンテンツを効率よく生成できる、生成AIを活用した専用ツールです。
コンテンツアシスタントでは、以下のような画面に必要事項を入力すれば、企画の提案を返してくれます。複雑なプロンプトを入力する必要はありません。
シャノンのコンテンツアシスタント紹介ページはこちら
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まとめ
本稿で解説したポイントは以下の通りです。
1. セミナーの企画が重要な理由
・セミナーは顧客との重要な接点であるため
・費用対効果を高めるために、戦略的な企画が必要であるため
2. セミナーテーマの選定ポイント
・ターゲット層の興味・関心を引くテーマを設定する
・顧客の課題を理解し、それに沿ったテーマを作成する
・季節に合わせたニーズをテーマに取り入れる
3. セミナー企画の手順は以下の通りです。
1) 目的とターゲットの設定
2) テーマの設定
3) 開催概要の決定(企画書の作成)
4) セミナーの準備と集客
5) 当日のセミナー実施
6) 事後フォロー
4. セミナーを成功させるためのポイントは以下のとおりです。
・ターゲットに響く効果的なタイトル設定
・幅広く効率的に集客するためのメールやWeb広告の活用
・SEOやSNS運用の強化による集客力向上
・外部企業の活用を検討してリソースを最適化
5. シャノンで実施したセミナー実例
・事後アンケートを活用して次回のテーマを改善する
・季節性のあるテーマを年間計画に組み込む
・数字を用いたインパクトのあるタイトル設定で集客を促進
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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また、シャノンコンテンツアシスタントでは、主にセミナー集客メールのタイトルと内容、記事集客メールのタイトルと内容、記事本文の生成が可能です。
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